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C++とは?特徴・用途から年収・将来性まで解説

スキル

最終更新日:2025/04/14

C++とは?特徴・用途から年収・将来性まで解説

この記事を通して、C++が持つ本質的な特徴、そのメリットとデメリット、具体的な活躍の場、効果的な学習方法、そして気になるC++エンジニアとしてのキャリア、年収、将来性に至るまで、多角的に解説していきます。

目次

  • はじめに

  • C++とは?

  • C++の特徴

  • C++を学ぶメリット

  • C++の学習における壁:デメリットと注意点

  • C++はどこで使われている?

  • C++と他の主要言語との比較

  • C++エンジニアのキャリアパス、年収と将来性

  • まとめ

はじめに

現代のテクノロジー社会を支えるソフトウェアの多くは、様々なプログラミング言語によって作られています。

その中でも、ひときわ強力で、幅広い分野で活躍し、長い歴史を持つ言語があります。

それが「C++(シープラスプラス)」です。

もしかしたら、あなたはこの「C++」という名前を聞いたことがあるかもしれません。

「なんだか難しそう」「ゲーム開発で使われているらしい」「C言語と何が違うの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、そんな「C++とは何か?」という根源的な問いに、プログラミング初心者の方から、すでに他の言語を習得されている方、そして現在C++を扱っているエンジニアの方まで、あらゆるレベルの読者の皆様に向けて、包括的かつ深く掘り下げてお答えします。

本記事を読むことで、あなたはC++という言語の全体像を掴み、その魅力と可能性を深く理解することができるでしょう。

プログラミングの世界への第一歩を踏み出そうとしている方にとっては、C++がどのような選択肢となり得るのかを知る良い機会となります。

すでに他の言語を経験されている方にとっては、C++の独自性や強みを再認識し、スキルセットの幅を広げるきっかけになるかもしれません。

そして、現役のC++エンジニアの方にとっては、改めてC++の価値を見つめ直し、今後のキャリアを考える上でのヒントが得られるはずです。

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C++とは?

まず最初に、C++という言語がどのようなものなのか、その基本的なプロフィールから見ていきましょう。

歴史や他の言語との関係性を知ることで、C++の立ち位置がより明確になります。

C++の定義と位置づけ

C++を端的に表現するならば、「静的型付けに対応した、コンパイル型のマルチパラダイムプログラミング言語」と言うことができます。

少し難しい言葉が並びましたが、一つずつ解きほぐしていきましょう。

静的型付け

静的型付け」とは、プログラムの中で扱うデータ(数値、文字など)の種類(型)を、プログラムを実行する前、つまりコンパイル(後述)の段階で厳密にチェックする方式のことです。

これにより、型に関する間違いを早期に発見でき、プログラムの信頼性を高める効果があります。

コンパイル型

コンパイル型」とは、人間が書いたC++のコード(ソースコード)を、コンピュータが直接理解できる機械語(ネイティブコード)に事前に一括して翻訳(コンパイル)してから実行する方式の言語であることを意味します。

この方式の大きな利点は、実行速度が非常に高速であることです。

マルチパラダイム

マルチパラダイム」とは、一つのプログラムの書き方(プログラミングパラダイム)に縛られず、複数の書き方をサポートしているという意味です。

C++は、特に「オブジェクト指向プログラミング」を強力にサポートしていることで知られています。

これは、現実世界のモノ(オブジェクト)をモデル化し、データとそれに対する操作をひとまとめにして扱う考え方で、大規模で複雑なソフトウェアの開発を効率化し、保守しやすくするのに役立ちます。

しかし、C++はオブジェクト指向だけでなく、C言語から受け継いだ「手続き型プログラミング」(処理の順序を重視する書き方)や、「ジェネリックプログラミング」(データ型に依存しない汎用的なコードを書く技術)といった、多様なプログラミングスタイルを柔軟に組み合わせることが可能です。

高水準言語低水準言語

さらに、C++は「高水準言語」と「低水準言語」の両方の特性を併せ持っていると言われます。

高水準言語とは、人間が理解しやすい抽象的な記述ができる言語のことです。

オブジェクト指向などの機能は、この高水準言語としての側面を代表するものです。

一方、低水準言語とは、コンピュータのハードウェアに近い、より基本的な操作ができる言語のことです。

C++は、メモリ(コンピュータがデータを記憶する場所)を直接操作したり、ハードウェアを細かく制御したりする能力も持っており、これが低水準言語としての側面です。

この両方の特性を兼ね備えていることが、C++の汎用性とパワーの源泉となっています。

C++の歴史と進化

C++の誕生

C++は、1979年にデンマークのコンピュータ科学者ビャーネ・ストロストルップ(Bjarne Stroustrup)博士によって、AT&Tベル研究所で開発が始められました。

その原点は、「C言語にオブジェクト指向機能を追加する」というアイデアにありました。

当初は「C with Classes」と呼ばれていましたが、1983年に「C++」という名称に変更されました。

「++」は、C言語のインクリメント演算子(変数の値を1増やす演算子)に由来し、C言語を拡張・強化した言語であることを示唆しています。

C++は、C言語の高速性や効率性を維持しつつ、クラスや継承といったオブジェクト指向の概念を導入することで、より大規模で複雑なソフトウェア開発に対応できるように設計されました。

その後、C++は多くの開発者に受け入れられ、様々な機能拡張が行われていきました。

その過程で、言語仕様の標準化が重要視されるようになり、1998年に最初の国際標準規格「C++98」が、続いて2003年にマイナーアップデート版である「C++03」が策定されました。

これにより、異なる環境(OSやコンパイラ)間での互換性が向上し、C++の普及がさらに加速しました。

C++の進化

C++の進化はここで止まりませんでした。

プログラミング言語を取り巻く環境や要求の変化に対応するため、21世紀に入ると、C++は大きな変革期を迎えます。

2011年に策定された「C++11」は、それまでのC++に比べて大幅な機能追加と改善が行われ、「モダンC++」と呼ばれる新しい時代の幕開けとなりました。

ラムダ式、autoキーワードによる型推論、右辺値参照とムーブセマンティクス、スマートポインタなど、より安全で効率的、かつ簡潔にコードを書くための機能が多数導入されました。

C++11以降も、C++14C++17C++20、そしてC++23と、およそ3年ごとに標準規格が改定され、継続的な進化を続けています。

コンセプト(テンプレートの制約)、モジュール(ビルド時間短縮とカプセル化強化)、コルーチン(非同期処理の記述改善)など、現代的なプログラミングの要求に応えるための新機能が次々と追加されており、C++は今なお活発に開発が進められている言語なのです。

C言語との関係

C++の成り立ちを考えると、C言語との関係は非常に密接です。

「C++はC言語のスーパーセットである」とよく言われます。

これは、基本的にC言語で書かれたプログラムの多くは、C++のコンパイラでもコンパイルして実行できることを意味します。

C++は、C言語の機能や文法をほぼすべて内包し、その上に新しい機能を追加する形で設計されたからです。

では、C++がC言語に追加した主要な機能にはどのようなものがあるでしょうか?代表的なものは以下が挙げられます。

  • クラスとオブジェクト データとそのデータを操作する関数をひとまとめにする「カプセル化」を実現します。

  • 継承: 既存のクラスの特性を引き継いで新しいクラスを作成し、コードの再利用性を高めます。

  • ポリモーフィズム(多様性): 同じインターフェースで、異なる動作をするオブジェクトを扱えるようにし、柔軟なプログラム設計を可能にします。

  • ジェネリックプログラミング: データ型に依存しない汎用的な関数やクラスを作成できます。これにより、同じロジックを異なる型のデータに対して繰り返し書く必要がなくなります。

  • 例外処理: プログラム実行中に発生した予期せぬエラーを検知し、適切に対処するための仕組みです。

  • 名前空間: プログラムの規模が大きくなったときに、関数や変数などの名前が衝突するのを防ぐための仕組みです。

  • 参照: 変数に別名をつける機能で、特に関数の引数などで効率的なデータの受け渡しを可能にします。

  • 標準テンプレートライブラリ (STL): データ構造やアルゴリズムなどを提供する強力なライブラリ群です。

これらの機能により、C++はC言語に比べて、より抽象度の高い設計、コードの再利用、大規模開発の管理などが容易になっています。

一方で、C言語はそのシンプルさ、ハードウェアへの近さ、学習の容易さ(C++と比較した場合)から、現在でも組み込みシステムやOSのカーネル開発など、特定の分野で根強く使われています。

C++の機能が不要な場合や、リソースが極端に制限されている環境では、C言語が選択されることもあります。

C言語とC++は、親子のような関係にありながら、それぞれに得意な分野や適した用途があります。

C++を理解する上で、その基盤となったC言語の存在と、C++が何を目指して拡張されたのかを知っておくことは非常に重要です。

C++の特徴

C++が長年にわたり多くの開発現場で使われ続けているのには、明確な理由があります。

ここでは、C++をC++たらしめている核心的な特徴について、さらに深く掘り下げていきましょう。

なぜC++は高速なのか?オブジェクト指向とは具体的にどういうことか?その汎用性や機能の豊富さはどこから来るのか?これらの疑問に答えていきます。

パフォーマンス

C++の最も際立った特徴の一つは、その実行速度の速さです。

なぜC++で書かれたプログラムは高速に動作するのでしょうか?その理由はいくつかあります。

コンパイル言語

第一に、C++はコンパイル言語であるという点が挙げられます。

前述の通り、C++のコードはプログラムを実行する前に、コンパイラによってターゲットとなるコンピュータが直接理解できる機械語に変換されます。

一度機械語になってしまえば、実行時には翻訳作業が不要なため、非常に高速に動作します。

これに対して、インタプリタ言語(例えばPythonやRubyなど)は、プログラムを実行しながら一行ずつ解釈・実行していくため、一般的にコンパイル言語よりも実行速度が遅くなる傾向があります。

低レベルなメモリ操作やハードウェアへのアクセス能力

第二に、C++は低レベルなメモリ操作やハードウェアへのアクセス能力を持っていることが挙げられます。

C++では、「ポインタ」という仕組みを使って、メモリ上の特定のアドレスを直接指定してデータを読み書きすることができます。

これにより、データの配置やアクセス方法を細かく制御し、無駄のない効率的な処理を記述することが可能です。

また、ハードウェアの機能を直接呼び出すような、よりコンピュータの動作原理に近いレベルでのプログラミングも得意としています。

このような低レベルな操作は、使い方を誤ると危険も伴いますが、パフォーマンスを極限まで追求する必要がある場面では強力な武器となります。

最適化技術の進化とコンパイラの役割

第三に、最適化技術の進化とコンパイラの役割も重要です。

C++のコンパイラは長年の研究開発により非常に高度化しており、書かれたコードを解析し、より高速に動作するネイティブコードを生成するための様々な最適化を行います。

ループ処理の効率化、不要な計算の削除、命令の並べ替えなど、コンパイラが自動的に行ってくれる最適化は多岐にわたります。

開発者は、コンパイラの最適化能力を信頼しつつ、より最適化されやすいコードを書くことで、さらなるパフォーマンス向上を図ることができます。

実行時のオーバーヘッドが少ない

第四に、C++は実行時のオーバーヘッドが少ない言語であると言えます。

例えば、一部の言語では、実行中に型チェックを行ったり、ガベージコレクションを実行したりするために、プログラム本体の処理とは別に、ある程度の計算資源が消費されます。

C++は静的型付けであり、基本的なメモリ管理は開発者が行うため、このような実行時の追加的な負荷が比較的小さいのです。

これらの理由から、C++は実行速度が最重要視される分野、例えば、リアルタイム性が求められるゲーム開発、大量の計算が必要な科学技術計算、ミリ秒単位の応答速度が要求される金融取引システムなどで、依然として第一の選択肢となり続けています。

オブジェクト指向プログラミング (OOP)

C++がC言語から大きく進化した点のひとつが、オブジェクト指向プログラミング (Object-Oriented Programming, OOP) の強力なサポートです。

OOPは、プログラムを「モノ(オブジェクト)」の集まりとして捉え、それらの相互作用としてシステムを設計していく考え方です。

これにより、特に大規模で複雑なソフトウェアの開発において、プログラムの構造を整理し、再利用性や保守性を高めることができます。

C++におけるOOPの主要な概念を解説します。

クラスとオブジェクト

OOPの基本となるのが「クラス」と「オブジェクト」です。

クラスは、オブジェクトの設計図やテンプレートのようなものです。

例えば、「自動車」というクラスを考えると、そこには「色」「速度」「燃料残量」といったデータ(属性)と、「加速する」「ブレーキをかける」「給油する」といった操作(メソッド)が定義されます。

そして、オブジェクトは、そのクラスに基づいて実際に作られた実体です。

設計図である「自動車」クラスから、「赤いスポーツカー」オブジェクトや「青いトラック」オブジェクトなどを具体的に生成することができます。

各オブジェクトは、クラスで定義された属性とメソッドを持ちますが、属性の値(色や現在の速度など)はオブジェクトごとに異なります。

このように、関連するデータと操作をひとまとめにして扱うことを「カプセル化」と呼びます。

カプセル化により、オブジェクトの内部構造を隠蔽し、外部からは定義された操作を通してのみアクセスするようにできるため、プログラムの安全性が高まり、変更の影響範囲を限定しやすくなります。

継承

継承は、既存のクラス(親クラスまたは基底クラス)の特性(属性やメソッド)を引き継いで、新しいクラス(子クラスまたは派生クラス)を作成する仕組みです。

例えば、「自動車」クラスを継承して、「電気自動車」クラスや「トラック」クラスを作ることができます。

「電気自動車」クラスは、「自動車」クラスの持つ「色」「速度」「加速する」「ブレーキをかける」といった基本的な特性をそのまま受け継ぎつつ、「バッテリー残量」という属性や「充電する」という独自のメソッドを追加することができます。

「トラック」クラスなら、「最大積載量」属性や「荷物を積む」メソッドを追加するかもしれません。

継承を使うことで、共通する機能を何度も書く必要がなくなり、コードの再利用性が大幅に向上します。

また、クラス間の関係性を明確にすることで、プログラム全体の構造を理解しやすくなります。

ポリモーフィズム(多様性)

ポリモーフィズムは、「多くの形態を持つ」という意味の言葉で、OOPにおいては非常に強力な概念です。

簡単に言うと、同じ指示(メッセージ)を送っても、受け取るオブジェクトの種類によって異なる振る舞いをすることを可能にする仕組みです。

例えば、「図形」という親クラスがあり、それを継承して「円」クラス、「四角形」クラス、「三角形」クラスが作られているとします。

それぞれのクラスには「面積を計算する」というメソッドが定義されていますが、その計算方法は図形の種類によって異なります。

ポリモーフィズムを使うと、「図形」オブジェクトの集まりに対して、一つ一つ「面積を計算せよ」という同じ指示を送るだけで、各オブジェクトが自分自身の形状に応じた正しい面積計算を実行してくれます。

開発者は、個々のオブジェクトが「円」なのか「四角形」なのかを意識する必要がなく、「図形」として一様に扱うことができます。

これにより、プログラムの柔軟性拡張性が飛躍的に高まります。

新しい種類の図形を追加する場合でも、既存のコードへの影響を最小限に抑えることができます。

C++では主に「仮想関数」という仕組みを使ってポリモーフィズムを実現します。

これらのオブジェクト指向の機能、すなわちカプセル化、継承、ポリモーフィズムを適切に活用することで、C++は複雑な問題を整理し、モジュール化された、再利用可能で、保守しやすいソフトウェアを構築するための強力な基盤を提供します。

特に、数十人、数百人規模の開発者が関わるような大規模プロジェクトにおいて、その恩恵は計り知れません。

汎用性と移植性

C++のもう一つの大きな特徴は、その汎用性の高さ移植性の良さです。

これは、C++が特定の用途やプラットフォームに限定されず、非常に幅広い分野で利用できることを意味します。

C++は、Windows, macOS, Linuxといった主要なデスクトップOSはもちろんのこと、iOSやAndroidといったモバイルOS、さらには様々な組み込みシステムのリアルタイムOSなど、多岐にわたるプラットフォームで動作するプログラムを開発することができます。

これは、C++の言語仕様が国際標準規格として定められており、各プラットフォーム向けにその規格に準拠したコンパイラが存在するためです。

標準規格に則って書かれたコードは、理論上、どの環境でもコンパイルして実行できる可能性が高くなります。

このプラットフォームの多様性は、C++の応用分野の広さに直結しています。

前述のようなOS自体の開発から、高度なグラフィックス処理を行うゲーム、リソースが限られた環境で動く組み込み機器の制御ソフトウェア、高速な処理が求められるサーバーサイドアプリケーション、デスクトップで動作する高機能なオフィススイートやCADソフトウェアまで、考えられるほとんどの種類のソフトウェア開発にC++は対応可能です。

さらに、C++はハードウェアに近い低レベルな操作から、オブジェクト指向を用いた高度に抽象化された設計まで、幅広いプログラミングスタイルをサポートしています。

これにより、開発対象の特性に合わせて最適なアプローチを選択できる柔軟性も、C++の汎用性を高める要因となっています。

移植性とは、ある環境で開発したプログラムを、別の環境でも動作するように修正する容易さのことを指します。

C++は、標準規格の存在と、多くのプラットフォームに対応したコンパイラが利用可能であることから、比較的移植性の高い言語と言えます。

もちろん、OS固有のAPIや、特定のハードウェアに依存したコードを書いている場合は、移植作業が必要になります。

しかし、C++の標準ライブラリや、クロスプラットフォーム開発を支援するフレームワークを活用することで、移植の手間を大幅に削減することも可能です。

このように、特定の環境に縛られずに、多様なソフトウェアを開発できる汎用性と移植性の高さは、C++が長年にわたって多くの開発者に選ばれ続ける大きな理由の一つです。

豊富な機能と標準ライブラリ (STL)

C++は、その長い歴史の中で進化を続け、非常に多くの機能を取り込んできました。

その中でも特に重要で、C++プログラミングの生産性と品質を大きく向上させているのが、標準テンプレートライブラリ (Standard Template Library, STL) の存在です。

STLは、C++の標準規格の一部として提供されている、再利用可能なソフトウェアコンポーネントの集まりです。プログラミングで頻繁に必要となる基本的なデータ構造やアルゴリズムが、汎用的かつ効率的に実装されており、開発者はこれらを簡単に利用することができます。STLは主に以下の三つの要素から構成されています。

  • コンテナ: データを格納するための様々なデータ構造を提供します。

  • アルゴリズム: コンテナに格納されたデータに対して様々な操作を行うための関数群です。

  • イテレータ: コンテナ内の要素を順番に指し示し、アクセスするための汎用的な仕組みです。ポインタを一般化したような概念で、コンテナの種類に関わらず、統一的なインターフェースで要素を走査(順番に見ていくこと)できます。アルゴリズムは、このイテレータを介してコンテナの要素にアクセスするため、特定のコンテナ実装に依存せずに動作することが可能になっています。

STLの基盤となっているのが、C++の強力な機能である「テンプレート」です。

テンプレートは、具体的なデータ型を指定せずに、関数やクラスを定義するための仕組みで、「ジェネリックプログラミング」を実現します。

例えば、整数をソートする関数と、文字列をソートする関数を別々に書く代わりに、テンプレートを使って「任意の型のデータをソートする関数」を一度だけ定義することができます。

コンパイラは、実際にその関数が整数で使われたり、文字列で使われたりする箇所で、自動的に適切な型のコードを生成してくれます。

STLのコンテナやアルゴリズムは、このテンプレートを駆使して実装されているため、様々なデータ型に対して再利用可能で、かつ高いパフォーマンスを発揮できるのです。

STL以外にも、C++にはプログラムの品質と堅牢性を高めるための機能が備わっています。

これらの豊富な機能と、特にSTLの存在により、C++開発者は基本的な機能を自分で一から作ることを避け、より本質的な問題解決に集中することができます。

低レベル操作能力

C++が持つ強力な特徴の一つに、ハードウェアに近い低レベルな操作が可能であることが挙げられます。

これは、C++がその祖先であるC言語から受け継いだ特性であり、パフォーマンスの最適化や、特定のハードウェア機能を利用する際に非常に重要となります。

ポインタ

この低レベル操作能力の中核をなすのが「ポインタ」です。

ポインタとは、メモリ上の特定のアドレスを直接指し示すことができる特殊な変数です。

コンピュータのメモリは、膨大な数のバイトが連なったもので、それぞれに固有のアドレスが割り振られています。

ポインタを使うことで、開発者はこのメモリ上の任意のアドレスに直接アクセスし、そこに格納されているデータを読み取ったり、新しいデータを書き込んだりすることができます。

このメモリへの直接アクセス能力は、諸刃の剣です。

適切に使えば、データの配置を最適化してキャッシュ効率を高めたり、特定のメモリアドレスにマッピングされたハードウェアレジスタを操作したりするなど、非常に高度なパフォーマンスチューニングハードウェア制御を可能にします。

例えば、組み込みシステム開発において、特定のセンサーからのデータを読み取ったり、モーターを制御したりする際には、このような低レベルな操作が不可欠となる場合があります。

ポインタの難点

ポインタの誤った使用は、深刻なバグの原因となります。

存在しないメモリアドレスを指してしまったり、すでに解放されたメモリ領域にアクセスしてしまったり、確保したメモリ領域を超えて書き込みを行ってしまったりすると、プログラムがクラッシュしたり、予期せぬ動作をしたり、セキュリティ上の脆弱性を生み出したりする可能性があります。

このため、ポインタの扱いは慎重さが求められ、C++の学習における難所の一つとも言われています。

ただし、前述のスマートポインタなどのモダンC++の機能を活用することで、従来のポインタの使用を避け、より安全にメモリを扱うことが推奨されています。

ビット演算

ポインタ以外にも、C++は「ビット演算」をサポートしています。

これは、データを構成する個々のビットに対して、AND、OR、XOR、シフトといった操作を行う機能です。

ビット演算は、メモリ使用量を極限まで切り詰めたい場合、ハードウェアレジスタの特定のビットを操作したい場合、あるいは特定のアルゴリズムを効率的に実装したい場合などに用いられます。

このように、C++は必要であればコンピュータの動作原理に近いレベルまで降りていき、ハードウェアの能力を最大限に引き出すための直接的な制御手段を提供します。

この低レベル操作能力こそが、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、ゲームエンジン、高性能計算ライブラリなど、パフォーマンスが絶対的に要求されるソフトウェアの基盤として、C++が選ばれ続ける大きな理由なのです。

静的型付け言語

最後に、C++が静的型付け言語であるという特徴について触れておきましょう。

これは、プログラム内で使用されるすべての変数や関数の引数、戻り値などについて、そのデータ型をプログラムの実行前に、コンパイルの段階で決定し、厳密にチェックするという性質を意味します。

例えば、整数を格納するための変数として宣言したものに、誤って文字列を代入しようとすると、コンパイラはその時点でエラーを検出し、プログラムのビルドを中断します。

これにより、型に関する多くの間違いを、プログラムが実際に実行されるよりも前の段階で発見し、修正することができます。

この静的型付けのメリットは、主に以下の点が挙げられます。

早期のエラー発見

型の不一致によるエラーは、プログラミングで非常に起こりやすいミスの一つです。

静的型付けは、これらのエラーを実行前にコンパイラが指摘してくれるため、開発の早い段階で問題を特定し、修正することができます。

これにより、デバッグの時間を短縮し、開発効率を高めることができます。

プログラムの信頼性向上

実行時に予期せぬ型のエラーが発生するリスクが大幅に低減されます。

プログラムが意図したとおりに動作する確実性が高まり、より堅牢で信頼性の高いソフトウェアを構築することができます。

パフォーマンスの向上

コンパイル時に型が確定しているため、実行時に型をチェックするためのオーバーヘッドが不要になります。

また、コンパイラは型情報を利用して、より効率的なネイティブコードを生成するための最適化を行うことができます。

コードの可読性と保守性の向上

変数や関数がどのような型のデータを扱うのかがコード上で明確になるため、他の開発者がコードを読んだり、後で自分自身がコードを修正したりする際に、その意図を理解しやすくなります。

C++は、その静的型付けという特性により、特に大規模で長期的に保守されるシステムや、高い信頼性とパフォーマンスが求められるソフトウェアの開発において、その強みを発揮します。

ただし、モダンC++では auto キーワードによる型推論など、記述の簡潔さを向上させる機能も導入されており、静的型付けの恩恵を受けつつ、ある程度の柔軟性も確保できるようになっています。

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C++を学ぶメリット

C++は学習難易度が高いと言われることもありますが、それでもなお多くの開発者がC++を学び、様々な分野で活用されています。

では、時間と労力をかけてC++を習得することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?なぜ現代においてもC++を学ぶ価値があるのか、その理由を探ってみましょう。

圧倒的な実行速度

これはC++の最も強力なアドバンテージの一つです。

前述の通り、C++はコンパイル言語であり、ハードウェアに近い低レベルな操作が可能であるため、生成されるネイティブコードは非常に高速に動作します。

リアルタイム性が要求されるゲーム、ミリ秒単位の処理が必要な金融取引、膨大な計算を行う科学シミュレーションなど、パフォーマンスがソフトウェアの価値を左右する分野では、C++の速度は他の言語では代替が難しい大きな魅力となります。

実行速度のボトルネックを解消したい、あるいは最高のパフォーマンスを追求したいという目的があるならば、C++は最適な選択肢となるでしょう。

大規模・複雑なシステム開発への適性

C++は、OOPを強力にサポートしています。

カプセル化、継承、ポリモーフィズムといったOOPの概念を活用することで、複雑な問題を機能ごとに分割し、整理された構造でプログラムを設計することができます。

これにより、コードの再利用性が高まり、機能の追加や修正が容易になります。

特に、多くの開発者が関わる大規模なプロジェクトにおいて、このような構造化されたアプローチは、開発効率と保守性を維持するために不可欠です。

C++の豊富な機能と設計パラダイムは、長期にわたって開発・保守される基幹システムや、複雑なロジックを持つソフトウェアの構築に適しています。

ハードウェアに近い制御が可能

C++は、メモリ管理やポインタ操作、ビット演算などを通じて、コンピュータのハードウェア資源を直接的に、かつ細かく制御する能力を持っています。

これは、OSの開発、デバイスドライバの作成、あるいはCPUやメモリなどのリソースが極端に制限された組み込みシステムの開発において、非常に重要な特性です。

ハードウェアの性能を最大限に引き出したり、特定のハードウェア機能を精密に制御したりする必要がある場合、C++の低レベル操作能力は他に代えがたい強みとなります。

豊富なライブラリと強力なコミュニティ

C++には、標準テンプレートライブラリをはじめとして、長年にわたって開発・蓄積されてきた膨大な数のライブラリが存在します。

グラフィックス、ネットワーク、データベースアクセス、数値計算、物理演算など、様々な目的のための高品質なライブラリが利用可能であり、これらを活用することで開発効率を大幅に向上させることができます。

また、C++には世界中に活発な開発者コミュニティが存在します。

オンラインフォーラムやメーリングリスト、勉強会などを通じて、疑問点を質問したり、最新情報を得たり、他のエンジニアと交流したりすることが可能です。

この強力なエコシステムは、学習や開発を進める上で大きな支えとなります。

多様な分野での採用実績と案件・求人数

C++はその汎用性の高さから、非常に幅広い分野で実際に使われています。

ゲーム開発、組み込みシステム、金融システム、OS、Webブラウザ、データベース、科学技術計算、AI/機械学習の基盤ライブラリなど、その活躍の場は多岐にわたります。

これは、C++スキルを持つエンジニアに対する需要が、様々な業界に存在することを意味します。

特定の分野に特化することも、幅広い分野で活躍することも可能なため、キャリアの選択肢が広いというメリットがあります。

特に、高いパフォーマンスや信頼性が求められる分野では、C++エンジニアの需要は依然として高く、好待遇の求人も少なくありません。

他のプログラミング言語の理解が深まる

C++を学ぶ過程で、メモリ管理、ポインタ、オブジェクト指向、テンプレートといった、コンピュータサイエンスの基礎となる重要な概念に深く触れることになります。

これらの概念を理解することは、コンピュータが内部でどのように動作しているのか、プログラムがどのように実行されるのかについての本質的な理解を深めることに繋がります。

この知識は、C++以外の他のプログラミング言語を学ぶ際にも大いに役立ちます。

例えば、JavaやC#のオブジェクト指向、Pythonの内部実装、あるいは低レベル言語であるC言語など、他の言語の仕組みや設計思想をより深く理解するための強固な土台となるでしょう。

長い歴史と安定性

C++は40年以上の歴史を持つ言語であり、その間、多くの大規模プロジェクトで使用され、様々な課題を乗り越えてきました。

その言語仕様は国際標準規格として管理されており、安定性と信頼性が高い「枯れた技術」としての側面を持っています。

同時に、C++11以降のモダンC++への進化に見られるように、現代的なプログラミングの要求に応えるための改良も継続的に行われています。

この歴史と安定性、そして継続的な進化のバランスが、長期的なプロジェクトや、高い信頼性が求められるシステムにおいて、C++が選ばれる理由の一つとなっています。

これらのメリットを考慮すると、C++を学ぶことは、単に一つのプログラミング言語を習得する以上に、ソフトウェア開発の深い知識と、多様な分野で活躍できる可能性を手に入れることに繋がると言えるでしょう。

C++の学習における壁:デメリットと注意点

C++が強力で魅力的な言語であることは間違いありませんが、その一方で、特に初心者にとっては学習のハードルが高い言語であるとも言われています。

C++を学ぶ上で直面しがちな困難や、注意すべき点について理解しておくことは、挫折を防ぎ、効果的な学習計画を立てる上で重要です。

学習難易度の高さ

C++の学習難易度が高いとされる主な理由は、その機能の豊富さと文法の複雑さにあります。

C言語の機能に加え、オブジェクト指向、テンプレート、例外処理、STL、そしてモダンC++で追加された多数の新機能など、学ぶべき概念や構文が非常に多いのが特徴です。

これらすべてを一度に理解しようとすると、情報量の多さに圧倒されてしまう可能性があります。

特に、C++の核心的な機能でありながら理解が難しいとされるのが「ポインタ」と「メモリ管理」です。

メモリのアドレスを直接操作するという概念自体が、プログラミング初心者にとっては抽象的で掴みづらいかもしれません。

また、ポインタの操作ミスがプログラムのクラッシュや予期せぬ動作に直結するため、慎重な扱いと深い理解が求められます。

さらに、OOPも、単にクラスの書き方を覚えるだけでなく、カプセル化、継承、ポリモーフィズムといった概念の本質を理解し、適切に設計に活かせるようになるまでには時間がかかります。

これらの概念は、ある程度の規模のプログラムを実際に設計・実装する経験を通して、徐々に身についていくものです。

開発効率の側面

他のいくつかの言語、特にPythonやRubyといったスクリプト言語と比較した場合、C++はコードの記述量が多くなる傾向があります。

静的型付けであるため、変数の型宣言が必要であったり、メモリ管理に関する記述が必要になったりすることがあります。

また、C++はプログラムを実行する前にコンパイルという工程が必要です。

プログラムの規模が大きくなると、このコンパイルに時間がかかることがあり、コードを少し修正して動作を確認するというサイクルに時間がかかり、開発のテンポが遅く感じられるかもしれません。

プロトタイピングや、小規模なツール開発、Webアプリケーションのフロントエンド開発など、開発速度が最優先されるような場面では、C++よりも他の言語の方が適している場合があります。

メモリ管理の複雑さと危険性

C++の強力な特徴である低レベルなメモリ操作能力は、同時にメモリ管理の複雑さというデメリットにも繋がります。

特に、古いスタイルでプログラミングを行う場合、new演算子で確保したメモリは、必ずdelete演算子を使って手動で解放する必要があります。

この解放処理を忘れると「メモリリーク」が発生し、プログラムが動作し続けるうちに利用可能なメモリを使い果たしてしまい、最終的にはシステム全体の動作に影響を与える可能性があります。

逆に、すでに解放したメモリを再度解放しようとしたり、解放済みのメモリ領域にアクセスしようとしたりすると、プログラムがクラッシュしたり、セキュリティ上の脆弱性を生んだりする危険性があります。

幸いなことに、モダンC++(C++11以降)では、スマートポインタRAIIの原則を活用することで、このような手動でのメモリ管理に伴うリスクを大幅に軽減できるようになりました。

現代的なC++プログラミングにおいては、生ポインタや手動での new/delete の使用は極力避け、これらの新しい機能を積極的に利用することが強く推奨されています。

しかし、これらの新しい概念を理解し、適切に使いこなすこと自体にも学習が必要です。

また、既存の古いコードベースを扱う場合や、パフォーマンス上の理由から敢えて低レベルなメモリ管理が必要となる場面も依然として存在します。

エラーメッセージの難解さ

C++のコンパイラが生成するエラーメッセージは、時として非常に長く、難解であることがあります。

特に、テンプレート機能(STLなど)を多用したコードでエラーが発生した場合、何層にもわたるテンプレートの展開に関連する情報が出力され、エラーの根本原因を特定するのが困難な場合があります。

初心者にとっては、エラーメッセージを読み解き、問題箇所を特定するだけでも一苦労かもしれません。

経験を積むことで、エラーメッセージのパターンや読み解き方に慣れていく必要があります。

初心者が挫折しやすいポイントと対策

以上の点を踏まえると、初心者がC++学習で挫折しやすいポイントとしては、以下のようなものが考えられます。

  • 概念の多さと複雑さ: 一度に多くのことを学ぼうとして混乱してしまう。

  • ポインタとメモリ管理: 概念の理解と安全な扱いに苦労する。

  • 環境構築: 開発環境(コンパイラ、IDE)のセットアップでつまずく。

  • エラーとの格闘: 難解なエラーメッセージに心が折れてしまう。

  • 学習の進め方がわからない: 何から手をつければ良いか、次に何を学ぶべきか迷ってしまう。

これらの壁を乗り越えるための対策としては、まず焦らず、段階的に学習を進めることが重要です。

最初からすべての機能をマスターしようとせず、まずは基本的な文法、制御構文、関数といった基礎を固めることから始めましょう。

ポインタやオブジェクト指向についても、基本的な概念を理解したら、簡単な例から少しずつ実践してみることが大切です。

C++の学習は決して簡単な道のりではありませんが、その壁を乗り越えた先には、深い達成感と、強力なプログラミングスキルが待っています。

デメリットや注意点を理解した上で、適切なアプローチで学習に取り組むことが成功の鍵となります。

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C++はどこで使われている?

C++が持つパフォーマンス、制御性、汎用性といった特徴は、具体的にどのような分野で活かされているのでしょうか?

ここでは、C++が主役として、あるいは重要な役割を担って活躍している主要な応用分野を詳しく見ていきましょう。その多様性に驚かれるかもしれません。

オペレーティングシステム (OS)

コンピュータシステムの最も基本的なソフトウェアであるオペレーティングシステム(OS)の開発において、C++(およびその祖先であるC言語)は中心的な役割を果たしています。

Windows, macOS, Linuxカーネルの一部など、私たちが日常的に利用している主要なOSの多くが、その核となる部分やシステムコンポーネントの実装にC/C++を採用しています。

なぜOS開発にC/C++が使われるのでしょうか?それは、OSがハードウェア資源(CPU, メモリ, ディスクなど)を直接管理し、効率的に制御する必要があるためです。

C/C++が持つ低レベルなメモリ操作能力やハードウェアアクセス能力は、このようなタスクに不可欠です。

また、OS自体のパフォーマンスはシステム全体の応答性に直結するため、実行速度の速さも極めて重要となります。

さらに、OSは何十年にもわたって開発・保守される巨大なソフトウェアであり、C++のオブジェクト指向機能やモジュール化の仕組みが、その複雑さを管理する上で役立っています。

ゲーム開発

現代の高品質なコンピュータゲーム、特に大規模予算の大作ゲームの開発において、C++は業界標準とも言える地位を確立しています。

その理由は、ゲームが要求する極めて高いパフォーマンスにあります。

リアルタイムでの3Dグラフィックス描画、複雑な物理演算シミュレーション、AIキャラクターの制御、ネットワーク通信など、ゲームは膨大な量の計算を瞬時に処理する必要があります。

C++の実行速度の速さは、これらの要求に応える上で決定的なアドバンテージとなります。

また、ゲーム開発を効率化するためのゲームエンジンと呼ばれるソフトウェア基盤の多くが、そのコア部分をC++で開発されています。

これらのエンジンは、グラフィックスレンダリング、物理演算、サウンド処理、入力管理といったゲーム開発に必要な基本機能をライブラリとして提供しており、開発者はC++を使ってこれらの機能を組み合わせ、独自のゲームロジックを実装していきます。

組み込みシステム・IoT

自動車のエンジン制御ユニットやブレーキシステム、スマートフォンのモデムチップ、工場の産業ロボット、エアコンや冷蔵庫といった家電製品、プリンター、医療機器、そして近年注目されているIoTデバイスなど、特定の機能を実現するために電子機器に組み込まれるコンピュータシステム(組み込みシステム)の開発においても、C++は広く利用されています。

組み込みシステムは、多くの場合、利用できる計算資源(CPUパワー、メモリ容量)に厳しい制約があります。

C++は、メモリ使用量を細かく制御でき、実行時のオーバーヘッドが少ないため、このようなリソース制約の厳しい環境に適しています。

また、センサーからのデータ読み取りや、モーターなどのアクチュエーターの制御といったリアルタイム性が求められる処理や、ハードウェアを直接制御する必要がある場面も多く、C++の低レベル操作能力が不可欠となります。

さらに、組み込み機器は一度出荷されると長期間にわたって使用されることが多く、高い信頼性と保守性が求められるため、静的型付けやオブジェクト指向といったC++の特性が活かされています。

基幹システム・大規模ソフトウェア

企業の業務を支える基幹システムや、通信インフラ、社会インフラを制御するシステム、あるいは長期間にわたって多くの開発者が関わるような大規模ソフトウェアの開発にも、C++が用いられることがあります。

これらのシステムでは、高い信頼性、安定性、そして長期的な保守性が最重要視されます。

C++の静的型付けはコンパイル時のエラーチェックを可能にし、プログラムの信頼性を高めます。

オブジェクト指向設計は、複雑なシステムを管理しやすいモジュールに分割し、保守性を向上させます。

また、基幹システムなどでは大量のデータを処理する必要があるため、C++のパフォーマンスも重要な要素となります。

既存のC++で書かれた膨大なコード資産が存在し、それを維持・拡張するためにC++が使われ続けるという側面もあります。

金融システム

特に高速取引システムや、リスク管理システム、金融派生商品の価格計算といった、マイクロ秒単位の超低遅延が求められる金融分野において、C++は不可欠な言語となっています。

株式市場などでは、わずかな応答時間の差が莫大な利益や損失に繋がるため、プログラムの実行速度がビジネスの競争力を直接左右します。

C++の持つ最高のパフォーマンスと、実行時のオーバーヘッドの少なさが、このような極限の速度競争において絶大なアドバンテージとなるのです。

科学技術計算・シミュレーション

物理現象のシミュレーション、気象予測、ゲノム解析、大規模なデータ解析、機械学習モデルのトレーニングなど、膨大な量の数値計算を必要とする科学技術分野でも、C++は重要な役割を担っています。

これらの分野では、計算速度が研究や開発の効率に直結します。

C++の高速な実行性能は、複雑な計算を現実的な時間内に完了させるために必要不可欠です。

また、数値計算ライブラリの多くがC++で実装されており、研究者やエンジニアはこれらのライブラリを利用して高度な計算プログラムを構築しています。

Webブラウザ開発

私たちが日常的にインターネットを閲覧するために使用しているWebブラウザのコア部分、特にHTMLやCSSを解釈して画面に表示するレンダリングエンジンや、JavaScriptを実行するJavaScriptエンジンの実装には、C++が広く使われています。

Webページの表示速度や、Webアプリケーションの応答性はユーザー体験に直結するため、ブラウザには高いパフォーマンスが求められます。

また、複雑なWeb標準規格に対応し、様々なOS上で動作する必要があるため、C++のパフォーマンス、機能性、移植性が活かされています。

データベース管理システム (DBMS)

MySQL, PostgreSQL, MongoDBといった広く使われているデータベース管理システム(DBMS)の内部実装にも、C++が重要な役割を果たしています。

DBMSは、大量のデータを効率的に格納、検索、更新する必要があり、そのパフォーマンスはデータベースを利用するアプリケーション全体の性能に大きな影響を与えます。

データのディスクへの読み書き、インデックス構造の管理、クエリの最適化と実行など、DBMSのコアとなる処理には高い効率が求められるため、C++が採用されることが多いのです。

コンパイラ・仮想マシン開発

プログラミング言語を機械語に翻訳するコンパイラや、Java仮想マシンや .NETランタイムのような仮想マシン、あるいはJavaScriptエンジンのような言語処理系の開発にも用いられます。

これらの言語処理系自体のパフォーマンスは、それが処理するプログラムの実行速度に直接影響するため、非常に重要です。

また、言語処理系の実装は複雑であり、C++の持つ機能性や低レベルアクセス能力が役立ちます。

例えば、有名なC++コンパイラであるGCCやClangも、その大部分がC++自身で書かれています。

その他

上記以外にも、C++は以下のような多様な分野で利用されています。

  • CAD (Computer-Aided Design) / CAM (Computer-Aided Manufacturing) ソフトウェア: 複雑な3Dモデリングや設計データの処理。

  • 画像処理・コンピュータビジョン: 高度な画像解析、フィルター処理、物体認識など。(OpenCVなどのライブラリはC++で実装)

  • 音声処理・音楽制作ソフトウェア: リアルタイムの音声エフェクト、シンセサイザー、DAW(Digital Audio Workstation)。

  • AI / 機械学習: TensorFlowやPyTorchといった主要な機械学習フレームワークのコア部分や、高速な推論エンジンの実装。Pythonなどの高水準言語から利用されるライブラリのバックエンドとしてC++が活躍しています。

  • ネットワーク機器: ルーターやスイッチなどのファームウェア。

このように、C++はその強力な特性を活かし、パフォーマンス、信頼性、制御性が重要となる、実に幅広い分野で現代のテクノロジーを根底から支えています。

特定の分野だけでなく、多様な選択肢があることもC++の魅力の一つと言えるでしょう。

C++と他の主要言語との比較

C++の特徴や使われ方を理解したところで、他の主要なプログラミング言語と比較してみることで、C++の立ち位置や個性がより明確になります。

ここでは、いくつかの代表的な言語を取り上げ、C++との違いや使い分けについて考えてみましょう。

C++とC言語の違い

関係性

C++はC言語を基盤とし、オブジェクト指向機能などを追加した「スーパーセット」として設計されました。

多くのC言語コードはC++としてもコンパイル可能です。

主な違い

C++はクラス、継承、ポリモーフィズムといったオブジェクト指向プログラミング(OOP)の機能を持ち、テンプレートによるジェネリックプログラミング、例外処理、名前空間、豊富な標準ライブラリ(STL)などを提供します。

C言語はよりシンプルで手続き的な言語であり、これらの機能は持っていません。

パフォーマンス

一般的に、同等のロジックであれば、C言語とC++で生成されるコードの実行速度に大きな差はありません。どちらも非常に高速です。

ただし、C++の高度な機能(仮想関数など)を使うと、わずかなオーバーヘッドが発生する可能性はあります。

メモリ管理

どちらも手動でのメモリ管理が可能ですが、C++ではスマートポインタやRAIIによって、より安全なメモリ管理が推奨されています。

使い分け

C言語は、そのシンプルさとハードウェアへの近さから、リソースが極端に制限された組み込みシステム、OSカーネル、デバイスドライバなど、低レベルな領域で依然として好まれます。

C++は、C言語の速度と制御性を維持しつつ、OOPなどの機能によって大規模で複雑なアプリケーションの開発に適しています。

C++の機能が必要ない、あるいはオーバーヘッドを避けたい場合にC言語が選ばれることがあります。

C++とJavaの違い

実行方式

C++はネイティブコードにコンパイルされるコンパイル言語です。

Javaはバイトコードと呼ばれる中間コードにコンパイルされ、Java仮想マシン(JVM)上で実行されます。

パフォーマンス

一般的に、ネイティブコードに直接コンパイルされるC++の方が、JVMを介するJavaよりも実行速度は高速です。

特に、起動時間や低遅延性が求められる場面ではC++が有利です。

ただし、JavaのJITコンパイル技術も進化しており、長時間の実行では差が縮まることもあります。

メモリ管理

Javaはガベージコレクション(GC)という仕組みを持っており、不要になったメモリを自動的に検出して解放してくれます。

これにより、開発者はメモリ管理の負担から解放され、メモリリークのリスクが大幅に低減されます。

C++は基本的に手動管理であり、メモリ管理の自由度が高い反面、責任も伴います。

GCは便利ですが、いつ実行されるか予測しづらく、一時的にプログラムの応答が停止する可能性があるため、リアルタイム性が厳しく要求されるシステムでは問題となることがあります。

プラットフォーム依存性

Javaは「Write Once, Run Anywhere(一度書けば、どこでも動く)」をスローガンとしており、JVMが動作する環境であれば、基本的には同じバイトコードがそのまま動作します。

C++はプラットフォームごとにネイティブコードを生成する必要があり、OS固有の機能を使う場合は移植作業が必要になることがあります。

ただし、C++も標準規格やクロスプラットフォームライブラリを使えば、高い移植性を実現できます。

主な用途

Javaは、大規模なエンタープライズシステム(Webアプリケーションのサーバーサイド、業務システム)、Androidアプリケーション開発などで広く使われています。

C++は、パフォーマンス重視のシステム(ゲーム、金融、OS、組み込み)、リソース制約のある環境、ハードウェア制御が必要な分野で強みを発揮します。

C++とPythonの違い

実行速度 vs 開発効率

C++は実行速度が非常に高速ですが、コードの記述量が多く、コンパイル時間も必要です。

Pythonはインタプリタ言語であり、一般的にC++よりも実行速度は遅いですが、文法がシンプルで記述量が少なく、動的型付けのため、迅速な開発やスクリプティングに適しています。

型付け

C++は静的型付けで、コンパイル時に型チェックが行われます。

Pythonは動的型付けで、実行時まで変数の型が決まらず、柔軟な反面、実行時まで型エラーが発見されにくいという側面があります。

メモリ管理

PythonもJavaと同様にガベージコレクションによる自動メモリ管理を行います。

C++は手動またはスマートポインタによる管理です。

主な用途

Pythonは、Web開発、データサイエンス、機械学習、AI、科学技術計算、自動化スクリプト、教育分野などで絶大な人気を誇ります。

C++は、パフォーマンスが最重要視される分野、大規模システム、低レベルプログラミングで活躍します。

連携

PythonとC++はしばしば連携して使われます。

計算負荷の高い部分をC++で実装し、それをPythonから呼び出して利用するというパターンが多く見られます。

これにより、Pythonの開発効率とC++の実行速度という、両方の利点を活かすことができます。

これらの比較からわかるように、それぞれの言語には得意な分野と不得意な分野があります。

C++は、特にパフォーマンス、ハードウェア制御、大規模システムの構築といった点で強力な選択肢であり、他の言語が提供する利便性とは異なる価値を提供しています。

どの言語を選択するかは、開発するソフトウェアの要件、チームのスキル、開発期間、パフォーマンス目標などを総合的に考慮して決定されるべきです。

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C++エンジニアのキャリアパス、年収と将来性

C++を習得した後には、どのようなキャリアパスが考えられるのでしょうか?

そして、多くの人が気になるであろうC++エンジニアの年収や、この言語の将来性についても掘り下げていきましょう。

C++エンジニアに求められるスキル

C++エンジニアとして活躍するためには、単にC++の文法を知っているだけでは不十分です。

市場価値の高いエンジニアになるためには、以下のような幅広いスキルセットが求められます。

C++言語仕様への深い理解

基本的な文法はもちろん、オブジェクト指向、テンプレート、STLといったコア機能、そして特にモダンC++の機能を深く理解し、適切に使いこなせる能力が重要です。

オブジェクト指向設計 (OOD) 能力

クラスや継承を単に使うだけでなく、保守性、再利用性、拡張性の高いソフトウェアを設計するための原則やデザインパターンを理解し、実践できる能力が求められます。

アルゴリズムとデータ構造の知識

効率的なプログラムを作成するためには、基本的なアルゴリズムとデータ構造を理解し、問題に応じて適切なものを選択・実装できる能力が必要です。

これは特に、パフォーマンスが重視される分野で重要になります。

メモリ管理とパフォーマンスチューニング

C++の大きな特徴であるメモリ管理について、スマートポインタなどを活用した安全な方法を実践できることはもちろん、必要に応じて低レベルなメモリ操作を理解し、メモリリークや不正アクセスを防ぐスキルが求められます。

また、プロファイラなどのツールを使ってプログラムのボトルネックを発見し、パフォーマンスを改善するチューニングスキルも重要です。

OSとコンピュータアーキテクチャの知識

C++はハードウェアに近い操作が可能であるため、OSの仕組みや、CPUのキャッシュ、メモリ階層といったコンピュータアーキテクチャに関する知識があると、より効率的で質の高いコードを書くことができます。

特に組み込みシステムやOS開発では不可欠な知識です。

デバッグ能力

複雑なC++プログラムで発生するバグの原因を特定し、修正する能力は非常に重要です。

デバッガを効果的に使いこなすスキルが求められます。

関連技術・ドメイン知識

C++が使われる分野は多岐にわたるため、担当する分野に応じた専門知識が必要になります。

例えば、ゲーム開発ならゲームエンジンやグラフィックスAPI、物理演算の知識

組み込み開発ならリアルタイムOSやハードウェア知識

金融システムなら金融工学や市場の知識などが求められます。

チーム開発スキル

ソフトウェア開発は多くの場合チームで行われます。

Gitなどバージョン管理システムを使ったコード管理、コードレビュー、他のメンバーとのコミュニケーション能力、ドキュメント作成能力なども重要なスキルです。

これらのスキルをバランス良く身につけ、経験を積んでいくことが、C++エンジニアとしてのキャリアアップに繋がります。

C++エンジニアの年収

C++エンジニアの年収は、一般的に他のプログラミング言語を扱うエンジニアと比較して高い傾向にあります。その理由としては、以下の点が考えられます。

  • 高いスキル要求: 上述の通り、C++エンジニアには高度で幅広いスキルセットが求められるため、その希少価値が年収に反映されやすいです。

  • 専門性の高さ: C++が使われる分野(ゲーム、組み込み、金融、OSなど)は、専門知識が要求されることが多く、その分野での経験やスキルが年収に大きく影響します。

  • 需要の安定性: パフォーマンスや信頼性が重視される分野でのC++の需要は根強く、経験豊富なエンジニアは常に求められています。

具体的な年収額については、国や地域、個人の経験年数、スキルレベル、専門分野、企業の規模や業種などによって大きく異なります。

あくまで一般的な目安ですが、

  • ジュニアレベル(経験1~3年): 400万円~600万円程度

  • ミドルレベル(経験3~7年): 600万円~900万円程度

  • シニアレベル(経験7年以上、リーダー・エキスパート): 800万円~1200万円以上、場合によっては1500万円を超えることもあります。

特に金融HFTや高度な組み込み、AI基盤開発などの専門分野では、さらに高額になるケースも見られます。

C++の将来性

新しいプログラミング言語が次々と登場する中で、「C++は古い言語ではないか?」「将来性はあるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

結論から言えば、C++の将来性は依然として非常に高く、今後も重要な言語であり続けると考えられます。その理由は以下の通りです。

パフォーマンス要件の高い分野での代替困難

ゲーム、金融HFT、OS、組み込みシステム、科学技術計算など、C++が主戦場としてきた分野では、その実行速度と制御性が依然として絶対的な要件です。

これらの分野でC++を完全に置き換えられる言語は、現時点では限られています。

膨大な既存コードベース

世界中には、C++で書かれた膨大な量のソフトウェア資産が存在します。

これらのシステムは、今後も長期間にわたって維持・保守・拡張されていく必要があり、そのためにはC++エンジニアが不可欠です。

ハードウェア制御能力の重要性

IoTデバイスの普及や自動運転技術の進展などにより、ハードウェアを直接かつ効率的に制御する必要性はむしろ高まっています。

C++の低レベル操作能力は、これらの分野で引き続き重要な役割を果たします。

標準化による継続的な進化

C++は決して停滞している言語ではありません。

C++11以降、3年ごとの標準規格改定により、モダンな機能が継続的に追加され、言語自体が進化し続けています。

これにより、現代的な開発スタイルにも対応し、生産性や安全性を向上させています。

新しい技術トレンドとの関わり

  • AI/機械学習: TensorFlow, PyTorchといった主要なフレームワークのバックエンドはC++で実装されており、パフォーマンスが重要となる推論エンジンの開発などでもC++が活躍しています。

  • IoT: リソース制約のある環境での動作やリアルタイム性が求められるIoTデバイス開発において、C++は重要な選択肢です。

  • 自動運転: センサーデータのリアルタイム処理や車両制御システムなど、安全性とパフォーマンスが極めて重要な自動運転技術においても、C++が広く採用されています。

  • 高性能コンピューティング (HPC): スーパーコンピュータなどを用いた大規模計算においても、C++は主要な言語の一つです。

懸念点や課題

学習難易度の高さや、メモリ安全性の問題は依然として指摘されます。

また、Rustのような新しい言語が、メモリ安全性を保証しつつC++に匹敵するパフォーマンスを提供することを目指しており、特定の分野では競合または代替となる可能性も秘めています。

Web開発のフロントエンドや一部のバックエンドなど、開発速度が重視される分野では、PythonやJavaScript、Goといった言語の方が適している場合も多いでしょう。

しかし、総合的に見れば、C++が持つ独自の強みと、それが不可欠とされる分野の存在、そして言語自体の進化を考慮すると、C++の需要がすぐになくなることは考えにくいです。

むしろ、高いスキルを持つC++エンジニア、特にモダンC++を使いこなし、専門分野の知識も併せ持つ人材に対する需要は、今後も安定して続くか、分野によってはさらに増加する可能性が高いと言えます。

C++は、将来にわたって価値のあるスキルであり続けるでしょう。

C++エンジニアのキャリアパス

C++エンジニアとしての経験を積んだ後には、様々なキャリアパスが考えられます。

  • スペシャリスト: 特定の技術分野(例:ゲームエンジン、グラフィックス、組み込みOS、低遅延システム、コンパイラなど)を極め、その分野の第一人者となる。

  • テクニカルリード / チームリーダー: 開発チームを技術的に牽引し、メンバーの指導やプロジェクトの推進を行う。

  • ソフトウェアアーキテクト: システム全体の設計を担当し、技術選定や構造決定を行う。

  • プロジェクトマネージャー: プロジェクト全体の計画、進捗管理、リソース調整などを行う(技術的なバックグラウンドが強みになる)。

  • 研究開発職: 企業や研究機関で、新しい技術の研究やプロトタイプの開発を行う。

  • コンサルタント: C++に関する技術的な課題を持つ企業に対して、専門的なアドバイスやソリューションを提供する。

  • フリーランス: 自身のスキルを活かして、独立したエンジニアとしてプロジェクト単位で仕事を受ける。

C++は多様な分野で使われているため、個人の興味や適性に合わせて幅広いキャリアを選択できる可能性があります。

C++の案件例

【C++】プラグイン構築支援

単価

100~110 万円/月

案件詳細

・部屋の家具の配置やアバターが何を着ているかなど様々な情報をAccelByteに蓄積し、 APIをコールしてUnreal Engine表示する仕組みとなります。

・設計~テストをご担当いただきます。

必須スキル

・Web系のC++の開発経験

・Web APIの知見のある方

案件の詳細を見る

【C++】カメラ系ネットワーク機能開発

単価

100~110 万円/月

案件詳細

主にデジタルカメラ機器向けのネットワーク機能開発におけるSW設計・実装をメインに行なっていただきます

・PTP/MTPおよびリモートコマンド制御開発(性能改善検討等)

・クラウド連携制御開発

必須スキル

・C++言語での開発経験

・制御経験

案件の詳細を見る

【C言語/C++】スマートフォン向けゲームの開発/運用

単価

85~95 万円/月

案件詳細

・ネットワークを介したスマートフォン向けゲームの開発、運用全般

・Cocos2dーx、C++を使用したゲームロジックおよびUIの実装、保守

・SpriteBuilderを使用したccb作成

・開発ツールの制作、保守

必須スキル

・ゲーム開発経験がある方

・C/C++での開発実務経験がある方

案件の詳細を見る

上記のC++の案件・求人は、フリコンにてご紹介しているごく一部です。

C++の案件・求人をもっと見たい方はこちらをご確認ください。

まとめ

この記事では、「C++とは何か?」という問いに対して、その基礎知識から、核心的な特徴、メリット・デメリット、具体的な応用分野、学習方法、そしてエンジニアとしてのキャリア、年収、将来性、最新動向に至るまで、幅広く掘り下げて解説してきました。

この記事が、プログラミング初心者の方にとってはC++への興味を持つきっかけとなり、他の言語の経験者の方にとってはC++の特性を理解する一助となり、そして現役のC++エンジニアの方にとっては知識の再確認やキャリアを考えるヒントとなれば幸いです。

奥深く、挑戦的でありながら、計り知れないパワーと可能性を秘めたC++の世界へ、ぜひ足を踏み入れてみてください。

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