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アジャイル開発とは|仕組み・スクラム・ウォーターフォールとの違い

スキル

最終更新日:2026/06/27

アジャイル開発とは|仕組み・スクラム・ウォーターフォールとの違い

アジャイル開発とは、要件を小さな単位に分割し、短い反復のなかで動くソフトウェアを継続的に届けていく開発手法の総称です。ウォーターフォールとの違いや、現場で多用されるスクラムの位置づけが曖昧に感じる方に向けて、定義から実務の進め方、フリーランスエンジニアの案件・契約の見方まで実務目線で整理します。

先に結論

  • アジャイル開発は「短い反復で動くソフトを継続的に届ける」開発スタイルの総称で、2001年のアジャイルソフトウェア開発宣言が原点になっている

  • 単一の手法ではなく、スクラム・カンバン・XPなどの具体的フレームワークの上位概念にあたる

  • ウォーターフォールとの本質的な違いは「先に全部決めるか」「動かしながら決めるか」。要件の変化が大きい領域ほどアジャイルが選ばれやすい

  • フリーランス案件の求人票で目にする「アジャイル開発経験」は、スクラムイベント参加経験・チケット駆動・レビュー文化への適応を指しているケースが多い

  • 契約形態は準委任が選ばれることが多い。請負で進める場合は変更管理や責任分界をより明確にする必要があるため、案件を見るときは契約形態とセットでチェックする

この記事でわかること

  • アジャイル開発の定義とアジャイルマニフェストの要点

  • ウォーターフォール開発との違いと、それぞれが向く領域

  • スクラム・カンバン・XPなど代表的なフレームワークの違い

  • フリーランスエンジニアがアジャイル案件で求められるスキルと参画スタイル

  • 準委任契約とアジャイル開発の関係、IPAのモデル契約書の位置づけ

目次

  • アジャイル開発とは|定義とアジャイルマニフェスト

  • アジャイル開発とウォーターフォール開発の違い

  • アジャイル開発の代表的なフレームワーク

  • スクラム開発の進め方|実務で最も使われる型

  • アジャイル開発のメリット・デメリットと向くプロジェクト

  • アジャイル開発の現場で求められるスキル・働き方

  • フリーランスエンジニアから見たアジャイル案件

  • ケース別|アジャイルに関わるエンジニアのリアル

  • アジャイル開発でよくある失敗と対策

  • アジャイル開発を学ぶための公式リソース

  • まとめ

  • よくある質問

アジャイル開発とは|定義とアジャイルマニフェスト

アジャイル開発とは、短い期間で計画・実装・テスト・リリースを繰り返し、フィードバックを次のサイクルに反映していく開発スタイルを指す総称です。「Agile」は「素早い」「機敏な」を意味する英語で、特定の1手法ではありません。

源流になっているのは、2001年に17名のソフトウェア開発者がまとめた「アジャイルソフトウェア開発宣言」と「アジャイル宣言の背後にある原則」です。宣言では、次の4つの価値観が示されています。

より価値を置くもの

価値はあるが相対的に重視しないもの

個人と対話

プロセスやツール

動くソフトウェア

包括的なドキュメント

顧客との協調

契約交渉

変化への対応

計画に従うこと

※左右どちらにも価値はあるが、左の項目により価値を置く、という整理です。

12原則の中身は多岐にわたりますが、フリーランスエンジニアが押さえておきたい要点は次のとおりです。

  • 動くソフトウェアを短い間隔(数週間〜2か月)で提供する

  • 要求の変更をプロジェクト後半でも歓迎する

  • ビジネス側と開発者が毎日一緒に働くことを前提にする

  • 進捗の主たる尺度は動くソフトウェア

  • 持続可能なペースで長期的に開発を続けられるようにする

ここで重要なのは、アジャイルは「速くたくさん作る」ためのものではなく、変化を前提に意思決定の単位を小さく刻むための考え方だという点です。

ミニFAQ:アジャイル開発はいつ生まれた?

Q. アジャイル開発はいつから使われている言葉ですか?

「アジャイル」という言葉が今の意味で広まったのは、2001年のアジャイルソフトウェア開発宣言以降です。ただし、源流になった反復型・進化型の開発手法はそれ以前から存在しており、スクラムやXPは1990年代から実践されていました。

Q. アジャイル開発は手法そのものを指す言葉ですか?

正確には、特定の手法を指す言葉ではありません。スクラムやカンバン、XP(エクストリーム・プログラミング)など複数のフレームワークをまとめた上位概念として使われています。

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アジャイル開発とウォーターフォール開発の違い

ウォーターフォール開発は、要件定義→設計→実装→テスト→リリースの工程を順に滝のように流していく進め方です。前工程の成果物が確定してから次工程に進むため、要件が確定しやすい大規模・受託案件で長く採用されてきました。

両者の違いを実務目線で整理すると次のようになります。

観点

アジャイル開発

ウォーターフォール開発

計画の単位

数週間の反復(スプリント)で計画と実装を繰り返す

プロジェクト全体を最初に計画する

要件の扱い

反復ごとに優先度を見直し、追加・変更を前提にする

要件定義後は変更管理手続きを前提に扱うことが多い

成果物の確認

反復ごとに動くソフトをレビューする

フェーズごとのドキュメント中心でレビューする

向く領域

仕様変更が見込まれる新規プロダクト・Web/モバイル

仕様が固まる業務系・公共系・組込み

よく見る契約形態

準委任契約

請負契約

参画エンジニア像

自律性・対話・テストを書ける人

設計工程・テスト工程の分業を回せる人

「どちらが優れているか」ではなく、プロジェクトの性質と要件の確度で選び分けるものと捉えるのが実務的です。経済産業省・IPAが公開しているDX推進ガイドラインなどでも、変化が前提の領域ではアジャイル型の進め方が推奨されています。

ミニFAQ:ハイブリッド型はあり?

Q. 一部だけアジャイル、残りはウォーターフォール、という進め方は現場でありますか?

実際には少なくありません。要件定義と全体スケジュールはウォーターフォール的に決め、各開発フェーズの中で反復を回す「ハイブリッド型」を採用するケースが見られます。ただし、意思決定の単位がスプリントになっているかどうかで実態は大きく変わります。形だけ反復していてもアジャイルにはなりません。

アジャイル開発の代表的なフレームワーク

アジャイル開発の代表的なフレームワークには、スクラム・カンバン・XPなどがあります。Web系の公開案件や求人票ではスクラム表記が中心で、運用寄りの現場ではカンバンも見られます。

フレームワーク

特徴

よく使われる場面

スクラム

1〜4週間のスプリントで開発を回す。ロール・イベント・作成物が明確に定義されている

プロダクト開発・Web/モバイル全般

カンバン

WIP(仕掛り)を制限し、フローを最適化する。スプリントの区切りを必ずしも置かない

運用・保守・問い合わせ対応・SRE

XP(エクストリーム・プログラミング)

ペアプロ・TDD・継続的インテグレーションなど技術プラクティスに踏み込む

品質要求が高い領域・スタートアップ

リーン開発

トヨタ生産方式の考え方をソフトウェアに応用。ムダの排除と継続的改善が軸

プロダクトマネジメント寄り

SAFe / LeSS

複数チームを束ねる「大規模アジャイル」。フレーム同士で考え方が異なる

エンタープライズで複数チームを並走させる場合

フリーランスとして実務に入る場面で頻度が高いのはスクラムですが、運用フェーズの案件ではカンバンを採用しているチームも珍しくありません。スクラムだけが「アジャイルの正解」ではない、という前提を持っておくと現場理解が早くなります。

なお、それぞれの上位職種・関連職種については、エンジニアリングマネージャー(EM)とはテックリードとはプロダクトマネージャー(PdM)とは も合わせて読んでおくとチーム内の役割分担が立体的に見えてきます。

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スクラム開発の進め方|実務で最も使われる型

スクラムは、3つの責務(アカウンタビリティ)・5つのイベント・3つの作成物で構成される軽量フレームワークです。公式仕様はScrum Guide 2020日本語版(PDF)で公開されています(2020年版から「ロール」表現が「アカウンタビリティ」に整理されました)。

3つの責務(アカウンタビリティ)

  • プロダクトオーナー(PO):プロダクトの価値最大化に責任を持つ。プロダクトバックログの管理者

  • スクラムマスター(SM):スクラムの有効性を高めることに責任を持つ。チームと組織にスクラムの実践を支援し、必要に応じて障害の除去を助ける

  • 開発者:各スプリントでリリース可能なインクリメントを作ることに責任を持つ

PMやPL、PMOといった役割と混同されやすいので、それぞれの違いはプロジェクトマネージャー(PM)とはPMOとはプロジェクトリーダー(PL)とは もあわせて確認してみてください。スクラムマスター単体の役割解説はスクラムマスターとは で詳しく整理しています。

5つのイベント

イベント

目的

目安時間(2週間スプリント)

スプリントプランニング

スプリントゴールと作業計画を決める

最大4時間

デイリースクラム

進捗共有とその日の作業を再計画する

15分

スプリントレビュー

完成したプロダクト増分を関係者に見せ、フィードバックを得る

最大2時間

スプリントレトロスペクティブ

チームの働き方を振り返り、次に改善する点を決める

最大1.5時間

スプリント(イベント全体を内包する反復そのもの)

プロダクト増分を生み出す

1か月以内

※時間はスプリント期間が長くなるとそれに応じて延びます。

3つの作成物

  • プロダクトバックログ:これから着手しうる作業の一覧。POが優先順位を持つ

  • スプリントバックログ:このスプリントで着手すると合意された作業の一覧

  • インクリメント(プロダクト増分):スプリント終了時点で出来上がっている、リリース可能な状態の成果

ミニFAQ:スクラムマスターは専任のほうがいい?

Q. フリーランスエンジニアがスクラムマスターを兼任することはありますか?

小規模チームでは、開発者がスクラムマスターを兼任するケースもあります。Scrum Guide自体は専任を必須とはしていませんが、複数チームを横断するときや改善負荷の高い現場では、専任のスクラムマスターが置かれることがあります。フリーランスでSM専任ポジションに入る場合は、認定資格(CSM・PSMなど)を求められるケースがあります。

アジャイル開発のメリット・デメリットと向くプロジェクト

アジャイル開発のメリットとデメリットは「変化への強さ」と「事前確定の弱さ」のトレードオフで整理すると分かりやすくなります。

メリット

  • 仕様変更を後半フェーズでも織り込みやすい

  • 動くソフトウェアを早期にユーザーに当てられる

  • レビューを反復するためバグの早期発見が期待できる

  • チームの学習サイクルが回りやすい

  • 優先度の低い機能を切る判断がしやすい

デメリット・向かない領域

  • 全体スケジュール・総予算を事前に確定しにくい

  • ドキュメントが薄くなりやすく、人の入れ替わりに弱い

  • 要件のオーナー不在ではアジャイルが回らない

  • プロダクトのスコープが固定された請負案件とは相性が悪い

  • 監査・公共領域など、事前の網羅性が重視される案件には不向きなことが多い

向くプロジェクトの目安

  • 自社プロダクト・SaaS・Web/モバイルアプリ

  • ユーザー反応を見ながら方向性を調整したい新規事業

  • 運用フェーズが長く、追加要望が継続的に発生する領域

向かないことが多いプロジェクトの目安

  • 法令で仕様が固定されている領域(一部の金融・公共)

  • 物理製品との連携で「全部揃わないと動かない」プロジェクト

  • 仕様凍結を前提に発注された請負案件

なお、SRE・DevOpsのように運用と開発の境界が薄い領域では、アジャイルの考え方が前提になっていることが多いです。詳しくはDevOpsエンジニアとはSREとは が参考になります。

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アジャイル開発の現場で求められるスキル・働き方

アジャイル開発の現場では、技術スキル+自律的に動くスタンスが求められやすい傾向があります。とくにフリーランスエンジニアは、参画初日からスプリントの一員として動くケースが多く、ウォーターフォール案件と比べて立ち上がりの早さが評価されます。

技術スキル

  • バージョン管理(Git)とプルリクエスト主体のレビュー文化への適応

  • CI/CDの基本(自動テスト・自動デプロイの仕組みを壊さない動き方)

  • チケット管理ツール(Jira・GitHub Projects・Linear等)でのチケット駆動開発

  • 自動テストを書ける/壊さない(ユニットテスト・E2Eテストの最低限の理解)

  • モダンなドキュメンテーション(Notion・Confluence・GitHub Wiki等)

コミュニケーション・スタンス

  • 短いMTGで要点だけ共有できる

  • 自分のタスクの進捗・ブロッカーを自分から開示できる

  • 仕様の曖昧さに気づいたとき、POやテックリードへ確認しに行ける

  • スプリントゴール達成に向け、自分のタスクの優先度を自分で判断できる

  • レトロスペクティブで「改善案」を出せる

フリーランス特有の動き方

  • 参画後1スプリント目はベロシティ(チームの開発量)の目安に貢献しすぎないほうがよい場合がある。ペースをチームに合わせる

  • ドキュメント文化が薄いチームでは、自分が書いたコード周辺だけでも残しておくと信頼につながる

  • 残業前提のスプリント計画には乗らない。アジャイル12原則の「持続可能なペース」を引き合いに出して交渉できる

ミニFAQ:未経験でもアジャイル案件に入れる?

Q. スクラム未経験のエンジニアでもアジャイル案件に入れますか?

「実務経験必須」と書かれていない案件であれば、十分に入る余地があります。既存のWeb開発経験があり、POやスクラムマスターが機能しているチームであれば、参画後にイベントの流れを覚えていって数スプリントで馴染めるケースがあります。逆に、「アジャイル経験者必須」と明記されている場合は、スクラム公式の用語や日々の動き方をある程度理解しておくのが安全です。

フリーランスエンジニアから見たアジャイル案件

ここでは、フリーランスエンジニアが案件サイトでアジャイル系の案件を見るときに、どこを読み解けばよいかを整理します。

案件タグ「アジャイル開発経験」の読み方

求人票や案件紹介文で頻出する「アジャイル開発経験」というタグは、現場によって意味が違います。実務的には次のいずれか、あるいは複数を指しているケースが多いです。

タグの実態

求められること

スクラムの基本イベントに参加した経験

デイリー・プランニング・レビュー・レトロに違和感なく参加できる

チケット駆動・GitFlowでの開発経験

チケット粒度で見積もり・コミットを刻める

CI/CD前提のレビュー文化への適応

プルリク中心で進められる

プロダクトオーナー視点での仕様議論

仕様の曖昧さを言語化して質問できる

認定資格の保有(PSM・CSM等)

制度的に「分かっている」ことの担保が必要

案件票だけ見ても判断しづらいので、面談で「スプリント期間」「PO/SMが社内か」「リリース頻度」「テスト自動化の整備度」を聞くと、実態に近い情報が得られます。

契約形態とアジャイル

アジャイル開発は準委任契約で進めることが多くなっています。理由は、仕様変更を前提にする以上、完成責任を負う請負契約とは相性が悪いためです。

IPAはアジャイル開発版・情報システム・モデル取引・契約書(第二版)を公開しており、アジャイル開発を準委任契約ベースで進める際の標準的なひな型として参照できます。

準委任契約

請負契約

完成責任

負わない(善管注意義務)

負う

仕様変更

反復のなかで柔軟に取り込みやすい

都度合意・追加見積もりが必要

アジャイルとの相性

採用されやすい

変更管理を伴う運用が必要になる

参画イメージ

チームの一員として工数を提供

成果物単位で納品

実際の責任範囲は個別契約条項で変わるため、契約締結時は条文確認が必要です。準委任と請負の詳細は準委任契約と請負契約の違い で整理しています。

単価と参画スタイル

同じWeb系・同程度の実装スキル帯で比べると、スクラム経験や自動テスト整備、レビュー文化への適応が評価されて単価に反映されるケースがあります。ただし、これは公開案件ベースの観測であり、職種・工程・業界・稼働率・リード経験で大きく動くため、目安として捉えてください。

単価帯の考え方はフリーランスエンジニアの単価相場と単価の上げ方フリーランスエンジニアの単価交渉のコツ も参考になります。

ミニFAQ:常駐・リモートどちらが多い?

Q. アジャイル案件は常駐とリモートのどちらが多いですか?

現在もWeb系の自社プロダクト案件では、フルリモート・週1出社といった柔軟な体制が見られます。ただし、立ち上げフェーズや金融・公共系では出社を求められるケースもあります。「アジャイルだから即リモート」ではないため、案件票で出社頻度を確認しましょう。

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ケース別|アジャイルに関わるエンジニアのリアル

ここでは、フリーランスエンジニアが実際にアジャイル案件に関わる場面を、状況別に整理します。

ケース1:スクラム未経験から入る

「アジャイル経験は浅いが、Web開発の実装経験はある」フリーランス向けの王道パターンです。最初の1〜2スプリントは、チケットを取りすぎず、デイリーで質問しながらチームのリズムに合わせるのが安全です。スクラムイベントの最低限の用語と流れだけでも事前に押さえておくと立ち上がりが楽になります。

ケース2:ウォーターフォール出身者がアジャイルに移る

長年ウォーターフォール案件を担当してきたエンジニアが躓きやすいのは、「動くものを早く出す」感覚と「ドキュメントの粒度」です。設計書を書き込んでから実装するスタイルだった人ほど、動くものを最小単位で出してレビューで仕様を詰める動きに切り替える必要があります。立ち上げ初期は、詰めたい仕様をチケットの中で文字化することを意識すると整理がしやすくなります。

ケース3:立ち上げフェーズか運用フェーズか

同じ「アジャイル案件」でも、立ち上げ初期運用フェーズでは求められるスタンスが大きく違います。

フェーズ

求められやすい動き

立ち上げ初期

設計判断ができる/意思決定の議論に参加できる

開発加速期

チケット粒度の見積もり・実装スピード

運用フェーズ

障害対応・運用改善・既存コード読み込み

案件票が「アジャイル開発・自社プロダクト」とだけ書かれている場合、面談で今プロダクトはどのフェーズかを確認するのがおすすめです。

ケース4:受託のなかでアジャイル要素を取り入れる

受託開発の現場でも、「ベンダー側にスクラムの形を導入したい」というニーズが出てきています。ただし、契約が請負で、納期と仕様が凍結されているのに、進め方だけスクラム、というケースは形骸化しやすい点に注意が必要です。

SES経由でアジャイル案件に参画するパターンの動き方は、SESエンジニアからフリーランスに転身する手順 でも触れています。

アジャイル開発でよくある失敗と対策

アジャイル開発の現場で繰り返し見られる失敗を整理しておきます。フリーランスエンジニアが参画初日に観察すると、地雷の有無を判断しやすくなる項目でもあります。

失敗1:名ばかりアジャイル(イベントだけある)

スプリントプランニングもデイリーも開催されているのに、意思決定の単位がスプリントになっていないケースです。プロダクトバックログがなく、誰が優先度を決めているのか曖昧な現場は、スクラムを名乗っていても実態はウォーターフォール寄りになります。

対策:参画前にプロダクトバックログの有無とPOの実在を確認する。

失敗2:仕様変更の連発

「アジャイル=なんでも変更OK」と捉えてしまうと、ベロシティが安定せずチーム全体が疲弊します。仕様変更はスプリント境界で取り込むのが基本で、スプリント期間中の差し込みは慎重に判断します。

対策:スプリント期間中の仕様変更ルールが明文化されているかを確認する。

失敗3:ベロシティ偏重

ベロシティ(スプリント内で完了できる作業量)を評価指標として扱うと、見積もりが過大になり、本来の目的(届ける価値)から離れていきます。

対策:ベロシティはチーム内の計画用指標として使い、評価基準には使わない。

失敗4:ドキュメントが残らない

アジャイルは「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェア」に価値を置きますが、ゼロでよいとは書かれていません。フリーランスエンジニアの入れ替わりが激しいチームでは、最低限の設計判断・ADR(Architecture Decision Record)を残しておくと、後続メンバーの立ち上がりが大きく変わります。

対策:自分が触ったコンポーネント周辺だけでも、判断の背景をリポジトリ内に残す。

失敗5:レトロが形骸化する

「特に問題ありませんでした」で終わるレトロは、続けるほどチームの改善力が失われます。

対策:参画したフリーランスエンジニアでも、外から入った目線で「気になった点」を1つ持ち込む。これだけで議論が動きやすくなります。

フリーランスエンジニアの皆様

今の年収、今の働き方に満足してますか?

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アジャイル開発を学ぶための公式リソース

学習・案件参画前のキャッチアップに使いやすい一次情報を整理しておきます。

資格として代表的なのは、Scrum Alliance の CSM(Certified ScrumMaster) と、Scrum.org の PSM(Professional Scrum Master) です。マネジメント全般を体系的に学びたい場合はPMP資格 も選択肢に入ります。

まとめ

アジャイル開発は「短い反復で動くソフトを継続的に届ける」開発スタイルの総称であり、スクラム・カンバン・XPなどの具体的フレームワークの上位概念にあたります。要件の変化が大きい領域で選ばれることが多く、フリーランスエンジニアの案件でも主流の進め方の一つになっています。

  • アジャイル開発は2001年のアジャイルソフトウェア開発宣言が出発点

  • ウォーターフォールとは「事前確定するか/動かしながら決めるか」が本質的な違い

  • 現場で最も使われているのはスクラム。3つのロール・5つのイベント・3つの作成物で定義される

  • フリーランスエンジニアの案件で見る「アジャイル開発経験」は、スクラムイベント参加・チケット駆動・モダンなツール群に慣れていることを指すケースが多い

  • 契約は準委任が中心。IPAのモデル契約書が参照できる

  • スプリント期間・PO/SMの実在・テスト自動化の整備度を面談で確認すると、案件の実態を見抜きやすい

次のステップとしては、まずアジャイルマニフェストとScrum Guideの日本語版に目を通したうえで、案件票に「アジャイル開発」「スクラム」と書かれた案件の面談に進む際は、スプリント期間・PO/SMの体制・リリース頻度・自動テスト整備度を質問項目として持っていくと、ミスマッチが減ります。

よくある質問

AnswerMark

特定の1人が作った言葉というより、2001年にユタ州スノーバードで集まった17名のソフトウェア開発者が「アジャイルソフトウェア開発宣言」で広めた言葉です。それまでバラバラに存在していた反復型・進化型の開発手法が、宣言をきっかけに一つの上位概念のもとに整理されました。

AnswerMark

DevOpsは「開発と運用の境界を薄くする文化・プラクティス」、リーンは「ムダを排除して価値を流す考え方」と整理できます。アジャイルとは敵対関係ではなく、互いに重なる部分が多いキーワードです。SaaSのプロダクトチームでは、アジャイル(プロセス)+DevOps(開発と運用の連携)+リーン(プロダクト判断)が同時に走っていることが珍しくありません。

AnswerMark

仕様が法令で固定されている領域(一部の金融・公共系)、物理製品と密結合した組込みシステム、納期・予算・成果物が事前に厳格に決まっている請負プロジェクトなどはアジャイルの良さが出にくい傾向があります。これらは「変えない」前提が強いため、ウォーターフォール型やハイブリッド型のほうが噛み合うケースが多いです。

AnswerMark

スクラム公式仕様では、スプリントは1か月以内と定められています。実務では2週間スプリントを採用するチームが多い印象で、立ち上げ期は1週間、規模が大きいチームは3〜4週間にしているケースもあります。「短いほど良い」ではなく、レビューサイクルとチームの認知負荷のバランスで決めるのが現実的です。

AnswerMark

スクラムマスター専任ポジションを狙うなら、CSMやPSMの取得は有効です。開発者として参画するだけであれば、資格よりもスプリントイベントへの参加経験・チケット駆動の経験を語れる方が評価されやすい印象があります。資格取得を急ぐより、まずアジャイル案件に1本入って実務経験を積む順番が現実的です。

AnswerMark

回ります。デイリースクラムや各種イベントをオンラインで実施しているチームは多く、Atlassian・Slack・Notionといったツール群を組み合わせれば、フルリモートでも問題なくスクラムを回せます。ただし、立ち上げ初期のチームビルディングだけは対面のほうが効きやすいという声もあります。

AnswerMark

参加するのが原則です。デイリースクラムは「進捗報告会」ではなく、チームがその日の計画を再調整する場として位置づけられているため、フリーランスもチームの一員として参加します。週何日の稼働かによっては、稼働日のみ参加し、不在日の状況はチケットに書き残すルールにしている現場もあります。

AnswerMark

問題ありません。IPAも準委任ベースのアジャイル開発を想定したモデル契約書を公開しています。むしろ、仕様変更を前提とするアジャイル開発と完成責任を負う請負契約は相性が悪いため、準委任が選ばれることが多いのが実情です。

AnswerMark

SAFe(Scaled Agile Framework)・LeSS(Large-Scale Scrum)は、複数のチームを束ねて大規模に動かすための「スケールド・アジャイル」のフレームワークです。基本のスクラムは1チーム(10名以内)を前提にしているため、5チーム・10チームと規模を増やしたいときに、SAFeやLeSSのような上位の枠組みを採用する選択肢が出てきます。エンタープライズ案件の求人で見かけやすいキーワードです。

AnswerMark

Scrum Guideは専任を必須とはしていませんが、人数が少ないチームで兼任しているケースもあります。兼任すると、スプリント中に「進め方の改善」と「実装」の両方を抱えることになるため、どちらかが薄くなりやすい点に注意が必要です。フリーランスとしてSM兼任を求められた場合は、期待される稼働時間とロール比重を案件票・面談で明確にしておくと安全です。

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