常駐型フリーランスエンジニアのメリット・デメリットと成功するコツ
最終更新日:2026/07/21
常駐型フリーランスエンジニアとは、クライアントや元請け企業のオフィスに出向いて働く業務委託エンジニアのことです。同じ客先で働いても、雇用契約の会社員とは報酬・契約期間・社会保険の扱いが異なります。「会社員と何が違うのか」「在宅とどちらが稼げるのか」と迷う独立エンジニアに向けて、常駐のメリット・デメリット、単価の目安、向き不向き、失敗しないコツまでを整理します。
先に結論
常駐型は客先常駐で働く業務委託。案件数が比較的多く、稼働を安定させやすい傾向があります
一方で時間と場所の拘束があり、通勤時間や服装などの負担は在宅より大きくなります
フリコン取扱いの常駐案件では、月額55〜90万円程度で募集されるケースがあります(後述・母集団は本文に明記)
収入の安定を優先するなら常駐、時間の自由を優先するなら在宅。まずはこの軸で考えると選びやすくなります(週3〜4日や一部リモートなどの中間形態もあります)
成功の鍵は「現場の人間関係」と「参画する案件の吟味」の2点に集約されます
この記事でわかること
常駐型フリーランスエンジニアの定義と、会社員・在宅との違い
常駐で働くメリット5つとデメリット3つ
常駐案件の単価の目安と、実際の案件例
常駐が向いている人・向いていない人の判断軸
常駐で失敗しないための具体的なコツとよくある質問
目次
常駐型フリーランスエンジニアとは
常駐型と在宅(リモート)の違い
常駐型フリーランスエンジニアのメリット
常駐型フリーランスエンジニアのデメリット
常駐案件の単価相場と案件例
常駐が向いている人・向いていない人
常駐型フリーランスで成功するためのコツ
まとめ
よくある質問
常駐型フリーランスエンジニアとは
常駐型フリーランスエンジニアとは、自宅ではなく客先や元請けのオフィスに出向いて開発を担う業務委託エンジニアを指します。まず、フリーランスエンジニアの働く場所は大きく以下のいずれかに分かれます。
エンドユーザー(発注元企業)のオフィス
元請けのIT企業のオフィス
在宅やシェアオフィスなどのリモートワーク
このうち、前者2つのように客先へ出向いて働くスタイルが常駐型です。会社員との違いを含めた働き方全体は「フリーランスエンジニアの働き方とは?会社員との違い交えて解説」で詳しく解説しています。一方、リモートの一形態である在宅については「フリーランスエンジニアの在宅案件の実際と必要なスキル・メリットデメリット」を合わせて参考にしてください。
会社員との一番の違いは、雇用ではなく業務委託である点です。給与ではなく報酬(単価)を受け取り、社会保険や税金は自分で手続きします。同じオフィスで働いていても、契約や身分の扱いは会社員と大きく異なります。
なお、常駐の契約形態は準委任や請負が中心で、SES(システムエンジニアリングサービス)と重なる領域もあります。業務委託は本来、発注者から直接の指揮命令を受けない働き方です。勤務時間や作業指示が実質的に社員と変わらない場合は、いわゆる偽装請負が問題になることもあります。参画前に、契約形態・業務範囲・指揮命令の関係を確認しておくと安心です。
常駐型と在宅(リモート)の違い
常駐と在宅は「どちらが優れているか」ではなく、優先したいものによって最適解が変わります。主な違いを整理すると以下のとおりです。
比較軸 | 常駐型 | 在宅(リモート) |
|---|---|---|
案件数 | 多い(選択肢が広い) | 常駐に比べると限られる傾向 |
収入の安定性 | 安定させやすい | 案件が限られる分、確保に工夫が必要 |
コミュニケーション | 対面で取りやすい | オンライン中心で工夫が必要 |
時間・場所の拘束 | 大きい(通勤・勤務時間あり) | 小さい(通勤なし) |
成長機会 | 現場が変わり刺激を得やすい | 案件次第。自走できると深く伸ばせる |
向いている人 | 収入の安定を優先したい人 | 時間の自由を優先したい人 |
案件の絶対数が多いのは常駐です。そのため、まず収入を安定させたい段階では常駐から入り、実績を積んでからリモート比率を上げていく進め方も現実的です。なお、常駐は週5日フル稼働が中心ですが、案件によっては週3〜4日や一部リモート併用の募集もあります。
常駐型フリーランスエンジニアのメリット
常駐型フリーランスエンジニアのメリットを5つ紹介します。
案件数が多いので収入が安定しやすい
収入を安定させるうえで、選べる案件の多さは重要です。フリーランスの悩みの多くは、仕事が途切れることに起因するためです。公開されている案件を見ても、常駐(客先勤務)を前提としたものは大きな割合を占めます。リモート限定にすると選択肢が絞られますが、常駐が可能であれば受注できる案件の幅が広がり、稼働を切らしにくくなります。
自分がどのくらいの単価を狙えるか気になる方は、無料のフリーランスエンジニア単価診断で現在の市場単価の目安を確認できます。単価を体系的に上げる考え方は「フリーランスエンジニアの単価相場と単価の上げ方」で整理しています。
コミュニケーションが取りやすい
リモートワークの難しさの一つが、対面での会話が取りづらい点です。オンラインMTGはできても、ちょっとした確認や雑談を挟みにくくなります。常駐であれば対面で仕事を進められるため、認識のすり合わせがスムーズです。ただし、常駐でも次の点は意識しましょう。
要点をまとめて話す
相手が対応できるタイミングかを確認する
必要に応じて仕事以外の会話も交える
最も大切なのは、相手を尊重しながら会話することです。
様々な現場で成長に繋がりやすい
常駐では複数の現場を経験することになります。その結果、次のような理由で成長に繋がりやすくなります。
現場ごとに多様なメンバーがいて刺激を受けられる
現場によって手法やルールが異なり、引き出しが増える
自分にない知識・進め方に触れられる
一つの環境に留まりがちな働き方より、技術や立ち回りの幅を広げやすい点は常駐の強みです。
作業環境が充実している
客先や元請けのオフィスでは、開発に必要な機材やネットワーク環境が整っていることが多くあります。自宅の環境構築にコストをかけなくても、腰を据えて作業できるのは常駐ならではの利点です。
オンオフの切り替えがしやすい
仕事とプライベートの場所が分かれるため、気持ちの切り替えがしやすくなります。在宅では「常に仕事場が目に入る」ことで休みづらさを感じる人もいますが、常駐では退勤とともにオフに切り替えやすいです。
常駐型フリーランスエンジニアのデメリット
続いてデメリットを3点見ていきます。
働く時間と場所が拘束されてしまう
常駐では、働く時間と場所が拘束されます。9:00〜18:00勤務を例にすると、実際の拘束はもう少し長くなります。
07:00〜08:00:出勤の準備
08:00〜09:00:会社へ移動
09:00〜18:00:勤務
18:00〜19:00:帰宅(残業なしで直帰の場合)
このように、9〜18時勤務でも7〜19時が仕事関連の時間になりがちです。在宅であれば準備と移動を省けるため、時間を効率的に使えます。
移動時間がムダになることが多い
常駐では往復の通勤時間と出勤準備の時間が必要です。通勤中に読書などで有効活用する手もありますが、乗り換えや徒歩の時間はそうもいきません。準備と往復で3時間かかる場合、有効に使えるのはせいぜい半分程度でしょう。在宅ならその時間を丸ごと自由に使えるため、時間効率では在宅に分があります。
スーツ出社になることも多い
常駐では、企業によってスーツやオフィスカジュアルなど服装の指定があります。私服中心で働きたい人にとっては負担になり得ます。ただし、現場によって基準は大きく異なるため、参画前に服装ルールを確認しておくと安心です。
常駐案件の単価相場と案件例
ここでは、フリコンで取扱いのある常駐案件を例に、単価の目安を紹介します。以下の数値は「フリコン取扱いの常駐案件の募集例」を母集団とした目安であり、スキル・経験・商流によって上下します。市場全体の相場を保証するものではありません。
案件例 | 単価の目安(月額) | 必要スキルの例 |
|---|---|---|
RPAツール開発支援(BizRobo!) | 60〜70万円 | BizRobo!での開発経験 |
ゲーム開発(クライアント・サーバー) | 70〜80万円 | Unreal Engine/Unity・C++/C#等での開発経験 |
プロダクトマネージャー | 70〜80万円 | 上流工程(要件定義・基本設計)と折衝の経験 |
保険会社向け分析案件支援 | 80〜90万円 | PythonでのML開発・サーバー管理経験 |
銀行向けEUCツール開発 | 55〜60万円 | AccessVBA・SQLのスキル |
このように、常駐案件は月額55〜90万円程度で募集されるケースがあります。高単価帯は、上流工程の経験や特定領域(ML・ゲーム基盤など)のスキルを併せ持つ人向けに提示される傾向があります。以下は上記の具体案件です。
BizRoboエンジニア RPAツール開発
RPAツール(BizRobo!)を使い、客先での開発とヒアリング・説明を担当する案件です。案件の詳細を見る
C++/C#エンジニア ゲーム開発
ゲームのクライアント・サーバー開発を担う案件です。開発環境の構築や高速化、要件定義・設計まで幅広く関わります。案件の詳細を見る
プロジェクトマネージャー プロダクト開発
プロダクトのロードマップ作成、課題抽出、機能開発の方針決定・効果測定などを担う上流案件です。案件の詳細を見る
Pythonエンジニア 保険会社向け分析案件支援
既存の推論コードのパイプライン化や改善提案、月次運用などを担うML寄りの案件です。案件の詳細を見る
AccessVBAエンジニア 銀行向けEUCツール開発
各種EUCツールの詳細設計から開発・テストまでを担当する案件です。案件の詳細を見る
いずれもフリコンで実際に扱った案件の例です。ほかにどのような常駐案件があるかは、お気軽にお問い合わせください。案件を安定して得るには、エージェント経由での紹介も有力な選択肢です。フリーランス協会のフリーランス白書2026(2025年度調査・副業を除く独立系1,426名が対象)でも、最も収入を得た仕事の獲得経路としてエージェントが14.9%で3位に挙がっています。母集団はエンジニア限定ではなくフリーランス全体である点に留意してください。
常駐が向いている人・向いていない人
常駐が合うかどうかは、働き方に何を求めるかで変わります。判断軸を整理すると以下のとおりです。
向いている人 | 向いていない人 | |
|---|---|---|
優先したいこと | 収入の安定・案件の選択肢の多さ | 時間や場所の自由 |
コミュニケーション | 対面での連携を好む | 一人で集中して進めたい |
成長の仕方 | 現場を変えて経験を広げたい | 特定領域を腰を据えて深めたい |
生活リズム | 通勤を含む定時勤務に抵抗がない | 通勤負担を減らしたい |
「まずは案件を切らさず実績を積みたい」段階では常駐、「実績を活かして働き方を最適化したい」段階では在宅・リモート比率を上げる、という順で考えると選びやすくなります。
常駐型フリーランスで成功するためのコツ
最後に、常駐で働くうえで押さえておきたいコツを紹介します。
人間関係を大切にすること
常駐では、ほぼ毎日同じメンバーと顔を合わせて働きます。仕事のしやすさは人間関係に大きく左右されると言っても過言ではありません。リモート以上に、相手を尊重して円滑に進める姿勢が成果に直結します。
参画する案件を吟味して選択すること
常駐のメリットとして成長のしやすさを挙げましたが、成長できるかは現場に依存します。成長しやすい現場のポイントは以下のとおりです。
問題なくこなせる内容より、少し背伸びの必要な案件である
自分が知らないことを知っている、進め方が上手なメンバーがいる
新しい技術や未経験の領域に挑戦しやすい環境がある
参画してみないと分からない部分は残りますが、それでも問題ありません。フリーランスの契約期間は1〜3か月程度が基本のため、合わないと感じたら次の現場を探せます。自分のライフプランに合わせて柔軟に選び直していきましょう。
単価と商流を意識して選ぶこと
同じ業務内容でも、商流(発注元から自分までの間に入る会社の数)が浅いほど手取りは高くなりやすい傾向があります。契約更新のタイミングでは、実績を根拠に単価交渉の余地がないかも確認しましょう。案件獲得そのものを効率化したい場合は「フリーランスエンジニアの営業方法6種類と案件獲得の近道」も参考になります。
まとめ
常駐型フリーランスエンジニアは、案件数が多く収入を安定させやすい一方、時間と場所の拘束が大きい働き方です。要点を整理します。
常駐は客先で働く業務委託。会社員とは契約・報酬・社会保険の扱いが異なる
メリットは案件数の多さ・対面の連携・成長機会。デメリットは拘束・通勤・服装の負担
フリコンの常駐案件例では月額55〜90万円程度の募集が見られた(母集団は案件例)
収入の安定を優先するなら常駐、時間の自由を優先するなら在宅で選び分ける
成功の鍵は「現場の人間関係」と「参画案件の吟味」、そして単価・商流への意識
参画前には、契約形態・稼働条件・更新/解約ルール・指揮命令の関係を必ず確認する
案件を吟味するには、自分に合った案件をより多く見ることが欠かせません。フリコンでは常駐案件も多数扱っています。自分に合った案件を探したい方は、まずは一度ご相談ください。
よくある質問
常駐と在宅はどちらが稼げますか?
一概には言えませんが、案件の選択肢が多い常駐のほうが稼働を安定させやすい傾向があります。単価そのものはスキルと商流で決まるため、在宅でも高単価はあり得ます。まずは収入を安定させたいなら常駐、時間効率を重視するなら在宅が選びやすい選択です。
常駐案件の単価はどれくらいですか?
フリコン取扱いの常駐案件の例では、月額55〜90万円程度での募集が見られました。これはフリコンの案件例を母集団とした目安で、スキル・経験・商流により上下します。自分の水準はフリーランスエンジニア単価診断で目安を確認できます。
週5日フル稼働でないと常駐案件は受けられませんか?
週5日フル稼働が中心ですが、案件によっては週3〜4日や一部リモート併用の募集もあります。稼働条件は案件ごとに異なるため、希望を伝えたうえで探すのが現実的です。
会社員と常駐フリーランスは何が違いますか?
働く場所が同じでも、雇用契約か業務委託かが根本的に異なります。フリーランスは給与ではなく報酬を受け取り、社会保険や確定申告を自分で行います。年収の考え方は「フリーランスエンジニアで年収1千万円を稼ぐ方法と手取りの目安」も参考になります。
常駐の契約は途中で辞められますか?
契約期間(多くは1〜3か月)と解約条件は契約書で定められます。途中解約の可否や通知期間、中途解約時の扱いは契約内容によるため、不明点は参画前にエージェントや必要に応じて専門家へ確認しましょう。合わない現場は、更新のタイミングで切り替えるのが基本です。
常駐でも服装は自由ですか?
現場によります。スーツ指定の企業もあれば、オフィスカジュアルや私服可の現場もあります。服装ルールは参画前に確認しておくと、ミスマッチを防げます。
未経験でも常駐案件はありますか?
実務未経験から受けられる案件は多くありません。まずは実務1〜2年程度の経験を求める募集が中心と考えるのが現実的です。経験が浅い場合は、補助的なポジションや学習・制作の実績を武器に、受けられる案件があるか相談してみるとよいでしょう。常駐は質問や指導を受けやすい環境のため、経験を積む場としては適しています。
常駐からフルリモートへ移行できますか?
実績を積んでから、リモート比率の高い案件へ切り替えていく進め方は一般的です。最初から在宅限定にすると選択肢が狭まるため、常駐で実績と信頼を積み、段階的にリモートへ移行するのが現実的です。



