Javaフレームワーク「Struts」とは?歴史から脆弱性、年収・将来性までを徹底解説
最終更新日:2026/07/14
Strutsとは、Javaでの Web アプリ開発を「MVCモデル」で標準化したフレームワークです。2000年代の日本のシステム開発を席巻し、現在も金融・官公庁の基幹システムで稼働しています。新規開発の主役はSpring Bootに移りましたが、保守と移行の需要は残っています。本記事は、Strutsの歴史・脆弱性・年収・将来性を、保守や移行の現場に立つフリーランスエンジニアの視点で解説します。
先に結論
Strutsは新規開発で選ばれる場面は少ない一方、保守とマイグレーション(移行)の需要は当面残ると見られる
年収は保守運用で400〜600万円前後、移行を担える人材で800〜1200万円以上に分かれる傾向(公開案件・フリーランス市場での観測目安)
フリーランスの高単価案件は「Struts(過去)× Spring Boot(現在)の橋渡し」ができる人材に寄りやすい
Struts 2の脆弱性(特にOGNL起因)は過去に重大事例があり、稼働システムはパッチ適用とWAF運用が前提(対応可否はApache公式・IPA/JVNで確認)
若手はSpring Bootを主軸に、経験者はStrutsの知識を「掛け合わせ」で価値化する戦略が現実的
この記事でわかること
Strutsが日本で爆発的に普及した歴史的背景とMVCの功績
Struts 1と2の違い、サポート終了(EOL)が招いた混乱
Strutsが「脆弱性の常連」と呼ばれる技術的な理由
Strutsエンジニアの年収レンジと、フリーランスでの生存戦略
移行(マイグレーション)の現実と、若手・ベテラン別のキャリア戦略
目次
Strutsが築いた一時代と「MVC」の功績
Struts 1とStruts 2、似て非なる二つの巨塔
Strutsの決して無視できない「脆弱性」という闇
Strutsエンジニアの市場価値と年収
Strutsからの脱却、移行(マイグレーション)の現実
Strutsの将来性とエンジニアとしての生存戦略
まとめ
よくある質問
Strutsが築いた一時代と「MVC」の功績
Strutsの功績を一言でいえば、無秩序だったJava Web開発に「MVCモデル」という役割分担のルールを持ち込み、大規模開発を標準化したことです。まずはその歴史的背景から見ていきます。
黎明期の混沌:スパゲッティコードの海
2000年初頭のWebアプリケーション開発は、まさに「混沌」の中にありました。
JavaによるWeb開発技術である「JSP(JavaServer Pages)」や「Servlet」は存在していましたが、それらをどう組み合わせるかという明確なルールやベストプラクティスが確立されていませんでした。
画面を表示するHTMLの中に、データベースに接続するJavaのコードが直接書き込まれ、さらに画面遷移のロジックまでが混在する。
それはまるで、前菜とメインディッシュとデザートが一つのお皿にごちゃ混ぜに盛られた料理のようでした。
一箇所修正を行うだけで、全く関係のない別の機能が壊れる。いわゆる「密結合」の状態です。
そんな「スパゲッティコード」の海で、当時のエンジニアたちは終わりのないデバッグ作業に疲弊していたのです。
救世主「Apache Struts」の登場
そんな暗黒時代に、一筋の光として現れたのが「Apache Struts」でした。
Apacheソフトウェア財団が開発したこのフレームワークは、無法地帯だった開発現場に「秩序」をもたらしました。その秩序の正体こそが、「MVCモデル」の強制です。
MVCとは、アプリケーションを以下の3つの役割に明確に分ける考え方です。
Model(モデル):データの処理やビジネスロジックを担当する「料理人」
View(ビュー):ユーザーへの画面表示を担当する「ウェイター(配膳)」
Controller(コントローラー):注文を受け、料理人へ指示を出し、料理をウェイターへ渡す「司令塔」
Strutsは、この役割分担を厳格にルール化しました。「画面表示のファイルには計算式を書かない」「データベースへの接続は専用のクラスで行う」。この規律が導入されたことで、開発チームは劇的に効率化されました。
デザイナーはViewに専念し、プログラマーはModelに集中できるようになったのです。
Strutsはなぜ日本で爆発的に普及したのか
Strutsは世界中で使われましたが、特に日本のIT業界、いわゆるSIer(システムインテグレーター)の世界で熱狂的に受け入れられました。その背景には、日本の雇用形態や開発体制の特徴があります。
日本企業の大規模システム開発では、数十人、時には数百人のエンジニアが動員されます。協力会社も多岐にわたり、スキルレベルもバラバラな彼らを統率するには、「誰が書いても同じようなコードになる」という標準化が不可欠でした。
Strutsが提供する厳格な枠組みは、日本の「製造業的なソフトウェア開発」の文化と驚くほど相性が良かったのです。
「とりあえずStrutsを使っておけば間違いない」。それが当時の合言葉となり、あらゆる企業のシステムがStrutsで構築されていきました。
これが、2026年の現在に至るまで、日本中にStrutsのシステムが数多く残存している最大の理由です。こうした基幹系の保守は、汎用系エンジニアが扱う領域とも近い性質を持ちます。
Struts 1とStruts 2、似て非なる二つの巨塔
Struts 1と2は名前こそ同じですが、中身は別物です。まず両者の違いを整理します。
項目 | Struts 1 | Struts 2 |
|---|---|---|
登場時期 | 2000年代前半 | 2007年前後 |
内部構造 | 独自実装 | 旧「WebWork」がベース |
アクション設計 | 特定クラスの継承が前提 | POJO(自由なJavaオブジェクト) |
テスト容易性 | 低い(サーバー必須になりがち) | 相対的に改善 |
公式サポート | 2013年にEOL(終了) | 継続(ただし脆弱性対応が主) |
互換性 | ― | Struts 1とはほぼ互換性なし |
Struts 1の栄光と限界
最初に登場し、長らくデファクトスタンダード(事実上の標準)として君臨したのが「Struts 1」です。しかし、長く使われるにつれて、限界も見えてきました。
その最大の問題は、「テストのしにくさ」と「設定地獄」でした。
Struts 1は、Webサーバー(サーブレットコンテナ)がないと動作確認が難しい構造をしていました。これは単体テストの自動化を阻む大きな壁でした。現代であればJUnitによる自動テストが当たり前ですが、当時のStruts 1はその文化と噛み合わなかったのです。
また、画面遷移や処理のルールを記述する「struts-config.xml」という設定ファイルが、システムが大きくなるにつれて巨大化・複雑化していきました。
数千行にも及ぶXMLファイルは、たった一文字のタイプミスでシステム全体を停止させる「爆弾」のような存在となり、エンジニアを苦しめました。
「Struts 2」の誕生
「Struts 1の弱点を克服し、もっとモダンで柔軟なフレームワークを作ろう」。そうして登場したのが「Struts 2」です。
しかし、ここで重要なのは、Struts 2はStruts 1の単純なバージョンアップ版ではないということです。
実は、Struts 2の中身は、当時Strutsのライバルであった「WebWork」という別のフレームワークがベースになっています。老舗企業が新興企業を買収・合併し、ブランド名は老舗のまま、中身を新興企業の技術に入れ替えたようなものです。
Struts 2は、特定のルールに縛られないPOJO(Plain Old Java Object)という仕組みを採用し、より自由に開発できるようになりました。しかし、中身が別物である以上、Struts 1で作られたシステムをStruts 2に移行するのは容易ではありませんでした。互換性がほとんどなかったのです。
Struts1「サポート終了」が招いた混乱
2013年、Struts 1の公式サポートが終了(EOL)しました。これは業界に激震を走らせました。
「サポートが切れたフレームワークを使い続けていいのか?」という議論が巻き起こりました。
しかし多くの企業は「動いているシステムを作り直す予算はない」として、塩漬け(そのまま使い続けること)を選択しました。
こうして、世の中には「サポート切れのStruts 1」と「新しく作られたStruts 2」が混在することになり、後のセキュリティ問題へと繋がっていくのです。
Strutsの決して無視できない「脆弱性」という闇
Strutsを稼働させ続ける場合の要点を先にまとめると、「脆弱性は過去に複数の重大事例があり、パッチ適用とWAF運用、そして公式情報の継続監視が前提になる」ということです。
なぜStrutsは狙われるのか
Strutsを語る上で避けて通れないのが、「脆弱性(ぜいじゃくせい)」の問題です。なぜStrutsばかりがニュースになるのでしょうか。理由は大きく2つあります。
その一つが「有名税」です。多くの企業が使っているため、攻撃者にとって「一つの攻撃方法を見つければ、世界中のサイトを攻撃できる」という、非常に投資対効果の高いターゲットだったのです。
もう一つは、Struts 2が持つ「便利すぎる機能」の副作用です。Struts 2には、OGNL(Object-Graph Navigation Language)という、外部からプログラム内部の値を自在に操作できる強力な機能がありました。
これは開発者にとっては魔法の杖でしたが、家の鍵をかけたまま窓を開け放つようなものでもあり、悪意あるハッカーにとっては格好の侵入経路となりました。こうしたリスク管理を専門に扱うのがセキュリティエンジニアであり、Struts保守の現場ではその視点が欠かせません。
エンジニアを震え上がらせる「金曜日の夜」
特に2017年頃に発覚したApache Struts 2の深刻な脆弱性は、世界中のITエンジニアを恐怖のどん底に突き落としました。
この脆弱性は、特別なツールを使わずとも、ブラウザから特定の文字列を送るだけでサーバーを乗っ取ることができるという、極めて危険度の高いものでした。
多くの場合、こうした脆弱性情報は週末や連休前に公開される傾向があります(攻撃者が対応の遅れを狙うためとも言われます)。
金曜日の夜、帰宅しようとしていたエンジニアのスマートフォンが鳴り響く。「緊急対応だ。Strutsを使っている全システムを調査し、パッチを当てろ」。
徹夜での影響調査、停止できないシステムへの対応、WAF(Web Application Firewall)の設定調整。Strutsの脆弱性は、現場のエンジニアにとって、決して色あせないトラウマのような記憶として刻まれています。
ビジネスへの甚大なインパクト
これら脆弱性による問題は、技術的な話だけではありません。
実際に、大手クレジット会社や公的機関のサイトから、Strutsの脆弱性を突かれて数万、数十万件単位の個人情報が流出する事件が多発しました。
個人情報の流出により企業は巨額の賠償金支払い、株価の暴落、そして何より「社会的信用の失墜」という代償を払うことになりました。
Strutsの問題は、もはやIT部門だけの話ではなく、経営課題そのものとなったのです。既知の脆弱性や対策の最新情報は、Apache Struts公式のセキュリティ情報やIPA(情報処理推進機構)、JVN(脆弱性対策情報ポータル)で確認するのが確実です。
Strutsエンジニアの市場価値と年収
結論として、Strutsは「新規開発では出番が少ないが、保守・移行では今も求められる」技術です。以下の年収レンジは公的統計ではなく、フリーランスエージェントの公開案件や求人情報から観測される目安であり、スキル・契約形態・案件規模によって幅がある点を前提に読んでください。
「時代遅れ」の技術に価値はあるか
「今からStrutsを学ぶ価値はありますか?」この問いに対する答えは、イエスでもあり、ノーでもあります。
新規開発でStrutsが選ばれる場面は、現状ほとんど見られません。最先端のスタートアップで、AIやマイクロサービスを用いたモダンな開発をしたいなら、Strutsの知識が直接活きる場面は限られるでしょう。
一方で、「既存システムの保守」と「マイグレーション(移行)」において、Strutsエンジニアは喉から手が出るほど求められています。システムが存在する限り、それを理解できる人間が必要だからです。
二極化する年収構造
Strutsに関わるエンジニアの収入は、大きく二極化しています。以下は公開案件や求人情報から観測される目安であり、スキル・契約形態によって幅があります。なお「年収」は正社員・常駐を想定した年額、「月単価」はフリーランスが受け取る1か月あたりの金額で、雇用形態が異なる点に注意してください(月単価100万円は年換算1000万円超に相当しますが、経費・税・稼働率を考慮する必要があります)。
役割 | 収入の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
保守・運用担当(正社員想定) | 年収400万〜600万円前後 | 定型的で安定。大きな収入アップは見込みにくい |
マイグレーション・スペシャリスト(正社員想定) | 年収800万〜1200万円以上 | 新旧両方の知識が必要。希少 |
フリーランス(移行案件) | 月単価100万円前後〜 | 長期契約になりやすく競合が減少傾向 |
保守・運用担当は、既存のStrutsシステムのお守りをする役割です。システムが安定稼働している限り仕事は落ち着いていますが、いわゆる「レガシーシステムの管理人」としての立ち位置になります。
一方、今もっとも熱いのがマイグレーション・スペシャリストです。「Strutsで作られたシステムを解析し、Spring Bootなどのモダンな環境へ安全に移行させる」ミッションを担います。
これにはStruts(過去)とSpring Boot(現在)の両方の知識に加え、仕様書が残っていない古いコードを読み解くスキルも求められます。この「新旧の橋渡し」ができるエンジニアは希少で、フリーランス市場では月単価100万円前後、あるいはそれ以上の案件も観測されます(スキル・稼働・案件規模により変動)。
自分がどのくらいの単価を狙えるか気になる方は、無料のフリーランスエンジニア単価診断で現在の市場単価の目安を確認できます。Javaの単価を体系的に上げる考え方は「Javaフリーランスの単価相場|高単価案件の条件と獲得ロードマップ」でも整理しています。
フリーランス市場での生存戦略
フリーランスエンジニアとして安定を求めるなら、Struts案件は意外な「穴場」です。
流行の技術は競争が激しく単価の乱高下も起きやすい一方、Strutsの保守改修案件は長期契約になりやすく、対応できるエンジニアも減少傾向にあるためです。
「対応できる人が限られる仕事」には、相応の報酬が付きやすい傾向があります。ただし案件数そのものは減っていくため、保守だけに依存せず移行スキルへ広げておくと安定しやすくなります。
Strutsからの脱却、移行(マイグレーション)の現実
結論を先に言えば、移行は「技術的には可能でも、経営判断とコストの壁で進みにくい」のが実情です。だからこそ、移行を安全に進められる人材の価値が高まります。
なぜ移行は進まないのか
脆弱性のリスクがあり、技術者も減っている。それなら、さっさと新しい技術に移行すればいい。経営者はそう考えますが、現場の現実はそう簡単ではありません。
最大の壁は、「動いているものには触るな」という心理です。特に金融やインフラ系では、1秒の停止も許されないケースが多く、リスクを冒してまで移行することに消極的になります。
また、「ロストテクノロジー化」も深刻です。10年以上前に作られたシステムは、当時の担当者が既に退職しており、設計書も更新されていないことが多々あります。
「このコードが何を意味しているのか誰も分からないが、消すとシステムが止まる」という恐怖。この状態で大規模な移行を行うことは、地雷原を地図なしで歩くようなものです。
移行先としての「Spring Boot」
現在、Strutsからの移行先として最も有力なのが「Spring Boot」です。Javaのフレームワークとして圧倒的なシェアを誇り、Strutsが抱えていた設定ファイルの煩雑さやテストのしにくさを解消しています。
主な移行先候補を整理すると次のとおりです。
移行先 | 位置づけ | 特徴 |
|---|---|---|
Spring Boot | 本命 | シェア最大。設定簡素化・テスト容易。移行事例が豊富 |
Quarkus | 新興 | クラウドネイティブ志向。起動が速く軽量 |
(現状維持+WAF) | 消極策 | 移行コストを回避。ただし根本解決にならない |
SpringとSpring Bootの違いは「JavaフレームワークのSpringとSpring Bootの違いとは?」で、クラウドネイティブな選択肢は「Quarkusとは|クラウドネイティブJavaの特徴・Spring Bootとの違い」で詳しく解説しています。
ただし、StrutsとSpringでは根本的な思想が異なります。Strutsが「継承」をベースにした堅牢な作りであるのに対し、Springは「DI(依存性の注入)」や「AOP(アスペクト指向)」といった概念を駆使します。
Struts脳のままSpringへ移行しようとすると、設計思想の違いに苦しむことになります。単なるプログラムの書き換えではなく、アーキテクチャの再設計が必要になるのです。
「2025年の崖」とStruts
経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」。これは、古いシステム(レガシーシステム)が足かせとなり、日本企業の競争力が低下するリスクを指しています。Strutsで動く基幹システムは、まさにこの「崖」の象徴です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるためには、データを柔軟に活用できるモダンな基盤が必要です。しかし、Strutsで作られた古いシステムは他システムとの連携が難しく、データの利活用を阻んでいます。
Strutsからの脱却は、単なるシステムの更新ではなく、企業の生き残りをかけた経営戦略の一部なのです。
Strutsの将来性とエンジニアとしての生存戦略
Strutsに「未来」はあるか
冷徹な事実として、フレームワークとしてのStrutsに技術的な進化の未来はありません。今後、革新的な機能が追加されることはなく、基本的にはセキュリティパッチの提供など、延命措置が続くだけでしょう。
しかし、「仕事」としての需要は、当面残ると考えられます。銀行、保険、物流、公共インフラ。これらの巨大システムを完全に刷新するには、莫大なコストと時間がかかるためです。
「あと数年は今のままで」「とりあえず塩漬けで」という判断が続く限り、Strutsを扱えるエンジニアの需要は残りやすいでしょう。
初心者・若手エンジニアへのアドバイス
あえて今からStrutsをメインスキルとして学習する必要はありません。市場の主流であるSpring Bootや、クラウド技術(AWS/Azure/GCP)を優先的に学ぶべきです。
Javaそのもののキャリアや資格でスキルを証明したい場合は「Java資格の難易度・勉強法・年収影響|Silver/Gold徹底解説」も参考になります。
ただし、「MVCモデルの基礎」や「Webアプリの歴史」としてStrutsの概要を知っておくことは無駄ではありません。
なぜ今のフレームワークが便利なのか、その背景にある「不便だった歴史」を理解することで、技術への理解度が深まるからです。
中堅・ベテランエンジニアへのアドバイス
もしあなたがStrutsの経験を持っているなら、それを「恥ずべき古い知識」として隠す必要はありません。むしろ、その知識は貴重な資産です。
Strutsの知識に「プラスアルファ」を掛け合わせてください。「Struts × AWS移行」「Struts × セキュリティ」「Struts × Spring Bootへのリファクタリング」。この掛け合わせが、市場価値を高めやすくします。
最新技術だけを知る若手には対応しにくい、レガシー技術を理解しているからこそ担える「リプレイス案件」において、経験者は強みを発揮しやすい立場にあります。自分の経験がどの程度の単価につながるかは、フリーランスエンジニア単価診断で目安を把握しておくとよいでしょう。
まとめ
Strutsは日本のJava Web開発を標準化し、MVCの考え方を根付かせた歴史的フレームワーク
Struts 1と2は名前は同じでも中身は別物で、1は2013年にサポート終了済み
OGNL起因の脆弱性は過去に重大事例があり、稼働システムはパッチ適用とWAF運用が前提
年収は保守運用(目安400〜600万円)と移行を担える人材(目安800〜1200万円以上)に分かれる傾向
移行先はSpring Bootが有力、クラウドネイティブならQuarkusも候補
若手はSpring Bootを主軸にStrutsは概要理解に留めるのが現実的
経験者は移行・再設計・セキュリティ対応まで広げると案件価値を出しやすい
Strutsは、Java Web開発の歴史そのものです。多くの開発者を救い、日本のIT産業の発展を支える一方で、多くの脆弱性を生み、運用現場を疲弊させた側面も持っています。
しかし、技術に善悪はありません。あるのは、その技術が生まれた背景と、解決しようとした課題だけです。Strutsが導入したMVCの概念や、大規模開発を標準化しようとした思想は、形を変えて現代のフレームワークにも息づいています。
「Strutsはオワコンだ」と切り捨てるのは簡単です。しかし、今まさに動いている社会インフラを支えているのは、こうした枯れた技術たちです。
エンジニアに必要なのは、過去の技術を軽視することではなく、その構造と歴史を深く理解し、敬意を払いながら、より安全でモダンな世界へと橋渡しをしていくこと。その「橋渡し役」こそが、これからの時代に最も求められる、真のプロフェッショナルといえるのではないでしょうか。
よくある質問
これからプログラミングを学ぶ初心者は、Strutsを学習すべきですか?
メインスキルとして学ぶ必要はありません。まずは「Spring Boot」を優先してください。2026年現在、新規開発の現場でStrutsが採用されることはほぼなく、就職・転職市場の需要も圧倒的にモダンなフレームワークが高いです。ただし、IT業界の歴史やMVCモデルの基礎を知る「教養」として仕組みを理解しておくのは有意義です。まず主流技術を習得し、余裕があれば過去の技術として触れる順序がよいでしょう。
なぜStrutsはこれほど脆弱性が問題視されるのですか?
「利用者が多く攻撃コスパが良い」ことと「便利な機能が仇になった」ためです。Strutsは一時期、日本のWebシステムの覇権を握っていたため、一つの攻撃手法で世界中の多くのサイトを狙える効率の良いターゲットでした。加えてStruts 2のOGNLは、外部から内部データを操作できる強力さゆえに、セキュリティホールになりやすい側面を持っていました。
Strutsの脆弱性対策として、WAF(ファイアウォール)を入れれば安全ですか?
一時的な「止血」にはなりますが、根本治療にはなりません。WAFは既知の攻撃パターンを遮断しますが、未知の攻撃や設定の隙間を突かれるリスクは残ります。稼働を続けるなら、脆弱性情報の継続的な監視とパッチ適用を前提とし、中長期ではSpring Boot等への移行を計画することが安全です。実際の対応可否は、Apache公式のセキュリティ情報やIPA/JVNの注意喚起を確認してください。
今後、Strutsエンジニアの年収や需要はどうなりますか?
公開求人やフリーランス案件を見る限り、保守より移行・再設計を担える人材のほうが高単価になりやすい傾向があります。目安として、保守・運用は年収400〜600万円前後、移行を担える人材は800〜1200万円以上に分かれます(スキル・契約形態により変動)。フレームワーク自体の進化は止まっていますが、基幹システムの塩漬け判断が続くため、仕事としての需要は当面残ると見られます。
Struts 1とStruts 2は互換性がありますか?
ほぼありません。Struts 2は内部が別フレームワーク(WebWork)ベースで再設計されており、Struts 1のコードをそのまま動かすことはできません。1から2への移行は書き換えに近い作業になるため、現場では「移行するなら思い切ってSpring Bootへ」という判断も多く見られます。
未経験からStrutsの保守案件に入ることはできますか?
現実的にはハードルが高めです。保守案件は既存コードの読解力とJavaやWeb開発の基礎が前提になるため、まずはJavaの実務経験を積むのが近道です。Javaの魅力とキャリアパスは「Javaとは?なぜ今も選ばれる?」で解説しています。基礎を固めたうえで、レガシー保守を経験できる現場を選ぶとよいでしょう。
Strutsの経験はフリーランスとして武器になりますか?
なります。競合が減り続ける一方で、稼働システムの保守・移行需要は残るため、経験者の希少価値は上がっています。特に「Struts × Spring Bootへの移行」「Struts × セキュリティ」のように、モダン技術と掛け合わせられると高単価案件を狙いやすくなります。自分の市場単価はフリーランスエンジニア単価診断で確認できます。
Strutsの移行先はSpring Boot一択ですか?
Spring Bootが本命ですが、唯一の選択肢ではありません。クラウドネイティブ志向ならQuarkusのような軽量フレームワークも候補になります。システムの規模・運用体制・チームの習熟度によって最適解は変わるため、移行はアーキテクチャの再設計として検討することが重要です。
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