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フリーランスエンジニアの平均年収はいくら?単価×12にならない理由と会社員との差【2026年版】

その他

最終更新日:2026/08/17

フリーランスエンジニアの平均年収はいくら?単価×12にならない理由と会社員との差【2026年版】

フリーランスエンジニアの平均年収は、公的統計と業界調査を突き合わせると年間400万〜600万円台が中心で、月額単価を12倍した金額とは一致しません。独立済み・検討中どちらのエンジニアにも向けて、単価は高いのに手元に残る額が伸びない理由を稼働率・経費・商流から分解し、自分の相場を判断する材料を示します。

先に結論

  • フリーランスエンジニアに限定した平均年収の統計は公表されていません。 以下は、単価調査とフリーランス全体の年収調査を組み合わせて水準を推し量ったものです

  • ITフリーランスの月間平均売上単価は85.3万円(2025年実績)。単純に12倍すると約1,024万円になりますが、これは「満稼働の売上」であって年収ではありません

  • フリーランス全体(全職種)の平均年収は528.1万円、年収帯で最も多いのは200万〜400万円未満です

  • 会社員側は情報通信業の平均給与が659.5万円。額面だけを見れば会社員が下という構図では必ずしもありません

  • 単価と年収がずれる主因は、稼働率・契約の空白期間・経費・社会保険と税・商流の深さの5つです

  • 平均を押し上げているのは高単価層なので、平均値より「自分の職種・スキル・商流でいくらか」を見るほうが実用的です

この記事でわかること

  • フリーランスエンジニアの平均年収と年収分布の実像

  • 月額単価と年収がずれる具体的な理由

  • 職種・スキルごとの案件需要の傾向

  • 会社員エンジニアとの年収差の読み方

  • 平均以上の水準に近づくために効く実務

目次

  • フリーランスエンジニアの平均年収はいくらか

  • 単価と年収の差を生む5つの要因

  • 職種・スキル別に見た案件需要の傾向

  • 会社員エンジニアとの年収差

  • 経験年数と年収の関係

  • 平均以上の年収に近づくための実務

  • まとめ

  • よくある質問

フリーランスエンジニアの平均年収はいくらか

結論から言えば、フリーランスエンジニアの平均年収を直接示した公的統計は存在しません。 参照できるのは、ITフリーランスの「単価(売上)」を調べた業界調査と、職種を限定しない「フリーランス全体の年収」調査の2つで、この2つは性質が違うため分けて見る必要があります。

数字を読む前に、混同しやすい4つの言葉を整理しておきます。

用語

意味

売上

案件で受け取る報酬の総額。経費も税も引かれる前の金額

事業所得

売上から必要経費を差し引いた金額。確定申告で使う

年収

一般には売上や事業所得を指すが、調査によって定義が異なる

手取り

税と社会保険料を支払った後に自由に使える金額

「月額単価85万円」は売上の話であり、手取りとは3つ分の差があります。 この違いを踏まえて以下の数字を見てください。

月額単価から見た「売上」の水準

ITフリーランスの単価水準は、業界調査で継続的に把握されています。

指標

数値

対象

月間平均売上単価

85.3万円

ITフリーランス(2025年実績)

前年の月間平均売上単価

81万円

ITフリーランス(2024年実績)

ITフリーランス人口

約37.0万人

前年比4.6%増

出典はITフリーランス及びフリーランスエージェント市場白書2026(INSTANTROOM)で、単価の数値は同白書の公表リリースに記載されています。なお、この85.3万円は「月間平均売上単価」であり、集計対象となったフリーランスの職種構成や稼働条件までは公表されていません。

ここで注意したいのは、85.3万円が「売上単価」であることです。年収でも手取りでもありません。仮に12か月フル稼働して単価が変わらなければ売上は約1,024万円になりますが、この前提が成り立つ人は多数派ではありません。

フリーランス全体の年収分布

一方、年収そのものを調べた調査では、水準はかなり異なります。

調査

平均年収

母集団

マイナビ「フリーランスの意識・就業実態調査2025」

528.1万円

独立系フリーランス・全職種

フリーランス白書2026(フリーランス協会)

400万円以上が49.5%

副業を除く独立系1,426名・全職種

なお、この2つの調査は調査主体も回答者の集め方も異なるため、平均値と分布を単純に足し合わせて解釈することはできません。傾向を読むための材料として並べています。

フリーランス白書2026の年収帯を細かく見ると、最も回答が多いのは200万〜400万円未満で27.7%、次いで400万〜600万円未満が19.9%という分布です。詳細はフリーランス白書2026(フリーランス協会)フリーランスの意識・就業実態調査2025(マイナビ)で確認できます。

ただし、いずれもエンジニアに限定した数値ではありません。ライター、デザイナー、コンサルタントなど単価構造の異なる職種が含まれています。ITフリーランスの単価水準が全職種平均より高いことを踏まえると、エンジニアだけを取り出した場合はこれより高くなる可能性がありますが、その裏付けとなる調査は公表されていません。 「フリーランスの平均年収528万円」をそのままエンジニアの期待値として読むことも、逆に「エンジニアなら必ず上回る」と読むことも、現時点では根拠が不足しています。

なぜ「単価×12」と実際の年収がずれるのか

単価調査と年収調査の差は、単に対象が違うだけではなく、構造的な理由があります。

月額85万円の案件に参画していても、年間を通じて同じ条件で稼働し続けられるとは限りません。契約の切れ目、稼働日数の増減、案件によっては週3〜4日の稼働など、売上が満額にならない要因が積み重なります。さらに、フリーランスの「年収」は経費を差し引いた事業所得を指す場面が多く、売上の総額とは別物です。

自分がどのくらいの単価を狙えるか気になる方は、無料のフリーランスエンジニア単価診断で現在の市場単価の目安を確認できます。

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単価と年収の差を生む5つの要因

1. 稼働率と契約の空白期間

最も影響が大きいのが稼働率です。単価が同じでも、年間の稼働月数が11か月と12か月では売上が1か月分変わります。契約終了から次の参画までに1か月空くケースは珍しくなく、これが年収の実感値を押し下げます。

空白期間を作らない動き方は、契約終了の1か月前から動き始めるかどうかで結果が変わりやすい部分です。稼働の途切れを防ぐ実務は関連記事で個別に整理しています。

2. 経費と社会保険・税

会社員時代は会社が負担していた社会保険料が、独立後は全額自己負担になります。国民健康保険料と国民年金保険料、所得税・住民税、消費税(課税事業者の場合)、事業に必要な機材費や通信費などが売上から引かれます。

額面の売上と手取りの差は、会社員時代の感覚より大きくなるのが一般的です。 具体的な計算方法と年収別の目安はフリーランスエンジニアの手取りはどれくらい?計算方法と年収別目安で詳しく解説しています。

3. 商流の深さ

同じ業務内容でも、発注元から自分までに何社挟まっているかで単価は変わります。多重下請け構造では中間マージンが積み重なるため、エンドクライアントの支払額と手元に届く単価に差が生まれます。

商流を1段でも浅くできれば、スキルが変わらなくても単価が動く余地があります。これは経験年数を積むより短期間で効くことがある要素です。

4. 職種・スキルによる単価差

同じ「エンジニア」でも、担当領域によって相場帯は異なります。設計上流やアーキテクチャに関わる領域、クラウド基盤やセキュリティ領域は、実務経験を求める募集が中心になるぶん、相場が高めに設定されるケースが見られます。

体系的な単価の考え方はフリーランスエンジニアの単価相場と単価の上げ方で整理しています。

5. 単価交渉をしているか

継続案件では、契約更新のタイミングが単価を見直す機会になります。担当範囲が広がっているのに単価が据え置きのまま数年経過しているケースもあり、この差が年収に積み上がります。交渉の進め方はフリーランスエンジニアの単価交渉のコツにまとめています。

職種・スキル別に見た案件需要の傾向

単価の絶対額は案件ごとに幅がありますが、「どの職種・スキルに案件が多いか」は需要の目安として参考になります。

以下はフリコンに掲載されている案件のみを集計した数値であり、IT業界全体の案件数ではありません(2026年8月13日時点)。他社エージェントの取り扱いや非公開案件は含まれないため、市場全体の縮図ではなく傾向を読むための材料として見てください。

職種

掲載案件数

サーバーサイドエンジニア

20,956件

インフラエンジニア

8,977件

PMO

4,357件

フロントエンドエンジニア

3,492件

プロジェクトマネージャー(PM)

2,985件

データベースエンジニア

2,789件

ITコンサルタント

2,376件

スキル別では、次のような分布になっています。

スキル

掲載案件数

Java

10,938件

SQL

8,914件

AWS

6,737件

Linux

4,960件

JavaScript

3,843件

PHP

3,808件

Python

3,406件

案件数が多い領域は、参画機会が見つけやすく空白期間を作りにくいという意味で年収の安定に寄与します。ただし案件数が多いことと単価が高いことは別の話で、供給も多い領域では単価競争が起きやすい点は押さえておきたいところです。

職種ごとの仕事内容や年収の考え方は、バックエンドエンジニアとは?クラウドエンジニアとは?ネットワークエンジニアとは?データサイエンティストとは?で個別に解説しています。AI領域についてはAIエンジニアの年収は?単価相場からフリーランスの報酬まで解説を参照してください。

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会社員エンジニアとの年収差

比較の基準になるのが、国税庁の民間給与実態統計調査です。令和6年分(2025年9月公表)では次の水準でした。

区分

平均給与

1年を通じて勤務した給与所得者の平均

478万円

うち正社員

545万円

情報通信業

659万5千円

情報通信業の平均給与は659万5千円で、全体平均の478万円を大きく上回っています。平均賞与は122万6千円です。出典は民間給与実態統計調査(国税庁)です。

ここも母集団に注意が必要です。情報通信業にはエンジニア以外の職種(営業、企画、管理部門など)も含まれており、「エンジニアの平均給与」ではありません。 通信キャリアやメディア系企業も同じ業種に分類されるため、システム開発に携わる人だけを取り出した数値とは一致しない点を踏まえて読む必要があります。

つまり、会社員エンジニアの給与水準は決して低くありません。 フリーランスに転向すれば自動的に年収が上がるわけではなく、単価と稼働を確保できて初めて差がつきます。

加えて、額面の比較には注意が必要です。会社員の659万5千円には社会保険の会社負担分や賞与、有給休暇が含まれます。フリーランスの売上には、これらに相当するコストと、稼働できない期間のリスクが自分側に乗ります。同じ額面なら実質的な条件は会社員のほうが有利になる場面もあるため、比較するなら手取りベースで揃えるのが実務的です。

年収1,000万円という水準を具体的に狙う場合の考え方はフリーランスエンジニアで年収1千万円を稼ぐ方法と手取りの目安で解説しています。

経験年数と年収の関係

案件募集の要件では、実務経験3年以上を目安とするものが多く見られます。この水準に届くかどうかで、応募できる案件の母数が変わります。

  • 実務1〜2年:応募できる案件が限られ、単価も抑えめになりやすい

  • 実務3〜5年:選択肢が広がり、単価のレンジも上がりやすい

  • 実務5年以上:上流工程やリード業務が視野に入り、単価の上限が伸びやすい

ただし、経験年数が長いだけで単価が上がるわけではありません。同じ年数でも、担当した工程の幅と商流の位置で単価は変わります。 要件定義や設計から入っている人と、実装のみを担当してきた人では、提示される単価に差が出やすいのが実情です。

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平均以上の年収に近づくための実務

平均値は高単価層に引き上げられるため、そのまま目標にしても行動には結びつきません。実務として効きやすいのは次の4点です。

  1. 稼働の空白を作らない:契約終了の1か月前から次を動かし、年間の稼働月数を確保する

  2. 商流を浅くする:同じスキルでも発注元に近いほど単価が上がりやすい

  3. 更新時に単価を見直す:担当範囲が広がっているなら、その根拠を添えて交渉する

  4. 案件が継続的に出ている領域に寄せる:クラウド基盤やセキュリティなど、募集が途切れにくい領域を選ぶ

案件を単価だけで選ぶと、稼働条件やスキルの伸びで損をすることがあります。単価・稼働・スキルをどう天秤にかけるかは案件の選び方|フリーランスエンジニアが単価・稼働・スキルで決める優先順位で判断軸を整理しているので、案件を比較する段階で参照してください。

現在の自分の市場単価がわからないまま目標だけ立てても精度が上がりません。フリーランスエンジニア単価診断で目安を確認したうえで、上の4点のどこに伸びしろがあるかを見ると判断しやすくなります。

まとめ

フリーランスエンジニアの年収は、月額単価ではなく「単価×稼働月数−経費と税」で決まります。ITフリーランスの月間平均売上単価85.3万円という数字は満稼働時の売上であり、フリーランス全体の平均年収528.1万円、会社員の情報通信業平均659万5千円と並べると、単価の高さがそのまま年収差になっていないことがわかります。

平均値は高単価層に引き上げられるため、自分の目標として使うには粗すぎます。見るべきは、自分の職種・スキル・商流でいくらの提示を受けられるか、そして年間何か月稼働できるかの2点です。

次にやることは1つで、現在の自分の市場単価の目安を把握したうえで、稼働の空白・商流・単価交渉の3つのうちどこに伸びしろがあるかを特定することです。ここが決まれば、平均値と比べて一喜一憂する必要はなくなります。

よくある質問

AnswerMark

ITエンジニアに限定した公的な年収統計はありません。フリーランス全体(全職種)ではマイナビの2025年調査で平均528.1万円です。ITフリーランスの月間平均売上単価は85.3万円(2025年実績)で、単価水準は全職種平均より高い傾向があります。

AnswerMark

単価がそのまま12か月続き、経費や税を考慮しなければ売上は約1,024万円になります。ただしこれは売上であって年収ではなく、稼働の空白期間、経費、社会保険料や税を差し引くと手元に残る額は下がります。

AnswerMark

国税庁の令和6年分調査では情報通信業の平均給与は659万5千円です。フリーランスが自動的に上回るわけではなく、単価と稼働率を確保できるかどうかで結果が分かれます。

AnswerMark

まず稼働率です。単価を上げる交渉より、年間の稼働月数を確保するほうが短期で効くケースが多くあります。そのうえで商流の位置と単価の見直しを検討します。

AnswerMark

案件募集では実務経験3年以上を目安とするものが多く、経験が浅いほど応募できる案件は限られます。実務1〜2年で独立する場合は、単価より参画実績を積める案件を優先する判断もあります。

AnswerMark

担当領域によって相場帯は異なります。設計上流やアーキテクチャ、クラウド基盤、セキュリティ領域は、実務経験を要件とする募集が中心のぶん相場が高めになるケースが見られます。

AnswerMark

現在の稼働に空白がある場合は稼働の安定が先です。年間を通じて稼働できている場合は、契約更新のタイミングでの単価交渉や商流の見直しが次の一手になります。

AnswerMark

案件数の多さは参画機会の見つけやすさにつながりますが、単価の高さとは別の指標です。供給も多い領域では単価競争が起きやすいため、需要と供給のバランスで判断する必要があります。

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