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SREとは?仕事内容・年収・必要スキル・DevOpsとの違いをフリーランス視点で解説

キャリア・職種

最終更新日:2026/05/19

SREとは?仕事内容・年収・必要スキル・DevOpsとの違いをフリーランス視点で解説

SREとは、Site Reliability Engineering(サイトリライアビリティエンジニアリング)の略で、ソフトウェアの信頼性をエンジニアリングの手法で担保する役割と、その運営思想を指します。「DevOpsと何が違う?」「フリーランス案件はあるのか」と気になるインフラ・クラウド系エンジニアに向け、仕事内容・年収・必要スキル・キャリアパスを実務目線で整理します。

先に結論

  • SREは「信頼性をSLO・エラーバジェットで数値管理する」Google発のエンジニアリング手法であり、職種名でもある

  • 日常業務は監視設計・インシデント対応・自動化・キャパシティ計画・ポストモーテム運用が中心

  • 公開求人サイトの集計を見ると正社員年収は約600〜900万円、主要フリーランスエージェントの公開案件単価例では月額70〜130万円前後が目立つ(いずれも掲載時期・経験要件で変動)

  • 一般的には、DevOpsは「文化・思想」、SREは「その実装手段の一つ」と整理すると違いが見えやすい

  • 「SRE」名義のフリーランス求人はまだ多くはなく、実際には「DevOps」「クラウド基盤」「インフラ自動化」名義で募集されるケースが多い

この記事でわかること

  • SREの定義と「Site Reliability Engineering」が指す範囲

  • 1日の業務イメージとSLO/SLI/エラーバジェットの基礎

  • 公開データから見る年収・単価レンジと前提条件

  • DevOps/インフラ/クラウドエンジニアとの役割の違い

  • フリーランスとして案件を取るためのスキル習得ステップとロードマップ

目次

  • SREとは|定義と発祥

  • SREの仕事内容|信頼性をエンジニアリングで担保する

  • SREエンジニアの年収・単価相場

  • DevOpsエンジニアとの違い

  • インフラエンジニア・クラウドエンジニアとの違い

  • SREに必要なスキル

  • SREになるには|出身別の3パターン

  • フリーランスSREの案件動向と探し方

  • SREのキャリアパスと将来性

  • よくある失敗と対策

  • SRE学習チェックリスト

  • まとめ

  • よくある質問

SREとは|定義と発祥

SREは2003年にGoogleが提唱した、サービスの信頼性をソフトウェアエンジニアリングの手法で管理する考え方・職種です。一言でいうと、SREは「サービスの信頼性を数値で管理し、運用をコードで改善する役割」です。「インフラ担当」を呼び替えただけのものではなく、コードを書いて運用業務を自動化する点に特徴があります。

Site Reliability Engineeringの意味

Site Reliability Engineeringは直訳すると「サイト(システム)の信頼性に関するエンジニアリング」。可用性・性能・遅延・スケーラビリティといった信頼性の指標を、勘や経験ではなくデータで管理し、運用課題をソフトウェア的に解くことを基本姿勢とします。

公式の定義はGoogleが公開しているGoogle SRE Bookにまとめられています。Webで無償公開されており、SREの一次資料として参照されます。

SREという言葉が生まれた背景

GoogleでBen Treynor Sloss氏が立ち上げたチームが原点です。サービス規模の拡大に対し、運用人員を増やしても対応しきれなくなり、「運用業務をソフトウェアで解決する開発者集団」という発想で組織を作ったことが起点とされています。詳細はGoogle SRE Bookの冒頭章で語られています。

SRE「ロール」と「プラクティス」の違い

「SRE」という言葉は、文脈で2つの意味を持ちます。

  • ロール:肩書・職種としてのSRE(個人が名乗る)

  • プラクティス:SLO・エラーバジェット等の運用手法そのもの(組織が採り入れる)

求人や案件で「SRE募集」と書かれているときは前者、社内方針で「SREを導入する」と言われているときは後者を指します。混同すると会話がかみ合わないため要注意です。

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SREの仕事内容|信頼性をエンジニアリングで担保する

SREの中心業務は「信頼性目標の設計→計測→改善→自動化」のサイクルを回すことです。障害対応は一部にすぎず、本質は予防と自動化に置かれます。

SLO・SLI・エラーバジェットの設計

SREの土台になる3つの指標です。

  • SLI(Service Level Indicator):実測する指標。例:HTTP 200の応答割合、95パーセンタイル遅延

  • SLO(Service Level Objective):その指標が満たすべき目標値。例:99.9%以上を1か月で維持

  • エラーバジェット:SLOから逆算した「許容される失敗の量」。可用性99.9%を30日間で単純換算すると、月43分程度の許容ダウンタイムに相当します(対象指標・計測期間で実際の値は変わります)

エラーバジェットを使い切るとリリースを止めて信頼性回復に充てる、という運用ルールに直結します。「速度(リリース)と安定性のトレードオフ」を数値で意思決定するための仕組みです。

監視・オブザーバビリティ設計

メトリクス(数値)、ログ、トレースの3本柱を組み合わせ、サービスの状態を可視化する設計を担当します。代表的なツールにはPrometheus、Grafana、Datadog、New Relic、Splunk、CloudWatch、OpenTelemetryなどがあります。

「アラートが鳴っているのに何が起きているか分からない」という状況をなくし、SLOに直結する指標から優先的に可視化する設計力が求められます。

インシデント対応とオンコール

障害発生時の初動・復旧・調査・連絡を担います。オンコール(待機当番)体制を組むケースも多く、エスカレーション基準・連絡フロー・暫定対応の判断などをドキュメント化しておくのが基本姿勢です。

Toil削減と自動化

Toil(トイル)とは「手作業で繰り返される、サービス価値を生まない運用作業」のことです。Google SREの考え方では、業務時間の50%以上がToilに食われている状態を不健全な目安とみなし、自動化やセルフサービス化で削っていきます(各社の運用判断で割合は調整されます)。

具体例としては、デプロイ手順のスクリプト化、再起動オペレーションのChatOps化、定期メンテのコード化(Infrastructure as Code)などが挙げられます。

キャパシティプランニングとパフォーマンス改善

CPU・メモリ・ネットワーク帯域・DB接続数などを、今後のトラフィック予測と突き合わせて拡張計画を立てます。クラウド環境ではオートスケール設定の見直しや、コスト最適化(AWS Lambda等のサーバレス活用、リザーブドインスタンス選定)も範囲に入ります。

ポストモーテム(障害事後分析)

障害が起きた後、原因と対応経緯をドキュメント化し、再発防止策に落とす作業です。GoogleのSREでは「非難なし(blameless、誰のせいにもしない)」が原則とされ、個人を責めずに仕組みやプロセスの欠陥に焦点を当てます。

SLOやToilに関する補足Q&A

Q. SREは「障害対応する人」なのですか?

障害対応は仕事の一部ですが、中心は障害が起きにくい仕組みを作る予防・自動化です。「インフラの便利屋」と「SRE」を混同しないことが、組織にとっても本人のキャリアにとっても大事になります。

Q. SLOは100%にしてはいけないのですか?

理論上は可能ですが、コスト・開発速度を著しく落とすため通常は推奨されません。99.9%や99.95%など、事業の許容ラインから逆算するのが一般的です。

SREエンジニアの年収・単価相場

SRE単独の統計はまだ少なく、ここでは公開求人データを参照した目安として整理します。条件で大きく変動するため、母集団と前提を併記します。

正社員の年収レンジ(公開求人データから)

厚生労働省jobtagの「サーバー運用・管理者」の平均年収は約558万円とされていますが、SREは開発寄りスキルを要求する求人が多く、求人ボックスなどの公開求人集計を参照すると約600〜900万円のレンジで募集されるケースが目立ちます(執筆時点の掲載求人ベース)。両者で数字が異なるのは、jobtagが賃金構造基本統計などをもとに広めの母集団で算出する一方、求人ボックスは掲載中の求人の提示年収を集計しているためです。集計方法が違うため、単純比較はできません。

クラウドの大規模運用経験・Kubernetes本番運用経験・英語ドキュメント耐性などが揃うと、上限側に寄りやすい傾向があります。

フリーランス案件の単価レンジ(公開案件ベース)

首都圏中心の週5日・準委任の公開案件(主要フリーランスエージェントの掲載分)を参考にすると、SRE/DevOpsエンジニア募集の単価例は月額70〜130万円前後が目立ちます。週3〜4日のリモート案件も見られますが、フルタイム前提の常駐に近い案件が多いのが現状です。

高単価帯(月額110万円以上)の募集は、

  • KubernetesやIstio等を本番運用した経験

  • マルチクラウド/大規模トラフィック環境の運用設計

  • 障害対応のリードや、SRE組織の立ち上げ・改善の経験

を求められるケースが多く、Web開発の経験に加えてインフラ・運用の深い実務を持つ人が候補になります。

詳しい単価感はフリーランスエンジニアの単価相場もあわせて参考にしてください。

単価交渉の前提

単価は「スキル×実務経験×案件の難易度」で決まります。同じSRE職種でも、レガシー監視ツールの保守と、KubernetesとTerraformによる新規プラットフォーム構築では単価レンジが大きく違います。実績で示すための整理はスキルシートの書き方も参考になります。

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DevOpsエンジニアとの違い

「DevOpsエンジニア」と「SRE」は重なる部分が多く、求人票でも混在しがちです。整理の仕方として広く参照されるのが、Googleが提示する「class SRE implements DevOps」という捉え方です。組織によって解釈に差があるため、ここでは一つの代表的な整理として紹介します。

文化(DevOps)と実装(SRE)の関係

DevOpsは「開発と運用の壁をなくし、迅速かつ安全にサービスを届ける文化・思想」です。SREはその思想を、SLO・エラーバジェット・Toil削減という具体的なプラクティスに落とした実装の一例と位置づけられます。

つまり、

  • DevOps:到達したい状態(文化・原則)

  • SRE:そこに到達するための具体的な方法論

という階層になります。

担当範囲とKPIの違い

観点

DevOpsエンジニア

SREエンジニア

主軸

開発と運用の橋渡し、CI/CD整備

サービスの信頼性管理

代表KPI

デプロイ頻度・リードタイム・MTTR(平均復旧時間)

SLO達成率・エラーバジェット消化・Toil割合

よく扱う領域

パイプライン、IaC、開発者体験

監視、SLO設計、インシデント対応、自動化

キャリアの起点

開発寄り/インフラ寄りどちらもあり

インフラ・運用+コーディング能力

実際の現場では役割の境目が曖昧で、同じ担当者が両方を兼ねることも珍しくありません。

どちらを名乗るべきか

求人や案件によって呼び方が変わるため、両方の用語で案件検索することをおすすめします。SREに踏み込みたい場合は、職務経歴書に「SLO設計」「エラーバジェット運用」「ポストモーテム主導」などのキーワードを実例とともに書いておくと、SRE色の濃い案件にマッチしやすくなります。

DevOpsエンジニアの役割・年収については別記事で詳しく扱っているため、合わせて読み比べてください。

インフラエンジニア・クラウドエンジニアとの違い

3者の比較もよく聞かれます。完全に分かれているわけではなく、SREはインフラ・クラウドの上位レイヤとして実装能力を備えた職種と捉えると整理しやすくなります。

観点

インフラエンジニア

クラウドエンジニア

SREエンジニア

主軸

サーバ・ネットワーク・OSの設計/構築/運用

クラウド基盤の設計・構築・運用

信頼性のエンジニアリング全般

コード比重

中(スクリプト中心)

中〜高(IaC・自動化)

高(運用課題をコードで解決)

よく扱うもの

Linux、ネットワーク、ストレージ、仮想化

AWS/GCP/Azure、IaC、コンテナ

SLO、監視、自動化、CI/CD、SRE組織運営

詳細は職種別の解説記事も参考にしてください。

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SREに必要なスキル

「これだけ覚えれば十分」というリストはありませんが、案件で頻出するスキルセットを優先度別に整理します。

Linux/ネットワークの基礎

サーバプロセス、ファイルシステム、パーミッション、シェル、systemd、TCP/IPの基本動作、DNS、ロードバランサ、TLSの仕組みなどです。インシデント時のtcpdumpやstraceの読み解きまで含むと差がつきます。Linux/シェル系の入り口はBashShellの解説記事もあわせてどうぞ。

クラウドプラットフォーム

実務ではAWS/GCP/Azureいずれかの設計・構築・運用経験が問われます。EC2やGKE等のコンピュート、VPC、IAM、マネージドDB、メッセージング、サーバレスといった主要サービスの選定・運用ができるとよいでしょう。資格学習で全体感を掴むならAWS認定資格おすすめ一覧が参考になります。

コンテナ・オーケストレーション

Dockerでのコンテナイメージ管理と、Kubernetesによる本番運用は、SRE案件で最頻出のスキルセットです。Helm、ArgoCD、Istio、Knativeなどのエコシステムまで触ると単価が上振れしやすくなります。

IaC(Infrastructure as Code)

Terraform、AWS CDK、Pulumi、Ansibleなどです。コードによる再現性・レビュー・ロールバックを担保することがSREの自動化文化と直結します。

CI/CDと自動化

GitHub Actions、GitLab CI、Jenkins、CircleCIなどでパイプラインを設計し、テスト・デプロイ・脆弱性スキャンを自動化します。AIによる補助も少しずつ普及してきており、GitHub Copilotの活用も学習対象になります。

監視・オブザーバビリティ

Prometheus・Grafana・Datadog・New Relic・Elastic Stack・OpenTelemetryなどです。SLOから逆算したダッシュボード設計ができるとSREらしさが出ます。

プログラミング言語

Python・Goが多い印象です。シェルスクリプトしか書けない状態だと、Toil削減用の小さなツール作成や、運用APIとの連携で詰まりやすくなります。Pythonの入り口はPythonの解説記事も参考にしてください。

ソフトスキル

非難なしのポストモーテム運営、開発チームとの折衝、ドキュメンテーション能力もSREには欠かせません。技術力だけでなく、信頼性に対する組織全体の認識をすり合わせるファシリテーションが評価対象になります。

スキル習得に関する補足Q&A

Q. SREに資格は必要ですか?

必須ではありませんが、AWS/GCP/Azureの上位資格やKubernetes資格(CKA/CKAD)は、未経験領域での実力提示として有効です。

SREになるには|出身別の3パターン

「SREになるルート」は概ね3パターンに分かれます。自分の出身に近い経路から逆算するのが現実的です。

インフラエンジニア出身

サーバ・ネットワークの運用経験を土台に、コードとクラウドを上乗せするコースです。

  1. クラウドサービス(AWS/GCP/Azure)の主要サービスを実務でカバーする

  2. Terraform等のIaCで構築・変更を自動化する

  3. PythonかGoでツール作成と自動化を行う

  4. SLO・エラーバジェットの考え方を学び、運用ルールに反映する

インフラエンジニアからのキャリア発展についてはインフラエンジニアの解説記事もあわせて確認してください。

開発者出身

アプリ開発の経験を土台に、運用・インフラを覚えるコースです。

  1. 担当アプリのデプロイ・監視・ログ周りを率先して引き受ける

  2. CI/CDパイプラインの整備とインフラのコード化を担当する

  3. Kubernetesでの本番運用に関わる

  4. SLO設計とインシデント運営の経験を積む

開発側の人がSREに移ると、プロダクトの内部構造を理解した運用設計ができ、組織で重宝されやすい傾向があります。

未経験から目指す場合

完全未経験から最短でSREを目指すのは現実的ではないため、まずは

  • インフラエンジニア/クラウドエンジニアでの実務経験を1〜3年

  • スクリプト言語と簡単なCI/CDの経験

  • 監視ツールでのダッシュボード作成経験

といった土台を作ってから、SREロールに移る流れが取りやすいです。学習開始時点の具体的な動き方は未経験からのAIエンジニア(参考:ロードマップの組み立て方)のような職種別ロードマップ記事も比較材料になります。

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フリーランスSREの案件動向と探し方

公開案件を見る限りでは、フリーランスSREの案件はここ数年で募集が見られるようになってきました。ただし「SRE」という肩書きで明示される求人はまだ多くなく、DevOps・インフラ・クラウド系の案件名でSRE業務が含まれるパターンが目立ちます。

よく募集される技術スタック

公開案件ベースで頻度の高い組み合わせは次のようなものです。

  • AWS(またはGCP)+ Kubernetes + Terraform

  • Datadog/Prometheus/Grafanaのいずれか

  • GitHub Actions または GitLab CI

  • Python / Go によるツール作成

新規プロダクトの立ち上げ案件と、既存運用の改善・SRE組織立ち上げ支援案件で求められる動きが少し変わるため、職務経歴書はどちらに寄せたいかを意識して整理することが有効です。

契約形態・稼働形態

公開案件のうちフルリモート可の比率は徐々に増えていますが、オンコール対応・障害対応の関係で週5日・準委任が中心です。週3〜4日の募集も見つかりますが、設計・改善フェーズで切り出された短期案件が多い印象です。準委任契約の基本は準委任契約と請負契約の違いを読んでおくとトラブル予防になります。

案件を見つけるルート

フリーランスエージェント、リファラル(前職・コミュニティ経由)、直案件(取引先の紹介や、勉強会・登壇からの依頼)の3経路が中心です。SREに強いエンジニアコミュニティ(SRE Lounge等)への参加は情報収集・人脈づくりの両面で役立ちます。営業面の基本はフリーランスエンジニアの営業方法と案件獲得の近道も参考になります。

SREのキャリアパスと将来性

SREの将来性は、システムの信頼性に対する社会的要求が下がりにくいという意味で、当面は安定しているとみてよいでしょう。次のような派生キャリアが現実的です。

  • プラットフォームエンジニア:開発者向け基盤(Internal Developer Platform)を提供するロール

  • DevSecOps/セキュリティSREセキュリティエンジニア領域と組み合わせる

  • エンジニアリングマネージャ/SREマネージャ:チーム運営・組織設計に重心を移す

  • コンサルタント:SRE導入を企業横断で支援する

派生として「プラットフォームエンジニア」(社内開発者向けに開発・運用基盤を提供するロール)もよく語られます。SREが信頼性に主眼を置くのに対し、プラットフォームエンジニアはIDP(社内向け開発基盤)を作って開発者の生産性を高める動きが中心、と整理されることが多くなっています。

SLOやエラーバジェットを実運用できる人材」は当面は需要が続く可能性が高いと考えられます。ただし、テクノロジーの中心がKubernetesからサーバレス/AI基盤へ広がる場合に備え、新しいスタックへのキャッチアップは継続的に必要になります。

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よくある失敗と対策

SRE文脈で繰り返し起きやすい失敗パターンを3つ取り上げます。

SLOを「数値ありき」で決めてしまう

「とりあえず99.9%」と決めてしまうと、事業の許容ラインと合わずに運用が苦しくなる/甘くなるどちらかに振れがちです。事業側のKPI(顧客への影響、収益への影響)と接続して、無理のないSLOを置く工程が重要です。

Toilを「自分の仕事」にしてしまう

手作業の対応が早い人」が評価される文化のままだと、自動化が後回しになり、SREの本来価値が出ません。Toilの可視化と削減目標を、チームの定例に組み込むことが対策になります。

ポストモーテムが「犯人探し」になる

非難なし(blameless)の原則が形骸化すると、メンバーが事実を出さなくなり、再発防止が機能不全になります。テンプレートに「個人を主語にしない」「根本原因のうちシステム要因/プロセス要因/組織要因を分けて書く」と明記しておくと効きます。

SRE学習チェックリスト

学習の到達点を自分で点検するためのチェックリストです。実務で口頭説明できるレベルを目安にしてください。

  • LinuxのプロセスとI/O、syscallの観点でトラブルを切り分けられる

  • TCP・TLS・DNSの動作を図にして説明できる

  • KubernetesのPod・Service・Ingressをマニフェストから運用できる

  • TerraformでVPCやIAMを書ける/レビューできる

  • Prometheus/GrafanaでSLOダッシュボードを設計できる

  • インシデント時のチャットコミュニケーションをリードできる

  • ポストモーテムをblamelessで運営できる

  • PythonまたはGoで運用ツールを書ける

このページ独自の整理として、未経験の人ほど最初は2〜3項目に絞ることをおすすめします。全部を同時に上げようとすると挫折しやすいです。

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まとめ

SREは「信頼性をSLOとエラーバジェットで定量管理し、運用課題をコードで解決する」エンジニアリング手法であり職種です。 インフラ・クラウドの素養に加えて、開発者寄りのコーディング能力と組織運営の感覚を求められるのが特徴になります。

要点を改めて整理します。

  • SREはGoogle発祥の運用思想であり、ロール(職種)でもある

  • 中心業務はSLO設計・監視・インシデント対応・自動化・ポストモーテム

  • 公開求人で見る正社員年収は約600〜900万円、フリーランス単価は月額70〜130万円前後が目立つ

  • DevOpsは「文化」、SREは「実装手段」と整理すると差が見えやすい

  • 未経験から直行は難しく、インフラ/開発の実務を経由するルートが現実的

次の一歩としては、自分の出身(インフラ寄り/開発寄り)に応じてスキルセットの不足を埋め、SLOやToilの考え方を実務で説明できるレベルまで持ち上げることが入口になります。案件探しでは、SRE名義だけでなくDevOps・クラウド基盤案件も含めて見るのがポイントです。フリーランス転向を視野に入れる方は、フリーランスエンジニアになるにはフリーランスエンジニアの単価相場も合わせてご確認ください。フリコンでもSRE・DevOps・インフラ周辺の案件相談に対応していますので、独立準備の段階からお気軽にご相談ください。

参照元・一次情報

よくある質問

AnswerMark

呼び替えではありません。インフラエンジニアの担当領域に、SLO設計やソフトウェアによる自動化が乗ったものがSREと整理されます。実務の重なりは大きいですが、コードを書いて運用課題を解く比重が高い点が違いです。なお求人票では「SRE」「DevOps」「プラットフォームエンジニア」が混在することが多いため、肩書ではなく業務内容で判断するのが安全です。

AnswerMark

直接の入口にするのは難易度が高いです。シェルスクリプトの自動化から始めて、Python/Goで小さなツールを書けるようになることが目安になります。書ける/読めるレベルに達するまでは、インフラエンジニアとして実務経験を積みながら学習することをおすすめします。目安としては、シェル+Pythonで小さな運用自動化スクリプトを書ける段階に入ると、SREロールへの入口に立ちやすくなります。

AnswerMark

必須ではありませんが、Google SRE Bookや主要OSSのドキュメントは英語が中心です。読めて損はないレベルを意識しておくと、学習効率と単価交渉の両方で有利になります。

AnswerMark

プラットフォームエンジニアは、開発者の生産性を高める社内プラットフォーム(IDP)を作るロールです。SREは信頼性の管理に主眼が置かれます。組織が大きくなると、SREの一部役割がプラットフォームエンジニアに切り出されることがあります。

AnswerMark

インフラ/開発の実務経験があれば現実的に目指せます。年齢よりも、運用・自動化の経験を実例で説明できるかのほうが評価されやすい傾向があります。年代別の動きは40代フリーランスエンジニアになるにはもご参照ください。

AnswerMark

可能性はありますが、案件は少なめです。週末稼働の自動化支援やSREブートストラップ支援案件などが見つかる場合があります。副業から始める道筋は副業エンジニアの案件の探し方を参考にしてください。

AnswerMark

国内案件数で見るとAWSが多い印象ですが、所属する企業や案件の指定で選んでよいでしょう。一つを深く学んだあと、共通概念(IaaS/PaaS/IAM/VPC)の理解を活かして他のクラウドにも展開する戦略が現実的です。

AnswerMark

週5日案件が中心ですが、週3〜4日の改善・立ち上げ支援案件も少数ながら見つかります。SRE組織の立ち上げ期や改善フェーズで切り出されるケースが多い印象です。

AnswerMark

名乗ること自体は自由ですが、書類審査では「SLOやエラーバジェットの運用経験はあるか」「自動化・コード化の実績はあるか」を問われます。今の業務で監視やオンコールに関わっているなら、SLO観点での再整理を職務経歴書に書き起こしておくと評価につながりやすくなります。

AnswerMark

Site Reliability EngineeringシリーズはGoogleの公式オンライン版で全章公開されています。あわせて、CNCFが公開しているKubernetesドキュメント、AWS/GCP/Azureの公式ベストプラクティスが入り口として有効です。

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