国産RPA案件の単価相場|WinActor・BizRobo!とUiPathの違い
最終更新日:2026/09/26
国産RPAとは、WinActor(NTTデータ)やBizRobo!(オープン株式会社)など国内ベンダーが開発したRPAツールの総称です。UiPath案件と何が違い、単価はいくらなのか。フリコンの公開案件データと総務省調査をもとに、案件数・単価レンジ・自治体案件の実情と参入ルートを整理します。
先に結論
単価の平均はUiPathとほぼ横並び。フリコン掲載案件(2026年9月時点)で平均月69万円(WinActor・BizRobo!)に対し、UiPathは月70万円でした
差が出るのは単価ではなく案件の母数。同時点の掲載件数はUiPath 339件、WinActor 111件、BizRobo! 15件です
WinActorは金融・製造・官公庁で名前を見かけやすく、BizRobo!はサーバー実行の大量処理が絡む案件に寄ります
自治体のRPA導入は都道府県98%・指定都市100%に対し、その他市区町村は44%(総務省・令和7年度調査)。伸びしろが残っているのは市区町村層です
探し方は、エージェントのツール名タグ(WinActor/BizRobo!)で直接絞るのが実務的です。「RPA」だけで検索すると、UiPath案件に埋もれます
この記事でわかること
WinActor・BizRobo!とUiPathの、案件から見た具体的な違い
国産RPA案件の単価レンジと、単価が動く要因
自治体・官公庁で国産RPAが使われる背景と、案件の出方
RPA技術者検定などの資格が案件獲得にどこまで効くか
社内RPA担当・UiPath経験者・VBA経験者それぞれの参入ルート
対象読者は、RPAの実務経験が半年以上ある方、またはUiPathなど他ツールの経験を国産RPAへ広げたい方を想定しています。RPAエンジニアという職種そのものの定義・年収・キャリア設計は「RPAエンジニアとは?仕事内容・年収・必要スキルと案件動向を解説」で扱っているため、この記事では製品の違いと案件の取り方に絞ります。
目次
国産RPAとは|WinActor・BizRobo!の位置づけ
国産RPAとUiPathの違い|案件から見た3つの分岐点
WinActor・BizRobo!案件の単価相場
国産RPA案件の業務内容
自治体・官公庁で国産RPAが選ばれる理由
国産RPA案件に資格は必要か
ケース別|国産RPA案件への参入ルート
よくある失敗と参画前チェックリスト
まとめ
よくある質問
国産RPAとは|WinActor・BizRobo!の位置づけ
結論として、国産RPAは「海外製の廉価版」ではありません。日本企業の業務フローと日本語帳票を前提に作られている点が、案件の出方を分けています。
条件として、本記事では国内ベンダーが開発したRPA製品を便宜上「国産RPA」と呼びます。業界で統一された定義があるわけではありません。代表格がWinActorとBizRobo!の2つです。例外的に、Power Automateのような海外製でも日本法人のサポートが厚い製品はありますが、本記事では扱いません。
WinActor|NTTデータの純国産RPA
WinActorは株式会社NTTデータが提供するRPAツールです。公式サイトでは「NTTグループにより開発・利用されてきた長い歴史と豊富な導入実績に裏打ちされた機能を備えた国産RPAソリューション」と説明されています(WinActor製品ページ)。
案件現場での特徴は、1台のPCで完結するデスクトップ型が基本という点です。サーバーを立てずに導入できるため、部門単位の小さな自動化から始まった企業に多く残っています。
シナリオはフローチャート状のノードを並べて作ります。変数の型をあまり意識せずに組めるため、情報システム部門以外の担当者が触っているケースも珍しくありません。裏を返すと、属人的に育った野良シナリオの整理が案件として切り出されることがあります。
BizRobo!|オブジェクト認識とサーバー実行が軸
BizRobo!はオープン株式会社が提供しています。公式サイトによれば、オブジェクト認識を基盤とした技術で、「視覚的にロボットを作成できる独自インターフェイスで、初めての方でも、プログラミング知識なしでロボットを作成可能」とされ、導入実績は3,000社以上と記載されています(BizRobo! 提供元サイト)。
WinActorとの実務上の違いは、サーバー上でまとめて動かす設計が前提になりやすいことです。スケジューラーが標準搭載されており、夜間や休日の無人実行が組みやすい。大量のWebデータ収集や、件数の多い基幹入力を回す案件で名前が挙がります。
製品ラインナップにはBasic・Lite・miniに加え、mini(ガバメントライセンス)という自治体向けの提供形態も用意されています。公共領域を意識した製品構成になっている点は、案件を探すうえで覚えておくと役に立ちます。
「国産RPA案件」と「RPA案件」は同じではない
求人票で「RPA案件」と書かれていても、中身はUiPathであることが多くあります。フリコン掲載のRPA案件600件に対し、UiPathが339件を占めているためです(2026年9月時点)。
ツールを指定して探すなら、WinActorの案件一覧やBizRobo!の案件一覧のように、製品名のタグで直接絞り込むのが早道です。
国産RPAとUiPathの違い|案件から見た3つの分岐点
結論から言えば、国産RPAとUiPathの違いは「優劣」ではなく「どこに案件があるか」の違いです。以下の3点が実務上の分岐点になります。
製品思想の違い
UiPathは海外製で、Orchestratorによる集中管理と大規模展開を強く意識した構成です。対してWinActorは1台から始められる手軽さ、BizRobo!はサーバー側でまとめて回す処理能力に軸足があります。
この違いは案件の役割にも表れます。UiPath案件では管理基盤の運用設計が論点になりやすく、国産RPA案件では現場業務のヒアリングとシナリオ実装が中心に置かれる傾向が見られます。
なお、UiPathそのものの資格体系・参入手順・実務スキルは「UiPath案件の単価相場|資格・参入条件・実務スキルを解説」で詳しく整理しています。本記事はUiPathを比較軸として扱う位置づけです。
案件数と単価の違い
以下はフリコンに掲載中の案件(募集終了を除く)を、ツール名タグ別に2026年9月時点で確認した数字です。公開案件のみを母集団とした観測値で、非公開案件は含みません。
ツール | 掲載件数 | 平均単価 | 単価レンジ |
|---|---|---|---|
RPA(全体) | 600件 | 月72万円 | 月35〜190万円 |
UiPath | 339件 | 月70万円 | 月35〜130万円超 |
WinActor | 111件 | 月69万円 | 月35〜150万円 |
BizRobo! | 15件 | 月69万円 | 月45〜100万円 |
平均値はほぼ横並びです。少なくともフリコンの公開案件ベースでは、単価面で国産RPAに大きな不利は見えません。差が出るのは選択肢の数で、UiPathとBizRobo!では掲載件数に20倍以上の開きがあります。
この差をどう読むか。BizRobo!に絞って案件を探すと選択肢が10件台に落ちるため、条件に合う案件が出るまで待ち時間が長くなりやすいというのが実務的な意味です。WinActorであれば100件規模の母数があり、条件を選びながら探せます。
学習コストと情報源の違い
WinActorは日本語のマニュアル・書籍・ベンダー研修が揃っています。日本語で完結できるぶん、立ち上がりは速い部類です。
一方、UiPathはコミュニティフォーラムや学習プラットフォームが国際的に整備されており、英語を読めるなら情報量で上回ります。国産RPAは情報が日本語に閉じている反面、製品固有の細かい挙動を検索で解決しにくい場面があります。ベンダーのサポート窓口やナレッジベースに当たる比率が、相対的に高くなります。
Q. UiPathの経験は国産RPAの案件で評価されますか
A. 評価されます。業務を分解してシナリオに落とす設計力は製品をまたいで通用するためです。ただし例外処理の作法やライブラリの持ち方は製品ごとに異なるため、「UiPath経験あり」だけでWinActor案件の即戦力と見なされるとは限りません。製品固有の差分をキャッチアップする姿勢を面談で示せると通りやすくなります。
WinActor・BizRobo!案件の単価相場
まず短答です。WinActor・BizRobo!案件の単価は月69万円前後が中心です。 フリコンの公開案件を見る限り、週5日稼働の準委任契約が大半を占めていました。
以下の数字は、2026年9月時点でフリコンに掲載中の公開案件(WinActor 111件、BizRobo! 15件、UiPath 339件)をツール名タグ別に確認したものです。実務経験のある方向けの案件が中心で、未経験可の募集は含まれていません。地域は首都圏の比率が高くなっています。
ツール別の単価レンジ
WinActor案件は月35万〜150万円の幅があり、平均は月69万円です。件数の分布では70万円台が最も多く、次いで80万円台が続きます。
BizRobo!案件は月45万〜100万円、平均は月69万円でした。最低額がWinActorより高い背景には、サーバー構成を含む案件が多いことが影響している可能性がありますが、母数が15件のため参考値として読んでください。
なお、非公開案件では個別条件で上振れするケースがあります。公開案件の数字とは分けて考える必要があります。
単価が動く4つの要因
シナリオ作成だけか、運用設計まで見るか。作るだけの案件より、ガバナンスや例外監視まで担う案件のほうが高く出ます
業務知識の有無。金融の事務処理や自治体の申請業務など、対象業務を理解している人は交渉余地が広がります
他ツールとの併用。WinActorとPower Automate、あるいはPythonやVBAを組み合わせられると、自動化の選択肢を提案できます
稼働形態。常駐前提の案件は、フルリモート案件より条件がまとまりやすい傾向が見られます
月90万円以上の案件を取れる人の像
高単価帯の案件は、単に「WinActorが書ける人」には出ません。実際の募集要件から逆算すると、次のような経歴が想定されています。
RPA開発の実務3年以上に加え、業務部門へのヒアリングから要件を固めた経験があること。加えて、複数部門に展開した際のシナリオ管理ルールを作った経験、あるいは障害時の切り分け手順を整備した経験。このあたりが揃うと、開発者ではなく推進役として見られます。
自分がどのくらいの単価を狙えるか気になる方は、無料のフリーランスエンジニア単価診断で現在の市場単価の目安を確認できます。単価を体系的に上げる考え方は「【2026年最新版】フリーランスエンジニアの単価相場と単価の上げ方とは?」で整理しています。
国産RPA案件の業務内容
国産RPA案件の中身は、大きく3系統に分かれます。募集要項の文面から読み取れる範囲では、次のような役割分担になっています。
業務系統 | 主な作業 | 求められる経験の目安 |
|---|---|---|
シナリオ作成・改修 | 業務ヒアリング、シナリオ実装、テスト | RPA実務1年以上 |
運用保守・ガバナンス | 稼働監視、エラー対応、シナリオ棚卸し、権限設計 | RPA実務2年以上+運用経験 |
業務分析・内製化支援 | 自動化対象の選定、費用対効果の試算、社内教育 | 業務改善・PM経験 |
フリコンの掲載内容を見る限り、WinActor案件では「要件確認→シナリオ作成→運用→保守」を一連で任される募集が目立ちます。BizRobo!案件では「要件ヒアリング〜開発〜リリースまでトータルで対応」という書き方や、「既存RPAの保守運用と軽微な修正」といった保守寄りの募集が見られました。
見落とされがちなのがシナリオ棚卸しの仕事です。数年運用した現場では、誰が作ったか分からないシナリオが動き続けていることがあります。対象業務が廃止されているのに、毎朝エラーメールだけが飛ぶ。こうした整理は地味ですが、内製化支援とセットで単価が付きやすい領域です。
RPAとノーコード自動化ツールの守備範囲の違いに関心があれば、「ローコードエンジニアとは|ノーコードとの違い・案件動向・スキル・将来性」もあわせて参考になります。
自治体・官公庁で国産RPAが選ばれる理由
結論として、自治体でWinActor・BizRobo!の名前を見かける一因は、日本語の帳票・様式への対応と、国内ベンダーのサポート体制が調達要件と相性がよい点にあるとみられます。BizRobo!に自治体向けのガバメントライセンスが用意されていることも、その一例といえます。
総務省調査で見る自治体のRPA導入状況
総務省は毎年、地方自治体のAI・RPA導入状況を調査しています。最新は令和7年度「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」で、令和7年10月31日時点の状況を1,788団体に照会し、回答率100%で令和8年4月24日に公表されたものです。
自治体区分 | RPA導入済の割合 |
|---|---|
都道府県 | 98% |
指定都市 | 100% |
その他の市区町村 | 44% |
実証中・導入予定・導入検討中を含めると、約62%がRPA導入に向けて取り組んでいるとされています。AI・RPAのいずれかを導入済みの団体は1,215団体(68.0%)で、そのうちRPAのみの導入が84団体(4.7%)、AIとRPAの両方が738団体(41.3%)です。
削減効果の事例も具体的です。同調査では、愛媛県が河川海岸等許可台帳の入力業務で年間3,300時間削減(99%減)など複数業務を合わせて年間26,128時間の削減、三重県桑名市が年間8,871時間、茨城県東海村が年間1,887時間という数字が挙げられています。
一方で課題も残っています。その他の市区町村では「取り組むための人材が不足している」「導入効果が不明」「何から取り組めばいいのか不明」といった回答が上位に並びました。人材不足が導入の壁になっている構図は、外部人材にとって仕事が生まれる余地でもあります。
自治体案件の出方と年度サイクル
自治体のRPAは予算事業として動くため、契約は年度(4月〜翌年3月)単位で区切られるのが基本です。単年度の委託として切り出され、翌年度に継続するかどうかが改めて判断される形が一般的といえます。
導入コストの分布にも特徴があります。同調査ではRPAの導入費用は「0円」の回答が最も多く、次いで「1円〜1,000千円未満」が続きました。年間運用費用は「1,000千円〜2,500千円未満」が最多です。少なくともこの費用分布からは、大型の開発案件というより、限られた予算で回す運用寄りの仕事が中心であることがうかがえます。
公共系案件そのものの契約形態や、セキュリティ要件・身元確認の実務は「官公庁・公共系のフリーランスエンジニア案件|単価相場・契約形態・セキュリティ要件を徹底解説」で詳しく扱っています。地方拠点から参画するルートは「地方エンジニアの案件の取り方|地方SIer・自治体DX・リモートの獲得ルート」が参考になります。
共同利用という調達形式
複数の自治体がRPAをまとめて使う「共同利用」も広がりを見せています。同調査では実施中が53団体、検討中が28団体でした。
形式としては「参加団体で仕様書等を統一し、調達は各団体が実施」が34件で最多、「幹事団体が一括して調達し、参加団体にライセンスを付与」が16件と続きます。共同利用の案件では、複数団体で共通して使えるシナリオを設計する視点が求められます。個別最適で作り込むと横展開できません。
Q. 自治体案件は常駐が必須ですか
A. 業務によります。住民情報を扱う基幹系はネットワーク分離の制約が強く、庁舎内での作業を求められるケースが多くなります。一方、内部事務の自動化や研修・伴走支援は一部リモートで組まれることもあります。募集要項の「取扱情報」欄を先に確認するのが確実です。
国産RPA案件に資格は必要か
結論として、資格は必須ではありません。ただしWinActor案件では、実務経験が浅い段階での補強材料になりやすいと考えられます。
RPA技術者検定(WinActor)
WinActorにはNTTデータが実施するRPA技術者検定があります。公式サイトの記載は次のとおりです。
区分 | 受験料(税込) | 試験時間 | 出題形式 | 開催 |
|---|---|---|---|---|
アソシエイト | 7,150円 | 60分 | 多肢選択式50問 | 通年開催 |
エキスパート | 21,780円 | 120分 | 多肢選択式30問(30分)+実技3問(90分) | 年2回(春・秋) |
アソシエイトは「基本機能と基本操作の知識を理解していることを認定」、エキスパートは「基本機能と基本操作の知識を理解し、シナリオを作成する技能を有していることを認定」する位置づけです。
実務的には、エキスパートのほうが評価につながりやすいと考えられます。実技3問が含まれるため、シナリオを作れることの証明になるからです。アソシエイトは通年受験できるので、案件を探しながら並行して取得する動き方もできます。
BizRobo!の検定と学習環境
BizRobo!にも認定制度が設けられていますが、受験料や実施時期などの詳細は、本記事の執筆時点で提供元の公開情報から確認できる範囲が限られていました。認定制度は時期や案内経路が変わる可能性があるため、受験可否や詳細は提供元の公式サイトで直接確認してください。
学習面では、BizRobo!のナレッジベースやコミュニティサイトが公開されています。製品固有の挙動はここで調べる形になります。
資格より効くもの
案件選考で強いのは、資格そのものより「何時間削減したか」を語れる実績です。総務省調査の事例でも、効果は削減時間で表現されています。
職務経歴書には、対象業務・件数・削減時間をセットで書いてください。「保険料の口座振替データ入力を自動化し、月40時間の手作業を5時間に短縮」のような粒度です。シナリオ本数だけを並べても、規模感が伝わりません。
ケース別|国産RPA案件への参入ルート
ケース1|社内でWinActorを触っていた情シス担当
最も移りやすいルートです。業務部門とのやりとりを経験しているため、ヒアリング工程をそのまま強みにできます。
準備としては、担当したシナリオを業務単位で棚卸ししておくこと。何の業務を、どれだけの件数で、どれくらい短縮したか。この3点が言語化できていれば、実務経験1年程度でも条件次第で案件が見つかる可能性があります。
ケース2|UiPath経験者が国産RPAへ広げる
選択肢を増やしたい人向けのルートです。UiPath案件339件に加えてWinActor案件111件が視野に入るため、探せる母数は単純合算でおよそ1.3倍になります。
注意点は例外処理の作法です。製品によって設計思想が違うため、UiPathの書き方をそのまま持ち込むと保守しづらいシナリオになります。参画初期はベンダーのマニュアルと既存シナリオの読み込みに時間を取ってください。
ケース3|VBA・Excel自動化から移る
業務自動化の発想は共通しているため、橋渡しがしやすいルートです。ただしVBAはアプリケーション内の自動化、RPAはアプリケーションをまたぐ自動化という違いがあります。
現実の案件では両方を求められることも多くあります。Excelマクロで前処理し、RPAで基幹システムへ投入する。こうした組み合わせが実務では普通に出てきます。VBA側の案件動向は「VBA案件のフリーランス単価相場|Excel業務自動化の実情と探し方」にまとめています。
ブラウザ操作の自動化に関心が向いた場合は、「Seleniumとは|ブラウザ自動化・スクレイピングの基本と案件への影響を解説」も守備範囲の理解に役立ちます。
よくある失敗と参画前チェックリスト
ツール名だけで案件を探して母数を見誤る。BizRobo!に絞ると公開案件は15件程度です。単一ツールで探し続けると稼働開始が遅れます。RPA全体で探し、面談でツール差分を確認する進め方のほうが現実的です。
ライセンス構成を確認せずに参画する。WinActorは契約したライセンスの種別によって、シナリオの作成・編集ができる範囲と実行のみに限られる範囲が分かれます。開発を任される前提だったのに、現場にあるのが実行用のライセンスだけ、という食い違いは起こり得ます。
野良シナリオの規模を聞かずに保守案件へ入る。数百本のシナリオが仕様書なしで動いている現場もあります。参画前に本数と管理状態を確認してください。
削減効果を語れないまま単価交渉に臨む。RPA案件の価値は削減時間で測られます。数字を持たずに単価だけ求めても、根拠が示せません。
参画前チェックリスト
使用製品とバージョン、ライセンス種別(作成・編集が可能か、実行のみか)を確認したか
既存シナリオの本数と、仕様書の有無を聞いたか
開発だけか、運用監視まで含むかを契約前に切り分けたか
対象システムがネットワーク分離環境か、リモートで触れるかを確認したか
自治体案件の場合、契約期間が年度で区切られる前提かを確認したか
過去の削減実績を、業務名・件数・削減時間の3点で書き出したか
まとめ
国産RPA案件は単価でUiPathに劣らず(平均月69万円前後)、違いは案件の母数と業務領域にあります。 WinActorなら100件規模の選択肢がありますが、BizRobo!は10件台のため探し方を工夫する必要があります。
WinActorはNTTデータ提供のデスクトップ型が基本。BizRobo!はオープン株式会社提供でサーバー実行に強みがある
フリコン掲載案件(2026年9月時点)は、WinActor 111件・平均月69万円、BizRobo! 15件・平均月69万円、UiPath 339件・平均月70万円
自治体のRPA導入率は都道府県98%・指定都市100%・その他市区町村44%(総務省・令和7年度調査)。市区町村層に余地が残る
資格はRPA技術者検定エキスパート(21,780円・実技あり)が実務証明として機能しやすい
選考で効くのは資格より削減時間の実績。業務名・件数・削減時間の3点で語れるようにしておく
次のアクションとしては、WinActor案件とRPA案件全体の両方を見比べ、自分の経験で届く条件帯を把握するところから始めてみてください。
参照した一次情報は以下のとおりです。
フリコン公開案件一覧(ツール名タグ別に2026年9月時点で確認)
案件件数・単価・稼働条件は募集状況によって変動します。最新の数字は案件一覧で確認してください。
よくある質問
WinActorとBizRobo!はどちらを覚えるほうが案件を取りやすいですか
案件数だけで見ればWinActorです。フリコン掲載でWinActorが111件、BizRobo!が15件でした(2026年9月時点)。ただしBizRobo!はサーバー実行の大量処理を扱う案件に寄るため、競合が少ないぶん条件が合えば決まりやすい面もあります。まずWinActorで母数を確保し、BizRobo!は選択肢として押さえる進め方が無難です。
国産RPAの案件は将来なくなりませんか
すぐになくなる性質のものではありません。自治体では市区町村の導入率が44%にとどまり、導入済み団体でも運用・棚卸しの需要が残っています。ただし新規開発の比率は下がり、保守・整理・内製化支援へ役割が移る可能性は意識しておくべきです。開発だけでなく運用設計まで扱えると、役割の変化に対応しやすくなります。
未経験からWinActor案件に参画できますか
フリーランスとしての完全未経験からは難しいのが実情です。掲載案件は実務経験者向けが中心で、未経験可の募集はほとんど見当たりません。現実的な順序としては、社内でRPA担当を経験するか、派遣・契約社員として実務を半年〜1年積んでから独立するルートになります。
RPA技術者検定のアソシエイトだけでも意味はありますか
意味はありますが、単独では決め手になりにくいと考えてください。アソシエイトは基本機能と基本操作の理解を認定する位置づけで、多肢選択式50問・60分という構成です。実務経験が1年以上あるなら、実技を含むエキスパートまで進めたほうが選考での説明力が上がります。
自治体のRPA案件はどこで募集されますか
直接の公募に加えて、自治体と契約したSIerやベンダーからの二次的な募集として出てくることが多くなります。フリーランス向けには、エージェント経由で「官公庁」「自治体」のキーワードが付いた案件として流通します。公共系の契約構造は多層になりやすいため、どの立場での参画かを契約前に確認してください。
WinActorのライセンス種別は案件にどう影響しますか
一般に、シナリオの作成・編集まで行えるライセンスと、作成済みシナリオの実行に用途が限られるライセンスが分かれています。現場に実行用しかない場合、開発作業は別環境で行う前提になります。種別や提供条件は改定される可能性があるため、詳細はWinActor製品ページで確認したうえで、参画前にどの種別が何本あるかを現場へ確認しておくとミスマッチを防げます。
UiPathからWinActorへ移るとき、どれくらいで慣れますか
RPA実務の経験があれば、基本操作そのものは比較的早くつかめるという声が多く聞かれます。ただし習熟までの期間は案件の複雑さや既存シナリオの本数に左右されるため、一律の目安は置きにくいのが実際です。時間がかかるのは製品固有のライブラリと例外処理の作法なので、既存シナリオの読み込みに参画初期の時間を充てられるか、スケジュールを事前に確認しておくと安全です。
国産RPA案件はリモートで働けますか
フリコンの公開案件を見る限り、ツールによって傾向が分かれます。WinActor案件ではフルリモート・一部リモート・常駐が混在しているのに対し、BizRobo!案件は常駐や一部リモートが中心でした(2026年9月時点・募集文面上の記載)。サーバー環境やネットワーク分離の制約が絡むほど、出社条件が付きやすくなります。
単価交渉ではどの数字を出すと効果がありますか
削減時間と対象業務の件数です。「月間3,000件の入力業務を自動化し、月40時間を削減」のように、業務規模と効果をセットで示してください。シナリオ本数だけでは難易度が伝わりません。複数部門へ展開した経験があれば、展開部門数も添えると推進役としての評価につながります。
RPAとノーコード自動化ツールは案件として別物ですか
重なる部分はありますが、募集のされ方は異なります。RPA案件は既存の業務システムを画面操作で自動化する文脈が中心で、ノーコード自動化ツールはSaaS間のデータ連携を担う文脈で出てくることが多くなります。守備範囲の整理は「ローコードエンジニアとは|ノーコードとの違い・案件動向・スキル・将来性」を参照してください。


