福岡フリーランスエンジニア案件|単価72万・リモート49%の実態と探し方
最終更新日:2026/09/09
福岡フリーランスエンジニア案件とは、九州最大のIT集積地・福岡で募集される業務委託案件で、地場スタートアップ・SIerの常駐系と、東京企業のフルリモート受注系の2系統に分かれます。公開案件の観測データと福岡固有の産業構造から、実務経験3年以上のエンジニアが移住・Uターン後の稼働設計を判断できる粒度まで整理します。
先に結論
探し方の短答:主要フリーランスエージェント数社で「勤務地=福岡」+「フルリモート可」を併用して絞り、東京本社のフルリモート案件と福岡地場案件を分けて数を出すのが実務的です
単価短答:公開案件観測ベースで平均月72万円前後・中央値65万円前後という調査があります(後述のインディバース調査、2026年時点・1,768件)
東京単価:公開案件では、福岡在住でも東京在住者と近いレンジで募集されるフルリモート案件が見られます
地場常駐:公開案件ベースでは、福岡地場SIerの常駐案件は首都圏の同職種・同稼働帯の公開案件より1〜3割低いレンジが観測されます
リモート比率:同調査で公開案件のうちリモート可は約49%。全国比では中位、北九州エリアや自治体案件は常駐前提が残ります
需要スキル:Java・AWS・TypeScriptが公開案件で上位。金融・製造・受託の基幹系+自社サービスのフロントで説明できる分布です
この記事でわかること
福岡が「地方一般」と扱えない理由と、他の地方エンジニア案件記事との棲み分け
公開案件観測ベースの単価相場(常駐/リモート/東京比較の即答表付き)
福岡地場の企業層(スタートアップ・SIer・東京本社の福岡拠点)とスキル需要の背景
福岡在住/福岡Uターン/副業関与など、状況別の実務フロー
面談で福岡固有に確認すべき論点と、応募前チェックリスト
目次
福岡固有の案件市場を「地方一般」と分けて読む
福岡フリーランスエンジニア案件の単価相場(観測ベース)
福岡固有の企業層とスキル需要の背景
リモート比率と稼働形態の内訳
福岡案件の実務的な探し方
ケース別解説:自分の状況にどう当てはめるか
よくある失敗と対策
福岡フリーランスエンジニアの実践チェックリスト
まとめ
よくある質問
福岡固有の案件市場を「地方一般」と分けて読む
福岡は他の地方都市と比較して、IT集積度・スタートアップ密度・行政のエンジニア支援が突出しています。地方フリーランスエンジニアの単価相場全般や、地方案件の獲得ルート全般の話は別記事で整理しているため、この記事では福岡固有の企業層とリモート比率に絞ります。
汎用論は次の2記事に委譲します。あわせて読むと、福岡ケースを地方全体の中で位置づけやすくなります。
福岡が「地方一般」と扱えない3つの背景
福岡市は2012年に「スタートアップ都市ふくおか」を宣言し、2020年には内閣府の「グローバル拠点都市」に選ばれています。IT系の集積として次の要素が観測できます。
エンジニアフレンドリーシティ福岡宣言(2019年〜):市がエンジニア向け施策を継続的に打ち出しており、勉強会・移住・企業誘致を支援
スタートアップ集積:官民運営のFukuoka Growth Nextは旧大名小学校跡地を活用した支援拠点で、累計約400社のスタートアップを受け入れています
東京本社の福岡拠点/自社サービス開発拠点:LINEヤフーコミュニケーションズ(旧LINE Fukuoka)、ヌーラボ本社、メルカリ福岡、ピクシブ福岡など、自社サービス開発の実務が動いている拠点が集まる
この3点により、公開案件の内訳が「地方SIer中心+一部フルリモート」という他地方の典型と異なります。福岡だけを見て単価を判断する意味があるため、本記事の相場も福岡単独の観測に絞って提示します。
この記事の対象と対象読者
対象は、実務経験3年以上のフロントエンド/バックエンド/クラウドインフラ/モバイルの各エンジニアで、次のいずれかの状況を想定しています。
福岡在住で、業務委託中心のフリーランスに切り替えたい人
首都圏在住で、福岡へのUターン・Iターン移住を検討している人
福岡拠点のスタートアップに副業・パラレル参画したい人
案件全般の獲得方法や単価の上げ方は、単価相場のハブ記事「フリーランスエンジニアの単価相場と単価の上げ方とは?」で整理しています。
福岡フリーランスエンジニア案件の単価相場(観測ベース)
まず結論から。公開案件の平均月額は72万円前後、中央値は65万円前後という観測が2026年時点で報告されています。以下、この数字の観測条件と、東京・常駐・リモートで割った即答表を示します。
この記事で参照している観測データ
一次情報:株式会社インディバースが2026年に公開した「福岡のフリーランスエンジニア案件の分析」。福岡エリアの公開案件1,768件を対象に月額単価・リモート可否・需要スキルを集計したもの
観測範囲:主要フリーランスエージェント複数社の公開募集案件を集計対象とした数字で、非公開案件・エージェントを介さない直案件は含まれません
観測時期:2026年時点。この後の景気動向や新規案件流入で数字は動きます
単価の前提:週5日・月140〜180時間程度の準委任案件を中心に見た月額換算
公開案件だけを見ているため、非公開案件で個別に打診される高単価帯は下記の数字より上振れするケースがあります。まず公開案件ベースで相場感を掴んでください。
【比較表】福岡×常駐 / 福岡×リモート / 東京×リモートの単価レンジ
福岡在住のフリーランスにとって、「どのタイプの案件を主軸にするか」で狙える単価レンジが大きく変わります。おおまかな目安として整理します。
稼働タイプ | 想定される月額レンジ | 特徴 | 主な案件供給元 |
|---|---|---|---|
福岡×週5常駐(地場SIer・受託) | 45〜75万円 | 東京より1〜3割低い。金融・製造・自治体系が中心 | 福岡地場エージェント/東京大手エージェントの福岡セクション |
福岡×ハイブリッド(週1〜2出社) | 55〜85万円 | 福岡拠点の自社サービス・スタートアップに多い | 直営業/福岡拠点採用の東京企業 |
福岡×フルリモート(東京企業) | 70〜110万円 | 東京在住者と近いレンジで募集される案件が見られる | 大手フリーランスエージェント全般 |
東京×フルリモート(参考値) | 75〜120万円 | 上振れは非公開・直案件で個別条件 | 主要フリーランスエージェント |
注意点:東京の参考値も含め、上の数値は主要フリーランスエージェント複数社の公開案件をもとにした目安で、非公開案件は含みません。主に実務経験3年以上の中堅実務者層を想定したレンジです。上位ロールの単価は「フリーランスエンジニアの単価相場と単価の上げ方とは?」で整理しています。
自分の経験年数・スキル構成で今の市場単価がどこに乗るかは、無料のフリーランスエンジニア単価診断で目安を確認できます。
高単価帯(月90万円超)の案件像と対象者
インディバース調査では月100万円以上の案件が254件観測されており、全体(1,768件)の約14%です。ただしこの帯は誰でも狙える枠ではなく、対象者の像は概ね次のような条件で募集されます。
AWS/GCPのクラウド設計経験+Java/TypeScriptでの実装経験があるフルスタック寄りの実務3〜5年以上
金融・製造系の要件整理から入れるSE経験、または自社サービスでのアーキテクト経験
東京本社のフルリモート案件で、要件整理〜実装〜レビューまで裁量を持てる人
「経験3年以上」だけでは届かないラインで、上流工程の経験や特定スキル領域の深さがセットで求められます。90万円超のレンジを狙うなら、募集要件を先に読んで自分のスキルシートを整えるのが実務的です。スキルシートの整理は「フリーランスエンジニアのスキルシートの書き方」に手順があります。
生活コスト差を踏まえた実質手取りの見方
福岡と東京では家賃・食費・交通費の水準が異なるため、額面の月額単価だけで比較すると判断を誤ります。ざっくりした目安として次のような差が観測されます。
家賃:福岡市中央区・博多区の1LDK/2Kは月8〜13万円が中心。東京23区の1LDKは月13〜22万円が中心(賃貸情報サイトの物件観測)
通勤:福岡は都市圏がコンパクトで、地場常駐案件でも通勤時間30分程度に収まりやすい
食費・生活費:家族構成や居住エリアで大きく変わるため、一律の金額比較ではなく家賃差を中心に比較するのが安全です
つまり、額面で東京単価より月10万円程度低くても、家賃差でほぼ相殺されるケースがあります。ただし個別条件(家族構成・居住エリア・稼働形態)で大きく変わるため、数字の目安として捉えてください。
ミニFAQ
Q: 公開案件観測72万円は「福岡在住が受注できる案件」の平均ですか?
A: 対象は「福岡で募集されている公開案件」の平均で、勤務地の指定がある案件と、東京企業がフルリモート枠として福岡在住可としている案件の両方が含まれます。案件ごとの勤務地条件の確認は必要ですが、福岡在住者が応募対象になりやすい案件群と考えて差し支えありません。
Q: 中央値と平均値、どちらを見るべきですか?
A: 案件分布のイメージには中央値(65万円)が近く、月100万円超の254件が平均を押し上げているため、平均値(72万円)は自分の狙える単価より少し高めに見える可能性があります。
福岡固有の企業層とスキル需要の背景
福岡の公開案件でJava・AWS・TypeScriptが上位を占める背景には、地場企業の産業構造があります。ここでは案件供給元を3系統に分けて整理します。
地場スタートアップ・自社サービス開発拠点
福岡市は行政のスタートアップ支援が厚く、公民連携拠点のFukuoka Growth Nextを中心に、シード〜アーリー期の企業が集積しています。2026年度の「High Growth Program」では10社が採択されており、事業計画のブラッシュアップからVC接続までのプログラムが動いています。
自社サービス側の代表例としては、プロジェクト管理SaaS「Backlog」を展開する株式会社ヌーラボ(本社・福岡)や、東京本社×福岡拠点で自社サービスを開発するLINEヤフーコミュニケーションズなどが挙げられます。この層の案件は、TypeScript/React/Node.js/Goなどのモダンスタックが中心で、業務委託でジョインする場合はフロントエンド・バックエンド・SREのいずれかに専門特化した経験が求められる傾向です。
地場SIer・受託開発(金融・製造・自治体DX)
福岡は九州の金融・製造・流通の集積地でもあり、地場SIerと東京大手SIerの九州支店が受託・SESを供給しています。この層で募集される案件は、Java(Spring Boot/Struts保守)+Oracle/PostgreSQL+AWS移行、といった構成が多く観測されます。Javaが公開案件で上位に来る背景の中心はこの層です。
Javaの案件動向は「Javaとは?なぜ今も選ばれる?」、AWSの案件動向は「AWS EC2とは|案件単価をフリーランス視点で解説」で整理しています。
契約形態は準委任と請負が混在しやすく、請負が絡む案件では契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)・検収要件・作業指示権の所在をあらかじめ確認する必要があります。契約時の観点は「準委任契約と請負契約の違い」で整理しています。
東京本社×福岡拠点/東京フルリモート受注
もう1つの供給源が、東京本社の企業が福岡在住者にフルリモートで発注するパターンです。近年は東京本社側の採用面接や日常のペアプロがオンラインで完結する案件が見られ、勤務地条件を福岡にしても大きな不利にならないケースが増えている傾向があります。TypeScript/React/Next.jsなどのフロントエンド案件が特に東京発の割合が高く、これが福岡でTypeScriptが上位に来る背景と重なります。
福岡在住のまま東京単価を取りに行くルートは、ここが本命です。案件検索時に「勤務地=福岡可」ではなく「フルリモート可(勤務地不問)」の条件で数を出すと、東京発案件の母数が見えます。フルリモート案件の全体像は「フルリモート フリーランスエンジニアの案件事情」で整理しています。
ミニFAQ
Q: 地場SIerの常駐案件と、東京フルリモート案件は両立できますか?
A: 稼働時間が重ならないよう組めば可能ですが、地場常駐は週5日拘束されるケースが多いため、通常は「常駐主体+週1日の副業」か「フルリモート主体」のどちらかに寄せる形が現実的です。
リモート比率と稼働形態の内訳
公開案件のうちリモート可は約49%、という調査結果は、地方エリア全体で見ると中位に位置します。福岡単独で見ると内訳は次のように読み解けます。
完全リモート / ハイブリッド / 常駐の目安割合
観測されている公開案件を稼働形態別に見ると、おおむね次のような分布になります(正確な内訳は情報源によりばらつくため目安)。
稼働形態 | 割合の目安 | 主な発注元 |
|---|---|---|
フルリモート(出社なし) | 全体の3割前後 | 東京本社企業/SaaSスタートアップ |
ハイブリッド(週1〜2出社) | 全体の2割前後 | 福岡拠点の自社サービス/東京本社の福岡支社 |
週3〜5常駐 | 全体の5割前後 | 地場SIer/受託開発/自治体DX |
「リモート可」と書かれていても、面談で「月1〜2回の出社は必須」と後出しされるケースがあります。募集要項の「リモート可」の粒度(完全リモートか、ハイブリッドか)を最初のスカウトメール返信時点で確認する運用が実務的です。
週何日・準委任・請負の傾向
公開案件の稼働日数は週4〜5日が中心ですが、福岡地場企業の場合は週3日案件も一定数観測されます。福岡地場のスタートアップでは、週3日など柔軟な稼働条件の案件も見られます。週3稼働の実務は「週3日で働くフリーランスエンジニアの始め方」に整理しています。
契約形態は準委任が主流ですが、地場SIerの下請けでは請負契約が混じるケースがあるため、首都圏案件と同じ前提で見ず、契約条件を個別確認してください。特に業務範囲・検収条件・作業指示権の所在は面談前に確認する必要があります。
福岡案件の実務的な探し方
案件の全体マップは、以下の4ルートに整理できます。福岡在住の実情に合わせて優先順位を決めます。
ルート1:主要フリーランスエージェントで「福岡+リモート可」を併用
一番実務的なのが、東京本社の大手フリーランスエージェント複数社で、勤務地に「福岡」を設定し、リモート条件を「フルリモート可」で併用する絞り込みです。福岡在住可の東京発案件と、福岡地場案件の両方が母数に入ってきます。
エージェントとの初回面談で確認する項目は「フリーランスエージェントとの面談の内容と必要な準備」に、面談で聞かれる具体質問は「フリーランスエンジニアの面談で聞かれる質問と回答例」に整理しています。福岡固有で追加確認すべき論点は本記事の「よくある失敗と対策」に後述します。
複数エージェントで案件検索する場合は、フリコンの案件一覧からも福岡在住で応募可能な案件を探せます。
ルート2:福岡拠点・九州特化エージェントの併用
福岡拠点のエージェント・九州特化エージェントも、地場SIerや自治体系案件で強みを持つ会社があります。東京大手が拾いきれない案件が回ってくることがあるため、大手2〜3社と地場1〜2社の組み合わせで運用するのが標準的です。
ルート3:直案件・リファラル(Fukuoka Growth Next・勉強会)
福岡はエンジニアコミュニティが活発で、Fukuoka Growth NextやSTARTUP TEAM FUKUOKAなどのコミュニティ経由で、直案件・リファラル案件が発生することがあります。特にスタートアップCTOの人的ネットワークが強く、勉強会・イベント経由で「業務委託で入ってほしい」という打診が出やすい環境です。
直案件の獲得ルートは「フリーランスエンジニアの直案件の取り方」に整理しています。
ルート4:SaaSスタートアップへの副業からの参画
いきなり業務委託でフル稼働する前に、副業として週1〜2日ジョインし、相性を確認してから稼働を広げるパターンも観測されます。SaaSスタートアップの参画例は「SaaSスタートアップのフリーランスエンジニア案件」に整理しています。
ミニFAQ
Q: 地場エージェントと東京大手、どちらを優先すべきですか?
A: フルリモート案件の母数は東京大手のほうが圧倒的に多く、地場エージェントは常駐・自治体・特定業種で強みが出るケースがあります。両方登録して情報を集めるのが標準的です。
ケース別解説:自分の状況にどう当てはめるか
福岡での案件獲得は、現在の居住地・キャリアの状況で最適ルートが変わります。4つのケースで整理します。
ケースA:東京在住→福岡へUターン・Iターン希望
移住前に稼働案件を確保しておくのが安全です。1〜2か月の準備期間で次の順序が実務的です。
東京大手のフリーランスエージェント2〜3社に「福岡移住予定」で相談し、フルリモート可の東京発案件を1本確保
並行して福岡地場のエージェント1〜2社に登録し、常駐またはハイブリッド案件の候補も持っておく
移住後、初月は東京発フルリモート1本で稼働しつつ、地場案件の面談を進める
「移住が完了してから案件探し」を選ぶと収入の空白期間が数か月出るリスクがあります。収入空白を避けたい人には、原則として案件確保→移住の順が安全です(家族事情・住居事情で例外もあります)。
ケースB:福岡在住→東京単価をフルリモートで狙う
このケースは、母集団としては東京発フルリモート案件が本命です。福岡在住だからといって単価が下がるという扱いを受けにくくなっています。ただし面談時に「オンサイト対応必須」の場合を除外するため、応募段階で「完全リモート/出社頻度」を毎回確認する運用にしてください。
Java/AWS/TypeScript/React/Goのどれかに深めのスキルがあると、東京発案件の中で高単価帯(月85万円以上)に届きやすくなります。
ケースC:福岡在住→地場スタートアップで裁量重視
単価より裁量・技術選定への関与を優先したい場合、福岡地場のスタートアップは有力な選択肢です。単価は月55〜80万円程度が中心になりますが、アーキテクチャ選定・チーム設計まで踏み込める案件があります。Fukuoka Growth Next経由の直リファラルも視野に入れやすいのがこのケースです。
ケースD:副業として週1〜2日で福岡案件に関与
平日は本業、週末+平日夜で福岡地場のスタートアップに関与するパターン。公開募集ベースでは、週10〜15時間稼働で月15〜25万円程度の副業案件が見られます。稼働形態の選定は「副業から独立するタイミング」に判断基準を整理しています。
よくある失敗と対策
福岡案件でよく発生する失敗パターンを、面談前に潰しておくべき順にまとめます。
失敗1:「フルリモート可」が実は月1〜2回出社必須だった
福岡在住で東京発案件に応募した際、「フルリモート可」の記載が「原則リモートだが月1〜2回の東京出社は必須」だった、というケースが観測されます。応募時点で「出社頻度」「出社の交通費・宿泊費の負担」を明文化しておくと、契約後のトラブルを防げます。
失敗2:請負契約で契約不適合責任や検収条件の負担が大きい
福岡地場SIerの下請け案件では、準委任ではなく請負契約が提示されるケースがあります。請負は成果物の完成責任と契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)が発生するため、業務範囲・検収条件・修補期間を明確にしないと後で揉めます。契約書レビューの観点は「業務委託契約書の確認ポイント」を参照してください。
失敗3:常駐前提の案件に応募してリモート交渉が通らない
自治体DX案件や、地場金融の受託案件は、セキュリティ要件から常駐前提が譲れないケースがあります。「リモートで交渉すれば通るだろう」と想定して応募すると、面談で断られて工数が無駄になります。募集要項の「リモート可否」欄が「不可」または空欄の案件は、リモート交渉の余地は少ないという前提で臨むのが実務的です。官公庁系の案件事情は「官公庁・公共系のフリーランスエンジニア案件」に整理しています。
失敗4:地場エージェントだけで探して東京単価を取り損ねる
福岡拠点のエージェントだけで案件を探すと、東京発フルリモート案件の母集団が見えず、狙える単価の上限を自分で下げてしまいます。ルート1(大手エージェント)とルート2(地場)の併用は、単価の上限を伸ばすためにも意味があります。
福岡フリーランスエンジニアの実践チェックリスト
応募前・面談時・契約時に確認する項目を、福岡固有の論点に絞ってまとめました。汎用のチェック項目は既存の面談・契約記事に譲り、ここでは福岡ならではの確認点だけを載せます。
応募前の確認項目
募集要項の「リモート可」の粒度(完全リモート/ハイブリッド/月何回出社か)
契約形態(準委任/請負/SES)と、請負の場合の検収条件
稼働時間の管理単位(月精算/時間精算)と、精算幅(140〜180時間の逸脱ルール)
福岡地場SIerの案件なら、案件元請けの立ち位置(何次下請けか)
面談時に福岡固有で確認する質問
「東京本社との定例MTGは日中どの時間帯に集中しますか」
「福岡在住のメンバーは他にどれくらいいますか」
「初回のキックオフや月1〜2回の出社時、交通費・宿泊費はどちらが負担しますか」
「常駐オフィスがある場合、天神・博多エリアからのアクセスは何分程度ですか」
契約時の落とし穴チェック
稼働地の記載(「福岡在住・原則リモート」を明文化)
出社が発生した場合の交通費実費支給の明記
秘密保持契約の準拠法・裁判管轄(東京か福岡か)
契約解除の予告期間(30日/60日の別)
契約書レビュー全般は「業務委託契約書の確認ポイント」、秘密保持契約は「秘密保持契約(NDA)とは」に整理しています。
まとめ
福岡フリーランスエンジニア案件は、公開案件観測ベースで平均月72万円・中央値65万円、リモート可約49%という規模感の市場です。地方一般とは異なり、東京本社のフルリモート案件と地場スタートアップ/SIerの常駐案件の2系統に分かれる点が特徴で、狙う稼働形態で単価レンジが変わります。
次のアクションとしては、まず主要フリーランスエージェント2〜3社に登録し、「勤務地=福岡」と「フルリモート可」の両条件で案件母数を掴むところから始めてください。特に、福岡地場案件と東京発フルリモート案件を分けて母数と単価を比較することが、福岡での案件選びでは重要です。並行して自分の市場単価の目安は、フリーランスエンジニア単価診断で確認できます。
参照した一次情報を以下にまとめます。
よくある質問
福岡在住のフリーランスエンジニアは何人くらいいますか?
正確な統計は確認しにくいため人数の断定は避けるべきですが、公開案件が1,700件超観測される規模と企業集積から、地方都市の中では案件機会が多いエリアと考えられます。
福岡でフリーランスに切り替えるベストタイミングはいつですか?
案件確保→切り替えの順が原則です。会社員のうちにエージェント複数社に登録し、1本目の案件が内定してから退職手続きに入るのが安全です。SESからの転身手順は「SESエンジニアからフリーランスに転身する手順」に整理しています。
福岡の常駐案件で天神・博多以外のエリアはありますか?
一部の製造業案件は北九州エリア(小倉・八幡)、金融系は博多・天神周辺に集中する傾向です。案件検索時に勤務地の詳細を確認すると、通勤時間で選別できます。
福岡在住でも直案件は取れますか?
Fukuoka Growth Nextや技術勉強会経由のリファラル、SNS経由の相談から始まるケースが観測されます。ただし直案件は営業・契約・請求まで自前で回す必要があり、初年度はエージェント案件との併用が実務的です。
家族帯同で東京から福岡へ移住する場合、注意点は?
配偶者の就労環境・子どもの保育園入園時期・住宅取得の3点で計画期間が変わります。案件は最短1か月で確保できますが、家族帯同の移住は3〜6か月の準備が現実的です。移住後の住民税・国民健康保険の手続きは、転入届と同時期に進めます。
福岡地場スタートアップは英語力が求められますか?
一部の海外展開スタートアップ(ヌーラボ等)ではドキュメント英語やSlack英語のやり取りが発生しますが、多くの地場スタートアップは日本語主体で運用されています。募集要項の「英語力」欄の記載を基準に判断してください。
福岡でAWS案件はどれくらい供給されていますか?
インディバース調査で需要スキル上位に入っており、地場SIerのオンプレ→AWS移行案件と、東京発フルリモート案件のクラウド設計案件の両方で供給があります。AWS認定資格の位置づけは「AWS認定資格おすすめ一覧」を参照してください。
福岡在住で確定申告や住民税の扱いは首都圏と違いますか?
税制の基本枠組みは全国共通ですが、住民税や国民健康保険料の扱いは自治体や所得状況で差が出るため、詳細は自治体窓口や税理士に確認してください。フリーランス初年度の確定申告の全体像は「フリーランスエンジニアの確定申告ガイド」を参照してください。
エージェントに登録するとき、福岡在住であることは不利になりますか?
フルリモート案件が主流化した現在では、福岡在住が不利になるケースは少なくなっています。ただし週1〜2回の東京出社を必須とする案件は、福岡在住だと候補から外れやすくなります。応募前に出社頻度を確認する運用が必要です。
副業から福岡フリーランスに切り替えたい場合、単価はどれくらいから狙えますか?
副業で実績を積みながら平日夜・週末で週10〜15時間稼働なら月15〜25万円程度、フル稼働に切り替えた初年度は月55〜75万円程度が公開案件の観測レンジです。副業案件の探し方は「副業エンジニアの案件の探し方」に整理しています。


