情報セキュリティマネジメント試験|合格率70%の難易度・勉強時間と2027年の制度変更
最終更新日:2026/09/25
情報セキュリティマネジメント試験とは、IPAが実施する国家試験「情報処理技術者試験」のひとつで、組織の情報セキュリティを管理・運用する知識を問うレベル2の試験です。令和7年度の合格率は70.0%。2026年12月28日以降の休止と2027年度の制度変更も含め、難易度・勉強時間・案件での活かし方を整理します。
先に結論
試験はCBT方式・通年実施。科目Aと科目Bを合わせて120分・60問(科目A 48問、科目B 12問)で、1,000点満点中600点以上で合格
合格率はIPA公表値で令和5年度72.6%、令和6年度69.0%、令和7年度70.0%。同じレベル2の基本情報技術者試験(令和7年度38.3%)より約30ポイント高い
受験手数料は7,500円(税込)。不合格でも、前回受験日の翌日から数えて30日を超えた日以降に再受験できる
現行試験のCBTは2026年12月28日以降に休止予定。IPAの検討案(2026年4月時点)では2027年度春頃に新試験制度へ移り、SGは継続して科目の出題範囲体系が一部変わる見込み
単独で案件単価を押し上げる資格ではない。セキュリティ要件のある案件での共通言語、情報処理安全確保支援士への足場として使う
この記事でわかること
情報セキュリティマネジメント試験の制度・出題範囲・合格基準
公式統計で見る合格率の推移と、業務別の合格率の差
2026年12月の休止と、2027年度の新試験制度で何が変わるか
経験別の勉強時間の目安と学習ロードマップ
フリーランスエンジニアにとっての取得メリットと、案件での見え方
目次
情報セキュリティマネジメント試験とは
試験概要と合格基準
難易度と合格率
2026年12月の休止と2027年度の制度変更
勉強時間と学習ロードマップ
出題傾向と科目A・科目Bの特徴
取得メリットと活かせる業務
フリーランス案件での見え方と単価
他資格との比較
試験合格までのケース別対策
よくある失敗と回避策
受験スケジュールと当日のチェックリスト
まとめ
よくある質問
情報セキュリティマネジメント試験とは
情報セキュリティマネジメント試験は、組織のセキュリティ管理・運用の知識を測るIPAの国家試験です。 IPAが実施する情報処理技術者試験の一区分で、略称は「セキュマネ」、試験区分コードは「SG」です。
技術寄りの「情報処理安全確保支援士(SC)」とは対象者像が異なります。SGは情報システムを 利用する側 に重心があり、部門のセキュリティ対策を回すリーダー層を想定しています。
レベルは1〜4のうちレベル2。基本情報技術者試験(FE)と同じレベルですが、出題はセキュリティに特化しています。ITの基礎知識に加えて、セキュリティの法令・標準・運用に踏み込む内容です。
試験の位置づけ
項目 | 内容 |
|---|---|
種別 | 国家試験(情報処理技術者試験のひとつ) |
実施機関 | 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) |
レベル | 2(4段階中) |
試験区分コード | SG |
受験資格 | なし(年齢・学歴・実務経験を問わない) |
公式情報はIPA 情報セキュリティマネジメント試験に集約されています。出題範囲とシラバスは、学習を始める前に公式ページで確認してください。
試験範囲と狙い
出題範囲は大きく次の領域に分かれます。
情報セキュリティ全般(脅威・脆弱性・攻撃手法の基礎)
情報セキュリティ管理(情報資産、リスク、ISMS、インシデント管理、CSIRTなど)
セキュリティ関連法規(個人情報保護法、不正アクセス禁止法、サイバーセキュリティ基本法など)
システム監査・内部統制
ITの基礎知識(ネットワーク、データベース、システム構成の基本)
技術実装の深い知識より、「組織の中でセキュリティをどう運用するか」「インシデントが起きたときにどう動くか」が問われます。
ミニFAQ:
Q. 「セキュマネ」「SG」はどちらで呼べばよいですか? 「セキュマネ」は試験名の略称、「SG」はIPAの試験区分コードです。教材や求人で並列に使われるので、検索ではどちらも押さえておくと便利です。履歴書には正式名称の「情報セキュリティマネジメント試験」と書きます。
試験概要と合格基準
結論:CBT方式・通年実施。科目Aと科目Bを続けて120分で60問を解き、IRT方式で算出した総合評価点が600点(1,000点満点)以上なら合格です。
試験時間・出題数・出題形式
項目 | 内容 |
|---|---|
試験時間 | 科目A・科目Bを合わせて120分 |
出題数 | 60問(科目A 48問、科目B 12問)・全問解答 |
出題形式 | 科目A:多肢選択式(四肢択一)/科目B:多肢選択式(事例ベース) |
合格基準 | 総合評価点600点以上(1,000点満点) |
採点方式 | IRT(項目応答理論)に基づいて評価点を算出 |
出典はIPA 情報セキュリティマネジメント試験 出題内容です。科目ごとに時間を区切るのではなく、120分の中で科目Aと科目Bの時間配分を自分で決める点に注意してください。
IRTは、問題ごとの難易度を踏まえて評価点を出す方式です。正答数をそのまま点数に換算するわけではないため、「何問正解すれば合格」とは言い切れません。
受験方式と会場
方式:CBT(試験会場のコンピュータで解答する方式)
会場:全国のテストセンターから、申込時に日時と会場を選ぶ
実施時期:通年(2023年4月から、年2回の一斉試験から通年試験へ移行)
受験手数料:7,500円(税込)(IPA スケジュール、手数料など)
自宅などからのオンライン受験:不可
再受験のルール(リテイクポリシー)
一度受験した区分を申し込み直す場合、前回の受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降を受験日に指定できます(IPA リテイクポリシー)。欠席した場合は、このルールは適用されません。
不合格なら最短で約1か月後に再挑戦できる計算です。ただし後述の休止があるため、2026年中の合格を狙う場合は再受験の日程まで逆算しておく必要があります。
合格発表の時期
合格発表は、受験した月の翌月20日前後〜下旬です。たとえば令和8年7月受験は8月21日、8月受験は9月28日(予定)、9月受験は10月21日(予定)に発表されます(IPA 情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験)。合否は受験者マイページでも確認できます。
ミニFAQ:
Q. 通年試験だと、いつ受けるのが良いですか? 学習計画から逆算して決めるのが基本です。模擬問題で7割程度を安定して取れる状態を作ってから日付を確定すると、再受験の30日ルールに引っかかるリスクを減らせます。
難易度と合格率
結論:IPA公表の合格率は令和5〜7年度でおおむね69〜73%。情報処理技術者試験のなかでは取りやすい部類ですが、受験者の約3割は不合格になります。
合格率の推移(IPA公表値)
年度 | 応募者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
令和5年度(2023年度) | 39,824人 | 36,362人 | 26,398人 | 72.6% |
令和6年度(2024年度) | 45,481人 | 41,657人 | 28,731人 | 69.0% |
令和7年度(2025年度) | 50,226人 | 45,924人 | 32,141人 | 70.0% |
令和8年度(4〜7月分) | 14,544人 | 13,143人 | 9,561人 | 72.7% |
出典はIPA 統計情報(情報セキュリティマネジメント試験)の推移表(令和8年7月分・2026年8月21日現在)です。合格率は合格者数を受験者数で割った値です。
応募者数は3年で約1.26倍に増えましたが、合格率は70%前後でほとんど動いていません。受験者が増えても難易度の体感が変わりにくい試験といえます。
業務別の合格率(参考)
同じIPA統計の業務別一覧表(令和8年4〜7月分・申込時アンケート回答ベース)では、合格率に次の差が出ています。
回答者の業務 | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|
IT系の業務(システム企画・開発・運用・セキュリティ等)の小計 | 2,891人 | 77.9% |
うち プログラム開発 | 418人 | 78.7% |
うち 情報セキュリティ技術支援・管理・運用 | 639人 | 76.1% |
IT系以外の業務(総務・営業・製造等)の小計 | 8,807人 | 73.5% |
うち 営業・販売(IT関連) | 564人 | 62.6% |
この表は申込時アンケートの業務欄に基づく4か月分の集計で、推移表とは母数が異なります(学生などは含みません)。業務欄は自己申告で、学習時間や保有資格の違いは反映されていないため、業務そのものが合否を決めているとは言えません。
そのうえで見ると、IT系の業務に就いている人の合格率は、IT系以外より4.4ポイント高い程度でした。開発経験があれば大幅に有利、という差は数字には表れていないため、SG固有の管理・法令・事例判断の論点は別に対策しておくのが安全です。
他の情報処理技術者試験との比較
試験区分 | レベル | 想定対象者 | 合格率の目安 |
|---|---|---|---|
ITパスポート(IP) | 1 | 社会人・学生全般 | 高め |
情報セキュリティマネジメント(SG) | 2 | セキュリティ管理を担う利用者側 | 令和7年度 70.0% |
基本情報技術者(FE) | 2 | 開発・運用のIT技術者 | 令和7年度 38.3% |
応用情報技術者(AP) | 3 | 中堅IT技術者 | 低め |
情報処理安全確保支援士(SC) | 4 | セキュリティの専門家 | 低め |
FEの合格率はIPA 統計情報(基本情報技術者試験)の推移表で、令和5年度47.1%、令和6年度40.8%、令和7年度38.3%です。同じレベル2でも、SGはFEより約30ポイント合格率が高い水準が続いています。
FEはアルゴリズムやプログラミングを含む開発寄りの基礎、SGはセキュリティの管理運用が中心で、カバー範囲が異なります。受験順の考え方は『情報処理技術者試験の順番と選び方』で整理しています。個別の区分はITパスポート・基本情報技術者試験・応用情報技術者試験・情報処理安全確保支援士の各記事も参考にしてください。
ミニFAQ:
Q. 基本情報を持っていれば、情報セキュリティマネジメントは免除されますか? 科目の免除はありません。ただしITの基礎知識は重なるため、FE取得済みなら学習時間を圧縮できます。
2026年12月の休止と2027年度の制度変更
結論:現行のCBT試験は2026年12月28日以降に休止する予定です。2027年度以降については、IPAが検討中の案として、SGを継続し試験時間・出題数も変えない方針を示しています。確定情報ではない点に注意してください。
2026年12月28日以降は試験が休止予定
IPAは、CBT方式で実施するITパスポート・SG・FEの3区分について、システム入れ替えのため2026年12月28日以降に試験実施を休止する予定と公表しています(IPA 2026年5月以降の試験実施について)。
2026年9月1日以降にSGへ新規で申し込む場合、選べる試験日は申込日から2026年12月27日まで
会場によっては、12月27日より前に休止となる場合がある
再開時期は決まり次第公表。2027年1月以降の実施は2026年秋頃に案内される予定
期限までに受験できなくても、受験手数料は返還されない
現行制度のうちに合格したい場合、実質的な締め切りは12月27日です。 不合格時の再受験に30日以上かかることを考えると、11月中旬までに1回目を受けておくと2回目の機会を確保しやすくなります。
2027年度の新試験制度でSGはどう変わるか
経済産業省とIPAは、2027年度から新試験制度に移る予定を公表しています。2026年3月31日時点の検討状況(2026年4月28日更新)では、SGについて次のように示されています(IPA 見直しの検討状況について)。
項目 | 現行 | 新試験制度(予定) |
|---|---|---|
区分 | 情報セキュリティマネジメント試験 | 継続 |
開始時期 | ― | 2027年度春頃 |
試験時間・出題数 | 120分・科目A 48問+科目B 12問 | 同じ(120分・48問+12問) |
出題範囲 | 現行シラバス | 科目Aの出題範囲体系の変更、科目Bの出題範囲の一部変更 |
実施方式 | CBT・通年 | CBT・通年 |
IPAは、この変更を「表記の変更等」であり、試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はないと説明しています。新制度のSGシラバス案は、2026年9月時点では準備中です(IPA 新試験制度のシラバス案について)。
いずれも検討段階の情報で、今後変更される可能性があります。2027年度に受ける人は、新シラバスの公開後に差分を確認してから教材を選んでください。
上位試験のルートも変わる
新試験制度では、応用情報技術者試験と高度試験を大括り化し、「プロフェッショナルデジタルスキル試験」(仮称)としてマネジメント・データ/AI・システムの3区分に再編する案が示されています。情報処理安全確保支援士試験は継続し、試験時間や科目Bの出題形式が変わる予定です。
そのため、「SG→応用情報→支援士」という従来のルートは、2027年度以降は区分名と中身が変わります。SGの次を考えるときは、新区分の出題範囲が固まってから判断するのが安全です。
勉強時間と学習ロードマップ
結論:IPAは勉強時間の公式な目安を出していません。本記事では、FE取得済みやセキュリティ運用の実務がある人で50〜80時間、ITの実務経験はあるがセキュリティは未習の人で80〜150時間、IT未経験で150〜200時間を目安に置きます。
この時間は統計や調査に基づく値ではなく、参考書1冊の通読・公開問題の演習・60問の本番形式演習をこなす前提で見積もった本記事独自の想定です。前提知識や過去問への慣れで大きく変わるので、最初の2週間の進み具合を見て調整してください。
学習ステップの組み立て方
シラバス確認:IPAのシラバスで、出題対象の領域を確認する
基礎インプット:参考書1冊を通読し、用語と制度の地図を作る
科目Aの過去問演習:公開問題を分野別に解き、得意・不得意を把握する
科目B対策:事例問題に学習初期から並行して取り組む
直前演習:60問・120分の本番形式で時間配分を決める
IPAはサンプル問題と公開問題を無料で公開しています。本番と同じ60問セットを1回は時間を計って解いておくと、配分の失敗を防げます。
教材選びの考え方
参考書:年度版のテキスト1冊に絞り、最新シラバス対応を確認する
問題集:科目A・科目Bの両方を網羅しているものを選ぶ
Webサービス:IPAの公開問題を解説付きで提供しているサイトを併用する
動画教材:理解が浅い領域だけ補強する
参考書を複数並行で進めると、用語の表記の違いに時間を取られます。メインを1冊に絞り、Webや動画は補助に使うのが効率的です。
スケジュールの目安
経験レベル | 勉強時間の目安 | 1日あたり | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
FE取得済み or 実務でセキュリティ運用に関与 | 50〜80時間 | 1〜2時間 | 1〜2か月 |
ITの実務経験はあるがセキュリティは未習 | 80〜150時間 | 1〜2時間 | 2〜3か月 |
IT実務未経験・基礎から学ぶ | 150〜200時間 | 1〜2時間 | 3〜4か月 |
2026年12月27日までの受験を狙う場合、9月下旬に始めるなら使える期間は約3か月です。本記事の目安(80〜150時間)で見ると、セキュリティ未習のエンジニアは1日1〜1.5時間の学習が1つの目安になります。
ミニFAQ:
Q. 過去問だけで合格できますか? 用語と制度の構造を理解せずに過去問を回すと、科目Bの事例問題で失点しやすくなります。参考書での基礎固めと過去問演習の併用をおすすめします。
出題傾向と科目A・科目Bの特徴
科目A(48問・四肢択一)
短文の問題で、用語・制度・標準の知識を問う出題が中心です。情報セキュリティ全般・管理・関連法規・ITの基礎がまんべんなく出ます。過去問演習で論点ごとの頻出度をつかむと、得点源を絞りやすくなります。
科目B(12問・事例ベース)
組織の業務シナリオが提示され、登場人物の発言や手順から「どこに問題があるか」「次に取るべき対応はどれか」を判断します。読解力と、セキュリティ運用の常識的な判断が問われるため、用語の暗記だけでは対応しきれません。
1問あたりの文章量が多いため、120分のうち科目Bに何分残すかを先に決めておくのがコツです。
頻出論点
情報資産の分類・台帳管理
リスクアセスメント(リスク特定・分析・評価・対応)
インシデント対応(CSIRT、初動・封じ込め・再発防止)
アクセス制御(権限管理、最小権限の原則)
個人情報保護法、不正アクセス禁止法
標的型攻撃・フィッシング・ランサムウェアなどの脅威
「攻撃手法の暗記」より、「攻撃を受けた組織がどう動くか」という運用視点の出題が多いのが特徴です。
取得メリットと活かせる業務
結論:単独で大幅な単価アップを実現する資格ではありませんが、「セキュリティ要件のある案件での共通言語」と「上位資格への足場」の2点で価値が出ます。
知識面で活きる場面
開発案件でのセキュリティ要件レビュー(要件定義・設計段階)
インシデント発生時の初動判断
顧客への説明資料作成(セキュリティ方針、リスク評価)
社内ヘルプデスク・情報システム部門でのナレッジ整理
開発職のエンジニアでも、案件によっては顧客の情報セキュリティ部門と直接やり取りします。ISMSやリスク評価の用語を共通言語として持っておくと、議論の手戻りが減ります。客先のセキュリティ要件への対応は『客先セキュリティ要件対応|ISMS・Pマーク・持ち込みPCの実務』でも整理しています。
上位資格へのステップ
SGは、情報処理安全確保支援士への足場として位置づけるのが現実的です。支援士はレベル4の上位試験で、登録制度があり、合格率も大きく下がります。
インフラ寄りならネットワークスペシャリスト試験、データ寄りならデータベーススペシャリスト試験も次の選択肢になります。ただし前述のとおり、2027年度以降は高度試験が新区分に再編される予定です。セキュリティ系の資格全体の比較は『セキュリティ資格おすすめ|支援士・CISSP・CEHの難易度と案件影響』を参照してください。
フリーランス案件での見え方と単価
結論:案件の募集要項でSGが条件になることは少なく、評価されるのはセキュリティ実務の担当範囲です。SGは「基本姿勢のシグナル」として効きます。
公開案件での見え方
フリコンに掲載中のセキュリティエンジニア案件142件(2026年9月25日取得)のうち、一覧に表示された先頭50件(表示順であり無作為抽出ではありません)の案件名には、SGの名称は出てきませんでした。確認したのは案件名だけで、要件欄の記載までは集計していません。
ただし、顧客のセキュリティ部門と折衝する案件では、面談で「セキュリティ系の資格はありますか」と聞かれることがあります。資格が会話の入り口になり、長期参画での信頼形成に効くケースはあります。
セキュリティエンジニア案件142件の単価分布
以下はフリコン掲載の公開案件のうち、職種がセキュリティエンジニアの142件の集計です(2026年9月25日取得)。帯の区分も平均も、各案件の募集単価レンジの上限値で集計した掲載単価で、成約単価ではありません。帯は上限値が「○万円以上○万円未満」に入るかで区分しています。
募集単価(上限) | セキュリティエンジニア案件(142件) | 全掲載(64,434件) |
|---|---|---|
70万円未満 | 10件(7.0%) | 21.9% |
70万円以上〜90万円未満 | 61件(43.0%) | 52.8% |
90万円以上〜100万円未満 | 22件(15.5%) | 12.3% |
100万円以上 | 49件(34.5%) | 13.0% |
平均 | 92万円 | 80万円 |
掲載分布を見ると、セキュリティエンジニア案件は100万円以上の比率が全掲載の約2.7倍です。この集計は職種で絞ったもので、SGの保有有無とは関係がありません。 単価には診断・設計・運用設計などの担当範囲や経験年数が反映されていると考えられ、SGを取れば高単価帯に届くという関係を示すものではありません。
最新の掲載状況はセキュリティエンジニアのフリーランス案件一覧で確認できます。単価相場の詳しい見方は『セキュリティエンジニアのフリーランス単価相場』で整理しています。
価値が出やすい職種・ポジション
職種・ポジション | SGとの相性 | 補足 |
|---|---|---|
社内SE・情報システム部門経験者の独立 | 高 | 情シスでの実務とSGの内容が一致しやすい |
上流寄り(要件定義・PM・PL) | 高 | 顧客との議論で共通言語になる |
Webアプリ開発(金融・医療系) | 中 | 設計レビューで活きるが、SGだけでは弱い |
インフラ・ネットワーク | 中 | CCNAやLinuCなど技術寄り資格との併用が効果的 |
AI・データ系 | 低〜中 | 個人情報保護法の理解では役立つが、専門性は別途必要 |
技術寄りの案件を狙うなら、CCNAやLPICとLinuCと並行で考えると組み合わせが見えてきます。資格が案件獲得にどう効くかの全体像は『フリーランスエンジニアの資格は案件獲得に効くのか』にまとめています。
自分の経験でどのくらいの単価を狙えるかは、無料のフリーランスエンジニア単価診断で市場単価の目安を確認できます。単価を上げる考え方は『フリーランスエンジニアの単価相場と単価の上げ方』で整理しています。
他資格との比較
基本情報技術者試験との違い
観点 | 情報セキュリティマネジメント | 基本情報技術者 |
|---|---|---|
レベル | 2 | 2 |
対象 | 利用者側(マネジメント) | 開発・運用(技術者) |
試験時間・出題数 | 120分・60問 | 科目A 90分60問、科目B 100分20問 |
出題範囲 | セキュリティ+IT基礎 | アルゴリズム・プログラミング・IT基礎 |
合格率(令和7年度) | 70.0% | 38.3% |
同じレベル2でも、目指す職種で選び分けます。開発職寄りならFE、セキュリティ管理寄りならSGが入口になります。両方取る場合、IT基礎の部分は学習が重なります。
情報処理安全確保支援士との違い
観点 | 情報セキュリティマネジメント | 情報処理安全確保支援士 |
|---|---|---|
レベル | 2 | 4 |
対象 | 利用者側 | セキュリティの専門家 |
実施方式 | CBT・通年 | 令和8年度からCBT(前期・後期の年2回) |
合格率の傾向 | 70%前後 | 低め |
登録制度 | なし | 登録セキスペとして登録可能(登録・更新に費用と講習が必要) |
単価への影響 | 限定的 | SGより大きい |
支援士は登録制度のある資格で、公開案件で「登録セキスペ歓迎」と書かれる例もあります。SGは前段の準備として位置づけ、本命を支援士に置く設計が現実的です。
ベンダー資格(CompTIA Security+など)との違い
国家試験のSGに対し、CompTIA Security+などのベンダー資格は国際的な認知度が強みです。外資系や海外案件を視野に入れるなら、併用も検討対象になります。
試験合格までのケース別対策
実務経験ありのケース(FE取得済み)
ITの基礎知識は重なるため、セキュリティ領域に絞って学習時間を圧縮できます。
参考書を1〜2週間で通読
科目Aの過去問を分野別に2〜3週間
直前1〜2週間で本番形式の演習
総時間50〜80時間を目安に設定
業界未経験のケース
基礎用語の理解に時間が必要です。ITパスポートと重なる基礎部分から学び直すのが安全です。
入門書で全体像を把握(2週間)
参考書でSGの範囲を通読(3週間)
過去問演習(4週間以上)
科目Bは早めに着手し、長文への抵抗感を減らす
文系出身・非エンジニアの場合
ITの基礎知識を体系的に補う必要があります。情報システム部門に近い業務をしているなら、業務経験を活かせる範囲は広くなります。
ITパスポート相当の入門書から始める
ネットワーク・データベースの基礎に時間をかける
法規・マネジメント領域は、文系出身者の得意分野になりやすい
よくある失敗と回避策
科目B対策を後回しにする
科目Aのインプットに時間を割きすぎ、科目Bを直前まで残すパターンです。科目Bは慣れが必要なので、学習開始から2週間目には1問でも解き始めるのが安全です。
120分の時間配分を決めずに本番を迎える
科目Aと科目Bの時間は区切られていません。科目Aで時間を使いすぎると、文章量の多い科目Bが駆け足になります。演習の段階で「科目Aは何分まで」と決めておきます。
参考書を複数買って分散させる
年度の違う参考書やシリーズを並行すると、用語の表記の違いに気を取られて学習が進みません。メインを1冊に絞り、不足分はWebの過去問解説で補います。
休止前の駆け込みで席が取れない
2026年12月28日以降は休止予定のため、12月は受験希望が集中する可能性があります。空席がなく期限までに受けられなくても、手数料は返還されません。受験日は早めに押さえ、再受験の余地を残すのが安全です。
法改正への対応忘れ
個人情報保護法など、出題範囲の法律は改正の影響を受けます。古い年版の参考書を使う場合は、最新の改正内容を別途確認してください。IPAの出題範囲・シラバスが更新されたら差分を確認する習慣をつけると安全です。
受験スケジュールと当日のチェックリスト
申込から合格発表までの流れ
受験申込サイトでアカウントを作成する
試験会場と日時を選んで予約する
受験手数料(7,500円・税込)を支払う
試験当日、本人確認書類を持って会場へ行く
受験した月の翌月20日前後〜下旬に合格発表(受験者マイページでも確認可能)
当日の持ち物と注意点
本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等。有効期限内のもの)
申込後に届く確認メールの内容(受験日時・会場の控え)
私物の筆記用具や電卓は持ち込めません。メモの扱いを含む当日のルールは、申込時の受験案内で確認してください。
合格後の次の一手
上位試験(支援士や、2027年度以降の新区分)の出題範囲を確認する
履歴書・スキルシートに資格名と取得年月を記載する
面談で「SGで学んだことを、どの業務でどう使ったか」を1つ話せるよう整理する
スキルシートの書き方は『フリーランスエンジニアのスキルシートの書き方』も参考になります。
まとめ
情報セキュリティマネジメント試験は、合格率70%前後で取りやすい部類のレベル2試験ですが、2026年12月28日以降は休止予定のため、現行制度で受けるなら12月27日までが期限です。
試験はCBT・通年。科目A・Bを合わせて120分・60問で、1,000点満点中600点以上で合格
合格率は令和5〜7年度で69〜73%。同じレベル2のFE(令和7年度38.3%)より約30ポイント高い
IT系の業務に就いている人の合格率は、それ以外より4.4ポイント高いだけ。エンジニアでもSG専用の対策が要る
2027年度以降は、IPAの検討案ではSGを継続し、問う知識・技能の範囲も変えない方針(確定前の情報)
案件単価はSGの有無より担当範囲で決まる。SGは共通言語と上位資格への足場として使う
次のアクションとしては、まずIPA 情報セキュリティマネジメント試験で最新のお知らせを確認し、自分の経験レベルから勉強時間を見積もって受験日を先に押さえてください。セキュリティ職を軸にキャリアを考えるなら、セキュリティエンジニアの仕事内容と年収もあわせて確認すると、SGの次に何を積むかが見えやすくなります。
参考情報
よくある質問
受験資格に制限はありますか?
受験資格はなく、年齢・学歴・実務経験を問わず受験できます。会社員・学生・フリーランスのいずれでも申し込めます。
合格に有効期限はありますか?
試験の合格そのものに有効期限はありません。一度取得した合格は生涯有効です。一方、情報処理安全確保支援士は登録制度に基づく更新(講習の受講)が必要で、ここがSGとの違いです。
何問正解すれば合格できますか?
正答数で決まるわけではありません。IRT方式で問題ごとの難易度を踏まえた評価点を出し、1,000点満点中600点以上で合格です。目安として、演習で7割前後を安定して取れる状態を作っておくと安心です。
2026年のうちに受けるべきですか、2027年度の新制度を待つべきですか?
学習を始めているなら、2026年12月27日までに現行制度で受けるほうが教材選びで迷いません。新制度でも問う知識・技能の範囲は変わらない予定ですが、新シラバス案はまだ準備中で、再開時期も未定です。これから学習を始めて年内に間に合わない場合は、新シラバスの公開を待ってから教材を選ぶのが安全です。
受験料はいくらですか?割引はありますか?
受験手数料は7,500円(税込)です。受験料を前払いするバウチャーチケットの制度もありますが、購入申込受付は2026年7月31日で一時停止しています。発行済みのバウチャーは有効期限の延長がないため、期限を確認して使ってください。
SGを取れば未経験からセキュリティエンジニアになれますか?
SGだけで未経験からセキュリティ専門職に転身するのは、難しいケースが多いと考えられます。公開案件の多くは、業務内容に実務経験を前提とした作業を挙げています。SGは知識の証明の一部として位置づけ、ネットワーク・サーバー・クラウドの実務経験と組み合わせて評価される形を目指してください。
試験対策の費用はどれくらいかかりますか?
受験手数料7,500円に加えて、参考書と問題集で数千円程度が一般的な構成です。IPAが無料で公開している過去問題・サンプル問題と解説サイトを使えば、教材費は抑えられます。
不合格だった場合、すぐに再受験できますか?
前回の受験日の翌日から数えて30日を超えた日以降であれば、再受験の日程を予約できます。2026年は12月27日が休止前の最終日となる予定なので、再受験を見込むなら1回目は11月中旬までに受けておくと余裕があります。
会社員のうちに取っておく価値はありますか?
価値はあります。社内SE・情報システム部門・PM経験のあるエンジニアは特に活かしやすい資格です。フリーランスとして独立すると学習時間を確保しにくくなるため、独立前の取得は時間の面でも合理的です。
オンライン受験はできますか?
できません。全国のテストセンターでのCBT受験が前提です。
SG取得後、すぐに支援士に挑戦すべきですか?
SGとSCにはレベル差があるため、半年〜1年の学習期間を見込むのが現実的です。支援士は令和8年度からCBTで前期・後期の年2回実施され、2027年度には試験時間と科目Bの出題形式が変わる予定です。受ける年度の試験要綱を確認してから計画を立ててください。
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