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フリーランスエンジニアの手取りはどれくらい?計算方法と年収別目安

その他

最終更新日:2026/10/19

フリーランスエンジニアの手取りはどれくらい?計算方法と年収別目安

フリーランスエンジニアの手取りとは、クライアントから受け取る報酬から、経費・税金・社会保険料を差し引いて手元に残るお金のことです。会社員のように天引きされないため、自分で計算して把握しておく必要があります。本記事では年収540万〜1,200万円の手取り目安を、執筆時点(2026年)の保険料・税率をもとに試算し、計算方法と手取りを増やすコツまで解説します。

先に結論

  • フリーランスエンジニアの手取りは、「収入 −(経費+税金+社会保険料)」で決まります。会社員のように天引きされず、自分で納めるのが大きな違いです。

  • 主な負担は国民健康保険料・国民年金保険料(令和8年度は月17,920円)・住民税・所得税の4つ。エンジニアは個人事業税が原則かかりません。

  • 経費を収入の3割と仮定すると、年収720万円で手取りは約384万円、年収960万円で約487万円が一つの目安です(東京都渋谷区・単身・青色申告65万円控除・令和8年分での概算)。

  • 所得税の基礎控除は令和7年分・令和8年分と2年続けて引き上げられ、令和8年分は合計所得金額489万円以下なら104万円です。一方、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれています。

  • 手取りを増やす軸は「単価を上げて収入を伸ばす」「青色申告やiDeCoなどの控除を使う」「経費を漏れなく計上する」の3つです。

この記事でわかること

  • フリーランスエンジニアの手取りの決まり方と、会社員との違い

  • 収入から引かれる税金・社会保険料の種類と、令和8年度の最新の金額

  • 年収540万〜1,200万円の手取り目安(年収別の早見表)

  • 手取りを増やすための具体的な方法と、相談先の考え方

目次

  • フリーランスエンジニアの手取りの決まり方

  • フリーランスエンジニアの収入から引かれる税金・社会保険料の種類

  • フリーランスエンジニアの手取り目安(年収別早見表)

  • フリーランスエンジニアが手取りを増やす方法

  • まとめ

  • よくある質問

フリーランスエンジニアの手取りの決まり方

まずは手取りがどう決まるのか、会社員と対比して見ていきましょう。会社員は税金や社会保険料が給与から天引きされ、口座に振り込まれた額がほぼ手取りです。一方でフリーランスは、受け取った報酬から自分で経費や税金を支払い、残った金額が手取りになります。

会社員の場合

  • 給与が決まる

  • 社会保険料・厚生年金・所得税などが天引きされる

  • 残りが口座に振り込まれる(これがほぼ手取り)

フリーランスの場合

  • クライアントからの報酬が収入になる

  • 収入がいったん口座に振り込まれる

  • 国民健康保険料・国民年金・住民税・所得税・経費などを自分で支払う

  • 残った金額が手取りになる

つまりフリーランスは、収入のうち税金・社会保険料・経費にあたる部分が大きくなるほど手取りが減ります。具体的に何にいくら払うのかを、次の章で順番に見ていきます。

なお、収入そのものの目安を知りたい方は、フリーランスエンジニアの単価相場と単価の上げ方もあわせて参考にしてください。

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フリーランスエンジニアの収入から引かれる税金・社会保険料の種類

フリーランスエンジニアの手取りを左右する主な項目は、国民健康保険料・国民年金・住民税・所得税の4つです。 売上規模やインボイス登録の有無によっては、消費税も加わります。フリーランスエンジニアの収入から差し引かれる項目を順に見ていきましょう。

なお、この章の金額は執筆時点(2026年)で確認できる制度・料率をもとにしています。料率や保険料・控除額は毎年のように改正されるため、実際に申告するときは必ず一次情報で最新の数値を確認してください。

  • 国民健康保険料

  • 国民年金保険料

  • 住民税

  • 所得税

  • 個人事業税(エンジニアは原則対象外)

  • 消費税(売上規模やインボイス登録の有無による)

国民健康保険料

会社員から独立すると、勤務先の健康保険を抜け、国民健康保険(国保)に加入します。保険料は前年の所得をもとに計算され、料率や上限額は自治体ごとに異なるのが特徴です。

国保の所得割は、前年の所得から基礎控除43万円を引いた「旧ただし書き所得」に料率をかけて計算します。たとえば東京都渋谷区の令和8年度(執筆時点で確認できる料率。毎年改定されます)は、所得割が医療分7.51%+後期高齢者支援金分2.80%+子ども・子育て支援金分0.27%の合計10.58%、均等割が1人あたり年67,073円(子ども・子育て支援金分を含む)です(40歳未満で介護分なしの場合)。40〜64歳はこれに介護分が加わります。

自分の保険料は、お住まいの自治体のサイトに試算ツールが用意されている場合があります。国保のほかに任意継続や建設国保という選択肢もあるため、独立直後はどれが得かを比べると良いでしょう。詳しくはフリーランスエンジニアの健康保険の選び方で解説しています。

国民年金保険料

国民年金保険料は全員一律で、年度ごとに改定されます。令和8年度(2026年4月〜2027年3月)の保険料は月額17,920円です。直近の推移は次のとおりです。

年度

月額保険料

令和6年度(2024年4月〜2025年3月)

16,980円

令和7年度(2025年4月〜2026年3月)

17,510円

令和8年度(2026年4月〜2027年3月)

17,920円

最新の金額は日本年金機構で確認できます。将来の年金額を増やしたい場合は、付加年金・国民年金基金・iDeCoといった上乗せの選択肢もあります。詳しくはフリーランスエンジニアの年金対策を参照してください。

住民税

住民税は、お住まいの自治体に納める地方税です。前年の所得をもとに計算され、所得割と均等割で構成されます。

  • 所得割:(前年の所得 − 所得控除)× 10%(市区町村民税6%+道府県民税4%)から、調整控除などを差し引いた額

  • 均等割:所得にかかわらず定額。標準は年5,000円(市区町村民税3,500円+道府県民税1,500円)

  • このほか、令和6年度から森林環境税(国税)が年1,000円、住民税とあわせて徴収されています

住民税の基礎控除は43万円です。所得税の基礎控除は後述のとおり令和7年分・令和8年分と引き上げられましたが、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置きとなっている点に注意してください。

所得税

所得税は、所得に対してかかる国税です。税額は所得が多いほど高くなる累進課税で、税率は次の速算表のとおりです(国税庁)。

課税される所得金額

税率

控除額

1,000円〜1,949,000円

5%

0円

1,950,000円〜3,299,000円

10%

97,500円

3,300,000円〜6,949,000円

20%

427,500円

6,950,000円〜8,999,000円

23%

636,000円

9,000,000円〜17,999,000円

33%

1,536,000円

18,000,000円〜39,999,000円

40%

2,796,000円

40,000,000円以上

45%

4,796,000円

課税の対象は、経費や各種控除を差し引いたあとの「課税所得」です。このほかに復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)が加算されます。

ここで押さえておきたいのが基礎控除の改正です。令和7年度税制改正で一律48万円から段階制になり、さらに令和8年度税制改正で令和8年分・令和9年分の金額が引き上げられました(令和8年12月1日施行・令和8年分以後の所得税に適用)。

合計所得金額

令和7年分

令和8年分・令和9年分

令和10年分以後

132万円以下

95万円

104万円

99万円

132万円超〜336万円以下

88万円

104万円

62万円

336万円超〜489万円以下

68万円

104万円

62万円

489万円超〜655万円以下

63万円

67万円

62万円

655万円超〜2,350万円以下

58万円

62万円

62万円

令和8年分・令和9年分は、合計所得金額489万円を超えると基礎控除が104万円から67万円へ下がる段差があります。令和10年分以後は、132万円超の人が62万円になります。金額は国税庁 No.1199 基礎控除で確認でき、年分ごとの違いと手取りへの影響は「基礎控除 改正 2026」で整理しています。

個人事業税

個人事業税は、地方税法で定められた事業に対してかかる税金です。対象となる業種は決まっており、エンジニアの開発業務は原則として対象外です。ただしWeb制作でデザインの比重が大きい場合など、業務内容によっては対象になることもあります。自分の業務が該当するかは、お住まいの都道府県の主税局(東京都の場合は東京都主税局)で確認しておくと安心です。

消費税

消費税は、売上規模とインボイス登録の有無で、納める・納めないが分かれます。 消費税は、事業者として受け取った消費税を国に納める税金です。基準期間(原則2年前)の課税売上高が1,000万円以下なら、免税事業者になれるのが基本ルールです。納税義務が生じるかどうかは、その年の売上ではなく2年前の売上で判定される点に注意してください。

ただし、インボイス制度に登録すると、売上が1,000万円以下でも課税事業者になります。取引先がインボイスを求めるかどうかで、登録すべきかの判断が変わります。納税額は、簡易課税(サービス業のみなし仕入率は50%)や、登録事業者向けの2割特例など、選ぶ方法で大きく変わります。インボイスへの対応はインボイスとは?フリーランスエンジニアが知るべきポイントで詳しく解説しています。

フリーランスエンジニアの手取り目安(年収別早見表)

単身・渋谷区・経費3割の前提では、手取りは額面年収のおおむね5割前後(約49〜54%)が目安です。 以下はその試算例です。手取りは経費・自治体・控除の使い方で変わるため、次の前提で試算した簡易概算として捉えてください。

  • 経費:収入の30%

  • 住まい:東京都渋谷区(令和8年度の国保料率を使用)

  • 年齢:32歳(介護保険分なし)、未婚・扶養家族なし

  • 青色申告特別控除:65万円

  • 国民年金:令和8年度の月17,920円(年215,040円)

  • 国民健康保険料・国民年金は社会保険料控除として所得から差し引いて計算

  • 所得税は令和8年分の基礎控除(令和8年度税制改正後)、住民税は基礎控除43万円で計算

  • 調整控除・税額控除などの細かい調整は省略

  • 想定する読者:案件単価が月45万〜100万円程度で、1人で開発案件を請ける個人事業主

実際の額は個別事情で変わります。正確な数字は自治体の国保試算ツールや国税庁の情報、税理士への相談で確認してください。

年収(月収)

経費

国保

国民年金

住民税

所得税

消費税

手取り/年

手取り/月

540万円(45万円)

162.0万円

35.3万円

21.5万円

21.8万円

7.8万円

含めない

約292万円

約24.3万円

720万円(60万円)

216.0万円

48.6万円

21.5万円

33.1万円

17.1万円

含めない

約384万円

約32.0万円

840万円(70万円)

252.0万円

57.5万円

21.5万円

40.6万円

33.3万円

含めない

約435万円

約36.3万円

960万円(80万円)

288.0万円

66.4万円

21.5万円

48.1万円

48.7万円

含めない

約487万円

約40.6万円

1,080万円(90万円)

324.0万円

75.3万円

21.5万円

55.6万円

65.0万円

含めない※

約539万円

約44.9万円

1,200万円(100万円)

360.0万円

84.2万円

21.5万円

63.1万円

80.4万円

含めない※

約591万円

約49.2万円

※消費税は、単価を税抜とし、取引先から受け取った消費税をそのまま納める前提で手取りに含めていません。課税事業者が簡易課税(みなし仕入率50%)を使うと、受け取った消費税の半分が手元に残ります(年収1,080万円なら約54万円、1,200万円なら約60万円)。納税義務は2年前の売上で判定されるため、売上が1,000万円を超えた年からすぐに発生するわけではありません。原則課税や2割特例では金額が変わります。

計算の流れ(年収720万円の例)

数字の出し方を、年収720万円のケースで追ってみます。

  1. 経費:720万円 × 30% = 216万円

  2. 事業所得(合計所得金額):720万円 − 216万円 − 青色65万円 = 439万円

  3. 国民健康保険料:旧ただし書き所得(439万円 − 43万円)に料率10.58%と均等割を加えて約48.6万円

  4. 社会保険料控除:国保48.6万円 + 国民年金21.5万円 = 約70.1万円

  5. 所得税:事業所得から社会保険料控除と基礎控除(合計所得439万円は489万円以下なので104万円)を引いた課税所得約265万円に税率を適用して約17.1万円

  6. 住民税:同様に基礎控除43万円で計算し、均等割・森林環境税を加えて約33.1万円

  7. 手取り:720万円 −(経費216万円+国保48.6万円+年金21.5万円+住民税33.1万円+所得税17.1万円)≒ 約384万円

このように、額面の年収から3〜4割ほどが経費・税金・社会保険料に回るのが一つの目安です。経費率や控除の使い方で、手取りは上下します。

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フリーランスエンジニアが手取りを増やす方法

手取りを増やす方向は、大きく3つに分けられます。

収入を増やす

最もシンプルなのは、単価を上げて収入そのものを伸ばすことです。スキルや実績を整理し、根拠を持って交渉すれば、単価は動きます。具体的な進め方は単価交渉のコツで解説しています。

ただし、収入を増やすときに意識したいのが売上1,000万円の境目です。売上1,000万円を超えると、原則として2年後に消費税の納税義務が生じます。早見表は消費税を手取りに含めていませんが、免税事業者のうちは受け取った消費税がそのまま手元に残っていた人にとっては、課税事業者になるとその分(簡易課税なら半分)が減るため、境界付近では手取りの伸びが鈍く感じられることがあります。大きく超える見込みなら、マイクロ法人などの選択肢を検討する余地もあります。

高単価の案件を探すなら、高単価の案件一覧で実際の単価感を確かめてみてください。

各種控除を活用する

控除を使うほど課税所得が下がり、所得税・住民税が軽くなります。フリーランスエンジニアが使いやすい主な控除は次のとおりです。

これらを組み合わせた節税の全体像は、フリーランスエンジニアの節税対策で整理しています。

経費を漏れなく計上する

仕事に関係する支出は経費に計上できます。パソコン・モニター・通信費のほか、自宅兼事務所なら家賃や光熱費を業務分だけ按分して計上します。按分は面積や使用時間など、説明できる根拠をもとにするのが基本です。どこまで経費にできるかは経費にできるもの一覧を参考にしてください。

控除も経費も、人によって使えるもの・使えないものがあります。売上が大きくなってきたら、一度税理士に相談すると、抜け漏れを防げます。費用は売上規模や依頼範囲で大きく変わるため、複数の事務所に見積もりを取ると判断しやすくなります。

まとめ

フリーランスエンジニアの手取りは「収入 −(経費+税金+社会保険料)」で決まり、本記事の前提では額面のおおむね5割前後が目安です。会社員と違い天引きされないため、何にいくら払うのかを自分で把握しておくことが大切です。

  • 主な負担は国民健康保険料・国民年金(令和8年度は月17,920円)・住民税・所得税の4つ

  • エンジニアは個人事業税が原則かからない。消費税は売上1,000万円とインボイス登録が判断の分かれ目

  • 所得税の基礎控除は令和8年分で合計所得489万円以下なら104万円に引き上げられ、手取りは増える方向。住民税の基礎控除は43万円で据え置き

  • 手取りを増やす軸は「収入を増やす」「控除を使う」「経費を計上する」の3つ

  • 正確な税額・保険料は個別事情で変わるため、最終的には国税庁・自治体・年金機構の情報や税理士への相談で確認する

収入の底上げから始めたい方は、まずフリコンの案件検索で今の自分のスキルがどのくらいの単価で募集されているかを確かめてみてください。無料の単価査定もあわせて使うと、手取りを増やす計画が立てやすくなります。

なお本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。実際の申告・納税にあたっては、税理士などの専門家にご確認ください。

参考にした一次情報は次のとおりです。

よくある質問

AnswerMark

経費・税金・社会保険料をすべて差し引くと、本記事の前提(経費3割・青色65万円控除・令和8年分)では、年収540万円で約54%、年収720万円で約53%、年収1,200万円で約49%でした(消費税は手取りに含めない)。経費率や控除の使い方、住む自治体で上下します。

AnswerMark

額面が同じなら、社会保険料を全額自己負担する分、フリーランスの方が手取りは減りやすい傾向です。一方で経費計上や青色申告などの余地は広く、働き方しだいで逆転することもあります。詳しい比較はフリーランスエンジニアの働き方と会社員との違いを参照してください。

AnswerMark

前年の所得をもとに、自治体ごとの料率で計算されます。所得から基礎控除43万円を引いた「旧ただし書き所得」に所得割の料率をかけ、定額の均等割を足すのが基本です。料率と上限額は自治体で異なるため、引っ越しで変わることもあります。

AnswerMark

最大65万円の控除で課税所得が下がるため、所得税・住民税・国保が軽くなります。65万円控除を受けるには、複式簿記での記帳と、e-Taxによる電子申告(または電子帳簿保存)などの要件を満たす必要があります。

AnswerMark

原則として基準期間(2年前)の課税売上が1,000万円を超えると、消費税の納税義務が生じます。簡易課税や2割特例で負担はやわらぎますが、境界付近では手取りが伸び悩むことがあります。インボイス登録の有無でも判断が変わります。

AnswerMark

所得税の確定申告は、原則として翌年の2月16日〜3月15日に行います(曜日の関係で前後することがあります)。e-Taxを使うと自宅から申告でき、還付も比較的早い傾向です。手順はフリーランスエンジニアの確定申告で解説しています。

AnswerMark

売上規模が大きくなり、記帳や申告に時間を取られるようになったら、依頼を検討する目安です。費用は地域・売上規模・依頼範囲で大きく異なるため、複数の事務所に見積もりを取って比べると判断しやすくなります。

AnswerMark

どちらも掛金が全額所得控除の対象で、課税所得を下げられます。iDeCoは原則60歳まで引き出せない、小規模企業共済は廃業・退任時などに受け取れる、という違いがあります。老後資金を準備しながら節税できる点が共通のメリットです。

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