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フリーランスの車の経費|按分・購入・リースの判断と減価償却の実務

制度・申請

最終更新日:2026/09/12

フリーランスの車の経費|按分・購入・リースの判断と減価償却の実務

フリーランスの車の経費は、事業使用の割合・取得方法(購入かリースか)・資産計上の要否という3つの判断で決まる税務論点です。「車も経費にできると聞いたけれど、どこまで落とせるのか」「按分の根拠は何を残せば良いのか」と迷うフリーランスエンジニアに向けて、車という資産に限定した判断ガイドをまとめました。読み終えるころには、自分のケースで何を経費計上できるか、記録として何を残すべきかを整理できます。

先に結論

  • 車は事業使用の実態があれば経費計上できます。プライベート兼用の場合は家事按分で事業割合分だけを経費に落とします。

  • 按分の根拠は走行距離・使用日数・使用時間のいずれかで合理的に説明できる記録が必要です。感覚での割合設定は税務調査で否認されやすい部分です。

  • 取得ルートは一括購入・カーローン・カーリースの3択で、会計処理と資金負担が変わります。事業割合が高く長期使用なら購入が有利になるケースが多く、短期・入替前提ならリースが向くケースもあります。

  • 購入した車は原則として減価償却資産として複数年にわたって経費化します。新車は法定耐用年数、中古車は簡便法で耐用年数を計算します。

  • ガソリン・車検・保険・駐車場・高速代なども事業割合分は経費計上できますが、勘定科目と按分方法は費目ごとに整理して仕訳する必要があります。

この記事でわかること

  • フリーランスが車を経費計上できる条件と、対象となる主な費目

  • 走行距離・使用日数・使用時間による按分計算の実務と、記録として残すべき情報

  • 一括購入・カーローン・カーリースの3ルートの会計処理と選び方

  • 新車・中古車の減価償却の考え方と、少額特例・一括償却との使い分け

  • 車特有の費目別勘定科目、消費税・売却時の扱い、よくある失敗と対策

目次

  • 車を経費にできる条件と対象範囲

  • 家事按分の実務(自宅按分との違い)

  • 購入・カーローン・カーリースの3ルート比較

  • 減価償却の実務(車両特有の論点)

  • 費目別の勘定科目と仕訳(車両特有)

  • 消費税・下取り・売却時の扱い

  • よくある失敗と対策

  • フリーランスエンジニアの車の経費 実践チェックリスト

  • まとめ

  • よくある質問

車を経費にできる条件と対象範囲

結論として、事業のために使用している実態があれば車は経費計上できます。ただし個人事業主の場合、車をプライベートと兼用しているケースが大半のため、実務上は「按分」の考え方がほぼ必ず入ります。

事業使用の実態が問われる

税務上、経費として認められるのは「所得を得るために直接必要な支出」です(所得税法第37条)。車の場合、次のような使用実態があると事業使用と説明しやすくなります。

  • 客先常駐先・打ち合わせ先への移動

  • 案件現場(工場・研究所・データセンター等)への訪問

  • 機材・書類の運搬

  • 出張時の移動(新幹線・飛行機と比較して合理的な区間)

  • 営業活動・取材・視察

一方で、通勤とは異なる論点があります。フリーランスの場合、自宅が事業所であるケースが多いため「通勤」という概念がありません。自宅を事業拠点としており、客先訪問が業務上必要な移動と説明できる場合は、事業目的の移動として扱えることが多いです。ただし、実質的に通勤に近い常駐先への継続的な往復など、契約形態や実態によって解釈が変わる余地があるため、税務署や税理士に確認しておくと安心です。

経費にできる主な費目

車関連で経費計上できる主な費目は次の通りです。

費目

内容

主な勘定科目

車両本体

購入した車の取得価額

車両運搬具(減価償却)

リース料

カーリース・カーシェアの月額料金

賃借料・リース料

ガソリン・燃料

燃料費全般

車両費・燃料費

車検・整備

定期点検・修理

修繕費・車両費

自動車保険

任意保険・自賠責

損害保険料・車両費

自動車税・重量税

税金

租税公課

駐車場代

月極・時間貸し

地代家賃・車両費

高速道路・有料道路

ETC利用料含む

旅費交通費

タイヤ・消耗品

交換費用

消耗品費・車両費

ローン利息

カーローンの利息部分

支払利息

勘定科目は事業主が継続適用すれば、多少揺れがあっても実務上は許容されます。ただし年度をまたいで頻繁に変えるのは避けたい部分です。経費全般の勘定科目の考え方はフリーランスエンジニアが経費にできるもの一覧|勘定科目・判断基準・仕訳例を徹底解説にまとめています。

ミニFAQ

Q. エンジニアなのに車が本当に経費になるか不安です

A. 案件現場への訪問・機材運搬・出張などで実際に使っているなら経費計上は問題ありません。逆に完全リモートで車の業務利用がゼロなら、事業割合0%=経費化できないという結論になります。実態がすべての判断軸です。

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家事按分の実務(自宅按分との違い)

結論として、車の家事按分は「走行距離」を軸に、補助的に「使用日数」「使用時間」で合理性を説明するのが実務上の主流です。自宅按分が「面積」を主軸にするのとは考え方が異なります。

家事按分の考え方全般は家事按分の計算式と按分例|フリーランスエンジニアの自宅兼事務所の経費判断ガイドで自宅を軸に解説しています。本記事では車という資産に絞って、記録の残し方まで踏み込みます。

走行距離按分

もっとも合理的で説明しやすいのが走行距離按分です。計算式はシンプルです。

事業割合 = 事業使用の走行距離 ÷ 総走行距離

例:年間総走行距離12,000km、うち事業使用が4,800kmの場合、事業割合は40%になります。ガソリン代・車検代・減価償却費・保険料などに、この40%を掛けた金額を経費計上します。

記録として残すべき情報は次の通りです。

  • 使用日

  • 出発地・目的地

  • 走行距離

  • 使用目的(訪問先の案件名・打ち合わせ相手など)

紙の運転日誌でもExcelでも、後から検証できる形で残しておくと税務調査で説明しやすくなります。

使用日数按分

「毎日決まった曜日だけ客先に行く」のように使用日が明確なケースは、日数按分でも合理性を説明できます。

事業割合 = 事業使用日数 ÷ 総使用日数

例:週5日のうち3日を客先移動に使うなら60%が事業割合の目安になります。ただし1日の中でも事業使用と私用が混在する場合は、走行距離按分の方が精度が上がります。

使用時間按分

配送や訪問型の案件で1日の中の使用時間が長い場合、時間按分を組み合わせるケースもあります。ただし単独では走行距離按分より説明力が弱くなりやすいため、補助的に使うのが実務です。

按分根拠の記録方法

按分割合そのものよりも、「その割合を裏付ける記録が残っているか」が税務調査で問われます。次の3点をセットで残しておくと安心です。

  1. 運転日誌(Excel・アプリ・紙のどれでも可)

  2. ガソリンスタンドのレシート・給油記録

  3. ETC利用明細・駐車場領収書

按分割合は年間実績で確定する運用が多いですが、業務実態が大きく変わった年(案件が客先常駐から完全リモートに切り替わった等)や期間ごとに利用状況が変動する場合は、期間別に見直した方が合理的です。

ミニFAQ

Q. 自宅の家事按分と同じように、車も「30%くらい」と決めておけば良いですか

A. 按分割合そのものを決め打ちにするのは避けたい部分です。業務実態に応じた合理的な按分が必要で、走行距離や使用日数など根拠となる記録をもとに算出します。何%が「一般的」と断定できる公式基準は存在しません。

購入・カーローン・カーリースの3ルート比較

結論として、事業割合が高く長期使用を前提とするなら購入、資金負担を平準化したいならローン、経費計上をシンプルにしたい・入替を前提とするならリースが向くケースが多い、というのが実務の目安です。ただし節税効果だけで判断すると資金繰りを圧迫することがあるため、キャッシュフローと合わせて選ぶのが安全です。

一括購入(現金購入)

購入した車は車両運搬具として資産計上し、減価償却で複数年にわたって経費化します。

  • メリット:所有権が自分にある、借入不要、長期使用でトータルコストを抑えやすい

  • デメリット:初年度に大きな資金流出、月々の経費は減価償却費に限定される

  • 会計処理:取得価額を車両運搬具で計上→毎年減価償却費として計上

自己資金に余裕があり、事業割合が高く5年以上乗る予定なら一括購入の相対的なメリットが出やすくなります。

カーローン

カーローンで購入した場合も、車両本体は資産計上して減価償却します。ローン返済のうち利息部分だけが支払利息として経費になり、元本部分は経費にできません。

  • メリット:初期の資金負担を抑えられる、所有権は自分(ローン完済後)

  • デメリット:利息負担が発生、返済期間中の資金計画が必要

  • 会計処理:車両本体は減価償却+利息のみ経費計上

「元本まで経費になる」と勘違いすると資金計画がずれるため、初年度に会計ソフトで仕訳を組んでおくと安全です。

カーリース・カーシェア

一般的なオペレーティング型のカーリースでは、リース料の事業割合分を費用計上するケースが多いです。所有権はリース会社に残るため、資産計上・減価償却の手間がありません。

  • メリット:会計処理がシンプル、初期費用が少ない、車検・税金込みのプランなら管理が楽

  • デメリット:長期で見ると総額が割高になるケースがある、途中解約が困難、走行距離制限がある契約が多い

  • 会計処理:月々のリース料を賃借料またはリース料として計上

なお、リース契約のうちファイナンス・リース(実質的な資産取得と同視される契約)に該当するものは、税務上は資産計上して減価償却する扱いが原則です。一般的なカーリース(オペレーティング・リース)はリース料の経費計上でよいケースが多いですが、契約内容によって判定が変わります。契約書を税理士に確認してもらうと安心です。

3ルート比較表

項目

一括購入

カーローン

カーリース

初期費用

小〜中

月々の負担

なし

元本+利息

リース料

経費計上

減価償却費(複数年)

減価償却費+利息

リース料(事業割合分)

所有権

自分

完済後自分

リース会社

会計処理の手間

中(減価償却)

中(減価償却+利息按分)

小(月次費用のみ)

途中売却・入替

自由

完済後自由

制約あり

事業のキャッシュフロー・使用年数の見込み・車種の入替頻度で最適解が変わります。3ルートの節税額だけを比較するのではなく、資金繰り全体で判断してください。

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減価償却の実務(車両特有の論点)

結論として、購入した車は法定耐用年数に沿って複数年で経費化します。中古車は簡便法で耐用年数を短縮できるため、事業割合が高いケースでは中古車購入が節税観点で選ばれやすくなります。減価償却の一般ルールは減価償却とは|フリーランスエンジニアの少額特例・一括償却・計算方法でPC・機材を軸にまとめており、本記事では車両特有の論点に絞ります。

新車・中古車の耐用年数

車両の法定耐用年数は用途で分かれます(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)。

車種

用途

法定耐用年数

乗用自動車(一般)

事業用

6年

軽自動車

事業用

4年

貨物自動車(ダンプ式)

事業用

4年

貨物自動車(その他)

事業用

5年

詳細な区分は国税庁の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一」で確認できます。自車の耐用年数は車検証と用途区分をもとに判定してください。

中古車を購入した場合は「簡便法」で耐用年数を計算できます。

  • 法定耐用年数を経過している中古車:法定耐用年数 × 20%(1年未満切り捨て、2年未満は2年)

  • 法定耐用年数の一部を経過している中古車:(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%

例:普通自動車(法定耐用年数6年)で経過年数が4年の中古車を購入した場合、耐用年数は(6−4)+4×0.2 = 2.8年 → 2年として計算します。新車より短期間で減価償却できるため、事業割合が高いケースでは中古車が選ばれやすいのはこの計算による部分が大きいです。

少額特例・一括償却の適用

取得価額が少額の資産には特例があります。車両でも中古車で該当するケースがあります。

  • 30万円未満:少額減価償却資産の特例(青色申告者、年間合計300万円まで、令和8年度末までの取得が対象)で全額を取得年度の経費に計上できます

  • 20万円未満:3年間で均等償却(一括償却資産)

  • 10万円未満:全額を取得年度の経費に計上

30万円未満の中古車は稀ですが、部品・タイヤ・ドライブレコーダーなど付随品でこの区分が絡むケースがあります。特例の適用要件(青色申告承認申請書の提出、期限内申告、明細書の添付)は要件を満たしていないと使えないため、初年度の申告時に確認します。

定額法と定率法

個人事業主は原則として定額法で減価償却します。定率法を選びたい場合は税務署への届出が必要です。

  • 定額法:取得価額 × 定額法償却率(例:耐用年数6年なら0.167)

  • 定率法:期首帳簿価額 × 定率法償却率(初年度に多く償却、徐々に減る)

エンジニアの個人事業主で車両の減価償却方法をわざわざ定率法に変更するケースは多くありません。定額法のまま毎年同額を計上するのがシンプルです。

ミニFAQ

Q. 中古車を買えば節税になるという話は本当ですか

A. 「節税効果が高くなる可能性がある」というのが正確な表現です。耐用年数が短くなる分、年間の減価償却費が大きくなります。ただし車両本体の総支出は変わらないため、キャッシュアウトの平準化とは別の話です。事業割合が高く、車が必要なタイミングで買うのが前提です。

費目別の勘定科目と仕訳(車両特有)

結論として、車両関連の費目は「車両費」でまとめる方法と「ガソリン代」「修繕費」「租税公課」など細分化する方法の2通りがあります。どちらでも構いませんが、継続適用が原則です。

ガソリン・車検・保険

費目

主な勘定科目

按分の要否

備考

ガソリン代

車両費・燃料費

給油記録を残す

車検費用

車両費・修繕費

部品交換分は修繕費、税金分は租税公課で分ける方法もある

自動車保険

損害保険料・車両費

一括払いは前払費用処理も可

自動車税・重量税

租税公課

年払い

駐車場・高速代

費目

主な勘定科目

按分の要否

備考

月極駐車場(事業使用のみ)

地代家賃

不要(100%)

事業専用契約なら按分不要

月極駐車場(兼用)

地代家賃・車両費

事業割合を掛ける

コインパーキング(訪問時)

旅費交通費

不要(100%)

事業目的の訪問なら全額

ETC・高速料金(事業目的)

旅費交通費

不要(100%)

明細を残す

ETC・高速料金(私用混在)

旅費交通費・車両費

明細で分けられれば実額、無理なら按分

事業目的が明確な単発の駐車場代・高速代は按分せず全額計上できます。一方、車両本体にかかる固定費(保険・税金・駐車場の月極)は按分が必要です。

修繕費・タイヤ交換

修繕費は「原状回復」の範囲であれば一時の経費として計上します。ただし、車の性能を著しく向上させる改造(例:大幅な機能追加)は資本的支出として資産計上する扱いになります。実務では原状回復と資本的支出の区分は判断が難しいため、車検やタイヤ交換のような一般的な整備は「修繕費」でおおむね問題ありません。

なお、業務委託先が交通費を実費請求する場合の会計処理は、車両経費とは別の論点です。業務委託の交通費・立替経費は請求できる?契約明記と請求書実務にまとめています。

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消費税・下取り・売却時の扱い

結論として、消費税の課税事業者は車の購入時・売却時に消費税の処理が必要です。免税事業者は基本的に消費税の処理は不要ですが、インボイス制度で課税事業者を選択した方はこの論点が発生します。

消費税の課税・非課税

車両本体・ガソリン・車検などは課税取引です。一方、自動車税・重量税・自賠責保険料は非課税または不課税です。

  • 課税:車両本体、ガソリン、車検の整備・点検費用、駐車場代、高速料金 など

  • 非課税・不課税:自動車税、重量税、自賠責保険料、任意保険料 など

消費税の計算方法は簡易課税か本則課税かで手続きが変わります。消費税全般はフリーランスエンジニアの消費税|インボイス・課税事業者判定・簡易課税まで解説を参照してください。

下取りに出したとき

事業用として計上していた車を下取りに出した場合、所得区分は資産の性質・事業割合・使用実態で判断が分かれます。

  • 家事使用と事業使用が混在していた車:譲渡所得の範囲で処理するケースがある

  • 完全に事業専用だった車:事業所得の範囲で処理するケースがある

売却・下取り時の所得区分は、事業用割合や資産の位置づけによって判断が分かれるため、家事兼用車は特に税理士確認が安全です。譲渡所得として扱う場合は「譲渡価額 − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除(最高50万円)」で計算し、取得費は事業使用分の減価償却済み残存価額を控除した金額を使います。

売却損益

売却価額と帳簿価額の差額を売却損益として計上します。事業割合分だけが事業に関係する金額として計算対象になります。売却損の扱いは事業専用か家事兼用かで結論が変わりやすく、損益通算の可否も含めて個別確認が必要な論点です。実務では税理士に相談して処理するのが安全です。

よくある失敗と対策

車の経費計上で繰り返し起きる失敗パターンを整理します。

失敗1:事業割合の根拠を残していない

「なんとなく50%」で計上していると、税務調査で否認されるリスクがあります。走行距離・使用日数・使用時間のいずれかで説明できる記録を残すのが対策です。運転日誌はExcelでもアプリでも構いません。年に1回、まとめて記入するより、月次で記録する運用のほうが後から辻褄合わせをせずに済みます。

失敗2:リース料の会計処理を誤る

一般的なカーリース(オペレーティング・リース)はリース料を経費計上しますが、ファイナンス・リースに該当するものは資産計上と減価償却が原則です。契約書の「所有権移転」「解約可否」「フルペイアウト」の条項を確認して判定します。判断が難しい契約は税理士に契約書を見てもらうのが確実です。

失敗3:プライベート使用が過大

事業割合を高く設定しすぎると、税務調査で「実態と乖離している」と指摘される可能性があります。特に、休日の走行がほとんどでも「80%事業」と申告しているケースは疑いを持たれやすい部分です。実態に即した割合を選び、根拠を残しておくのが結果的にトラブルを避ける方法になります。

失敗4:車体購入費を一括経費計上

30万円以上の車は原則として資産計上+減価償却の対象です。「一括で経費に落とせる」と勘違いすると、後から修正申告が必要になります。少額減価償却資産の特例(30万円未満)を使う場合も、青色申告者であることが要件です。青色申告承認申請書を出していない場合、この特例は使えません。

失敗5:家事按分と自宅按分を混同

車の按分と自宅の按分は別の計算です。同じ按分割合を使い回すことはできません。それぞれの実態に即して個別に算出し、根拠を残しておきます。

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フリーランスエンジニアの車の経費 実践チェックリスト

車を経費化する前に確認したい項目です。

  • 事業使用の実態(訪問先・移動目的)を月次で記録できる仕組みがあるか

  • 走行距離を残せる方法(運転日誌・カーナビの記録・アプリ)を1つ選んでいるか

  • 給油レシート・ETC明細・駐車場領収書を月次で保管しているか

  • 取得ルート(購入・ローン・リース)を資金繰りと合わせて検討したか

  • 減価償却の耐用年数を車種・新車中古車の別で確認したか

  • 少額減価償却資産の特例(30万円未満)の適用要件を確認したか(青色申告者であること)

  • 費目別の勘定科目を決めて、翌年以降も継続適用できるようにしたか

  • 事業割合の根拠を年末までに整理できる状態になっているか

  • 消費税の課税事業者の場合、購入時・売却時の処理を確認したか

節税だけを目的に車を購入すると、資金繰りを圧迫することがあります。車の購入判断は資金繰りとも関係するため、収入の見通しも合わせて確認しておくと安心です。自分の現在の市場単価が気になる方は、無料のフリーランスエンジニア単価診断で目安を確認できます。手取りベースで経費化のメリットを判断する材料になります。

まとめ

フリーランスの車の経費計上は、事業使用の実態・按分の根拠・取得ルートの3つを揃えることが結論です。感覚での割合設定は避け、走行距離を軸にした記録を残すことで税務調査でも説明できる状態にしておきます。

要点を整理すると次の通りです。

  • 車は事業使用の実態があれば経費化できるが、私用兼用は家事按分が必須

  • 按分は走行距離を主軸に、使用日数・時間を補助的に使う

  • 取得ルート(購入・ローン・リース)はキャッシュフローと使用年数で選ぶ

  • 減価償却は新車・中古車で耐用年数が変わり、中古車は簡便法で短縮できる

  • 少額減価償却資産の特例(30万円未満)は青色申告者のみが使える

  • 費目別の勘定科目を決めて継続適用する

  • 消費税・売却時の処理も忘れずに整理する

次のアクションとして、まずは月次で運転記録を残す運用を始めるのが効果的です。会計処理の詳細は税理士に相談し、実務に即した仕訳ルールを固めるのが安全です。

車両経費は税務判断に個別事情が絡む領域です。本記事は令和8年分(2026年分)の制度を前提にしており、2027年に行う確定申告での利用を想定しています。制度改正がある場合は最新情報を確認してください。実際の申告にあたっては税理士・税務署への確認をおすすめします。

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参考リンク

よくある質問

AnswerMark

事業使用の実態がなければ経費化はできません。案件先訪問・機材運搬・営業活動などで使用実態がある場合に限られます。「事業のためにたまに使う」レベルで走行距離が非常に少ないなら、按分割合も低くなります。実態がゼロなら事業割合0%=経費化できないという結論です。

AnswerMark

事業供用開始時の「未償却残高相当額」を取得価額として計上します。新車購入時の価額から、購入から事業供用開始までの期間の減価償却相当額(法定耐用年数の1.5倍で計算した償却額)を差し引いた金額です。仕訳が複雑になるため、事業供用初年度は税理士に相談すると確実です。

AnswerMark

生計を一にする家族名義の車で、実際に事業用途で使用しているなら経費計上できるケースがあります。ただし、車の名義・保険・車検費用の支払い元などが本人と一致していない場合、税務調査で説明を求められる可能性があります。名義が家族の場合は税理士に事前確認するのが安全です。

AnswerMark

短時間・単発の利用は旅費交通費または車両費として継続処理するケースが多いです。事業目的なら全額経費計上できます。月額サブスクリプション型のカーシェアで私用と兼用しているなら按分が必要です。領収書とともに使用目的をメモしておくと確定申告時にスムーズです。

AnswerMark

事故による修理費用は原則として修繕費として経費計上できますが、事業使用中の事故か、私用中の事故かで扱いが変わる可能性があります。保険金で修理費用がカバーされた場合、保険金は雑収入として計上します。事業使用中の事故で自己負担が発生した場合は、事業割合分を経費計上します。

AnswerMark

元本部分は経費になりません。利息部分だけが支払利息として経費計上できます。ローン明細で元本と利息を分けて記帳します。

AnswerMark

車両本体とは別に取得したドライブレコーダー・カーナビは、取得価額に応じて処理が変わります。10万円未満なら消耗品費・車両費として全額経費、10万円以上なら車両附属品として資産計上+減価償却です。少額減価償却資産の特例が使える場合もあります。

AnswerMark

事業使用100%が実態として説明できない限り、按分が必要です。「たまに私用で使う」場合でも、按分割合を設定する必要があります。走行距離按分がもっとも合理性を説明しやすい方法です。

AnswerMark

事業専用車の売却損失は事業所得の必要経費として処理できるケースがありますが、家事兼用車は譲渡所得の範囲で計算するのが一般的です。譲渡所得の損失は他の所得との損益通算に制限があるため、税理士に相談してから処理するのが安全です。

AnswerMark

白色申告でも車の経費計上は可能です。ただし、少額減価償却資産の特例(30万円未満の全額経費化)は青色申告者のみが使える制度のため、車両で該当するケース(中古の軽自動車等)では青色申告のメリットが大きくなります。青色・白色の判断基準は青色申告と白色申告の違い|フリーランスエンジニアが知るべき判断基準と手続きを解説を参照してください。

AnswerMark

事業使用分の充電費用は経費計上できます。自宅充電は専用メーター・充電履歴・走行記録などの根拠を残したうえで、合理的に按分する運用が必要です。単純な概算だけでは税務上の説明がしにくい点に注意してください。公共充電スタンドを利用した場合は明細を必ず保管しておきます。

AnswerMark

事業割合が実態と大きく乖離している、根拠となる記録がない、車両費が売上規模に対して過大、といったケースで説明を求められることがあります。運転日誌・給油記録・ETC明細を残していれば、多くのケースで説明可能です。

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