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青色申告承認申請書の期限|フリーランスエンジニアの提出方法と遅れた時の実務

制度・申請

最終更新日:2026/07/21

青色申告承認申請書の期限|フリーランスエンジニアの提出方法と遅れた時の実務

青色申告承認申請書とは、青色申告の適用を受けるために所轄税務署へ提出する届出書です。原則は青色申告をしようとする年の3月15日まで、その年1月16日以降に新規開業した場合は開業日から2か月以内に提出します。フリーランスエンジニアとして独立するタイミング別に、いつ・どう出すか、開業届との関係、期限を過ぎた場合の実務対応まで整理します。

先に結論

  • 原則の期限は「青色申告をしようとする年の3月15日」。翌年分から青色にしたい場合は、その年の3/15までに出す

  • 1月16日以降に新規開業した年は例外で、開業日から2か月以内が期限

  • 提出先は納税地の所轄税務署。e-Tax・郵送・持参の3ルートで出せる

  • 期限を過ぎるとその年分は青色にできない。翌年分から適用したい場合は、翌年分の期限内に改めて提出する

  • 開業届と青色申告承認申請書は別書類。同時提出できるが、開業届だけでは青色にならない

この記事でわかること

  • 青色申告承認申請書の役割と、出さなかった場合に起きること

  • 提出期限の原則と例外を一覧で把握する

  • 独立タイミング別(1〜3月独立/年央独立/副業からの切替 等)に、いつ提出すべきかの判断軸

  • 期限に間に合わなかった場合に、翌年分を確実に青色化する実務手順

  • 65万円控除を狙うために承認申請と併せて満たす要件

目次

  • 青色申告承認申請書とは何のための書類か

  • 青色申告承認申請書の提出期限【原則と例外一覧】

  • フリーランスエンジニアの独立タイミング別・提出期限の考え方

  • 青色申告承認申請書の書き方【記入項目と選択のポイント】

  • 青色申告承認申請書の提出方法【e-Tax・郵送・持参】

  • 期限に間に合わなかった場合の実務対応

  • 65万円控除を狙うなら承認申請と併せて満たす要件

  • 青色をやめる・変更する時の届出

  • よくある失敗と対策

  • フリーランスエンジニアの青色申告 実践チェックリスト

  • まとめ

  • よくある質問

青色申告承認申請書とは何のための書類か

青色申告承認申請書は、正式名称を「所得税の青色申告承認申請書」といい、事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかがある人が青色申告の適用を受けるために提出する書類です。個人事業主として開業するフリーランスエンジニアの場合、事業所得が対象になります。

この書類を出さない年分は、自動的に白色申告扱いになります。売上をいくら計上しても、経費をいくら積み上げても、白色のままでは青色特典(最大65万円の青色申告特別控除、青色事業専従者給与、純損失の3年繰越 等)を使えません。国税庁のNo.2070 青色申告制度に制度の全体像が整理されています。

承認申請と開業届は別書類(同時提出は可能)

フリーランスエンジニアが独立する時、税務署へ出す書類は主に3つあります。

書類

目的

提出しないと

個人事業の開業届

事業を開始したことの届出

罰則はないが、屋号での口座開設や補助金申請で不利になる場合がある

青色申告承認申請書

青色申告の適用を受ける

その年分は白色申告になる

青色事業専従者給与に関する届出書

家族へ支払う給与を必要経費に算入

家族への給与を経費にできない

開業届と青色申告承認申請書は同じタイミングで一緒に提出できますが、開業届を出しただけでは青色申告は選べません。独立時にセットで検討するのが実務的です。開業届の書き方や添付書類は「フリーランスエンジニアのための開業届ガイド」で詳しく整理しています。

ミニFAQ

Q. 開業届だけ提出済みで承認申請を忘れました。今年分は青色にできますか?

A. 期限内(3/15、または開業から2か月以内)を過ぎていれば、その年分は青色にできません。翌年分から青色にするには、遅くとも翌年3月15日までに承認申請書を提出します。出し忘れ防止のため、気づいた時点で早めに提出しておくのが無難です。

Q. 副業エンジニアも承認申請は必要ですか?

A. 副業でも、その所得が事業所得として認められる規模・継続性があれば承認申請できます。所得区分が「雑所得」の場合は青色申告の対象外です。判定は「副業エンジニアの確定申告」を参照してください。

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青色申告承認申請書の提出期限【原則と例外一覧】

期限のルールは大きく4パターンあります。国税庁「No.2070 青色申告制度」および「[[手続名]所得税の青色申告承認申請手続](https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm)」に基づく整理です。

ケース

提出期限

原則(既に事業を営んでいる/白色から青色へ切替)

青色申告をしようとする年の3月15日まで

その年1月16日以降に新規開業

業務を開始した日から2か月以内

被相続人が白色申告者で、事業を承継

業務を承継した日から2か月以内(承継日が1月16日以降の場合)

被相続人が青色申告者で、事業を承継

死亡日により異なる(次項の表を参照)

3月15日が土日祝に当たる年は、翌営業日にずれます。原則ベースは3/15であって3/16ではありません。年分の考え方は「令和◯年分」で、「令和◯年度」ではない点にも注意してください(所得税は年分表記が正式)。

相続で事業を引き継いだ場合の特例

被相続人(亡くなった方)が青色申告者だった場合、承継人(相続人)の提出期限は死亡日で3区分に分かれます。

被相続人の死亡日

承継人の提出期限

1月1日〜8月31日

死亡日から4か月以内

9月1日〜10月31日

その年の12月31日

11月1日〜12月31日

翌年2月15日

エンジニアが親族の個人事業を引き継ぐケースは多くありませんが、実家の事業と並行して個人事業を営む場合等は該当し得ます。

ミニFAQ

Q. 12月31日に開業しました。「2か月以内」はいつまでですか?

A. 起算日は業務開始日で、その日から2か月経過する日が期限です。12/31開業なら翌年2/28(うるう年なら2/29)が期限になります。個別ケースの起算日判定に不安がある場合は、所轄税務署に電話で確認できます。

Q. 1月1日〜1月15日に開業した場合の期限は?

A. その年1/15までの開業は「新規開業の2か月以内」に該当しないため、原則ルール(その年3/15まで)が適用されます。開業から3/15までの日数が短くなる点に注意してください。

フリーランスエンジニアの独立タイミング別・提出期限の考え方

「いつ独立するか」で承認申請の期限も変わります。エンジニアの独立パターン別に整理します。

ケース1:1〜3月独立(年初〜期限直前)

会社を年末退職して1月に開業するケースが多いパターンです。開業日が1/16以降なら「2か月以内」ルール、1/15以前なら3/15までルールが適用されます。

実務ポイント:1月開業なら開業届と承認申請を同時提出しやすい時期です。3月に開業すると、承認申請の期限(2か月以内)と、前職の年末調整で完結していない場合の確定申告期限(3/15)が重なるため、早めの準備をおすすめします。前職の源泉徴収票は退職時に受け取っておきましょう。

ケース2:年央独立(4月〜10月)

会社の期末を待って独立する場合や、案件確保後に独立するケースが該当します。開業日から2か月以内が期限になるため、開業届と承認申請を同時に出すのがシンプルです。

実務ポイント:この時期の独立は、会社員時の給与収入と個人事業の収入が同じ年に発生します。翌年の確定申告で両方を申告することになるため、開業初年度から青色化しておくメリットが大きい時期です。開業初年度の申告実務は「開業1年目の確定申告」に整理しています。

ケース3:年末独立(11月〜12月)

年内の残業務を整理し、翌年から本格稼働するパターンです。11〜12月に開業した場合、承認申請の期限は「開業日から2か月以内」で、翌年の1月〜2月頃に期限が来ます。

実務ポイント:年末開業だと、独立初年度(当年)の売上が数か月分しかないため、当年分だけを見ると青色特典の効果は限定的です。ただし翌年から本格稼働するなら、承認申請を出し忘れると翌年分の適用も失うため、開業日から2か月以内で必ず提出します。

ケース4:副業から本業フリーランスへの切替

副業として個人事業を続けていた人が本業化する場合、既に開業届と承認申請を提出済みなら追加手続きは不要です。副業時代に開業届も承認申請も未提出だった場合、事業開始日をいつとみるかで期限判定が変わります。副業時代からすでに事業実態がある場合は本業化日を機械的に新規開業日とせず、実態に応じて所轄税務署に確認しながら判断するのが安全です。副業から本業への稼働設計は「エンジニアの副業から独立への稼働設計」も参考にしてください。

ケース5:白色申告を続けていて、青色に切り替える

既に個人事業主として白色で申告している人が翌年分から青色にしたい場合、その年の3月15日までが提出期限です。例えば令和9年分から青色にしたいなら、令和9年3月15日まで(3/15が土日祝の場合は翌開庁日)に提出します。青色か白色かの判断軸は「青色申告と白色申告の違い」で比較しています。

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青色申告承認申請書の書き方【記入項目と選択のポイント】

書類は国税庁サイトからダウンロードできます(A4片面1枚)。記入項目は多くありません。

主要記入項目

項目

記入内容

提出先

納税地の所轄税務署名

氏名・生年月日・職業

「フリーランスエンジニア」「システムエンジニア」等、具体的な職業名

屋号

屋号がある場合のみ記入。無ければ空欄で可

事業所所在地

自宅事業なら住所と同一。別途事業所があればその住所

所得の種類

事業所得にチェック(不動産所得・山林所得も該当があればチェック)

いままでに青色申告承認の取消しを受けたこと又は取りやめをしたことの有無

該当があれば年月日を記入

開始年月日(本年1月16日以後に事業を開始した場合)

該当年に新規開業した場合のみ記入

相続による事業承継の有無

相続で承継した場合のみ記入

簿記方式

複式簿記/簡易簿記/その他 のいずれかを選択

備付帳簿名

使う帳簿にチェック(現金出納帳、売掛帳、仕訳帳、総勘定元帳 等)

簿記方式の選び方(65万円控除への影響)

簿記方式の欄は青色申告特別控除の金額に直結します。

  • 複式簿記を選択 → 55万円または65万円控除を目指せる

  • 簡易簿記を選択 → 10万円控除にとどまる

65万円控除を受けるには、複式簿記に加えてe-Taxによる電子申告、または電子帳簿保存法に対応した優良な電子帳簿の保存のいずれかが必要です。承認申請で「複式簿記」にチェックしただけでは65万円にならない点に注意してください。控除区分の詳細は「フリーランスエンジニアの節税対策」で整理しています。

備付帳簿の選び方

会計ソフト(freee会計・マネーフォワード クラウド確定申告・弥生の青色申告オンライン等)を使う場合は、複式簿記に必要な帳簿(仕訳帳・総勘定元帳)が自動で作成されます。備付帳簿欄には、少なくとも仕訳帳・総勘定元帳の2つはチェックしておきます。手書きや表計算ソフトで進める場合も、必要な帳簿の種類は変わりません。

ミニFAQ

Q. 備付帳簿は後から追加できますか?

A. 実務上、備付帳簿の記載内容と実際に付けている帳簿が異なっても、青色申告の適用自体が直ちに取り消される事例は限定的です。ただし税務調査時に「申請時に付けると宣言した帳簿を実際に付けていない」と指摘されると信頼性を損ないます。会計ソフトで生成される帳簿を漏れなくチェックしておくのが安全です。

Q. 屋号は必ず書く必要がありますか?

A. 屋号は任意記入です。エンジニアの場合、屋号を付けずに個人名で活動する人も多く、空欄でも承認申請の受理には影響しません。屋号での銀行口座開設や請求書発行を予定するなら開業届と承認申請の両方に同じ屋号を書いておくと後の手続きが楽になります。

青色申告承認申請書の提出方法【e-Tax・郵送・持参】

提出方法は3ルートあります。

ルート1:e-Taxで提出(推奨)

マイナンバーカードとICカードリーダー(またはマイナンバーカード読取対応スマートフォン)があれば、e-Taxソフト(Web版)から送信できます。

  • メリット:24時間送信可能、控えの電子データを保管しやすい、税務署に出向く必要がない

  • 注意点:初回はe-Taxの利用者識別番号取得や電子証明書の登録が必要。事前準備に30分〜1時間程度かかる

65万円控除を狙うなら確定申告もe-Taxで行うため、この段階でe-Tax環境を整えておくと確定申告時にスムーズです。e-Taxの操作手順は「e-Taxで確定申告するやり方」に整理しています。

ルート2:郵送で提出

書類を印刷・記入して所轄税務署へ郵送します。提出日は通信日付印で判定されます。期限日間際は特定記録・簡易書留など送付記録が残る方法が安全です。

  • 控えを取りたい場合は、記入済みの書類のコピーと、切手を貼った返信用封筒を同封します

  • 控えの取り扱いは近年運用が変わっているため、返送方法や記載事項は所轄税務署の最新案内で確認してください

ルート3:税務署へ持参

所轄税務署の窓口へ直接提出する方法です。開業届と一緒に持参して両方受理してもらう独立初期の定番パターンです。控えの取り扱い(受付印の有無・記載事項)は近年運用変更があるため、事前に所轄税務署の最新案内を確認しておくと確実です。

  • メリット:不明点をその場で相談できる、控えを手元に残しやすい

  • 注意点:税務署の受付時間は平日8:30〜17:00。1〜3月の確定申告シーズンは特に混みやすい

提出方法の選び方

状況

おすすめルート

独立直後で税務署を初めて訪問する

持参(開業届・承認申請を同時提出+不明点を相談)

既にe-Tax環境を整えている

e-Tax

期限が迫っている

郵送(消印日で判定)

平日昼間に税務署へ行けない

e-Taxまたは郵送

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期限に間に合わなかった場合の実務対応

期限を過ぎた場合、その年分は青色にできません。ただし対応次第で翌年分からは確実に青色化できます。

実務対応の手順

  1. その年分は白色で確定申告する:期限徒過分は白色申告で確定申告する。売上・経費の記帳は継続しておく(翌年以降の青色に備える)

  2. 翌年分の申請として承認申請書を提出:翌年分から青色にするため、その年の3月15日までに提出する。「翌年分」と明記する必要はなく、書類そのものを期限内に出せば翌年分から適用される

  3. 翌年分から青色特典を活用:翌年分から複式簿記+e-Taxで65万円控除を狙う

やってはいけない対応

  • 期限後に承認申請書を提出して、その年分から青色を主張する:期限徒過分は制度上、青色申告できません。無理に青色として決算書を提出すると、後日税務署から確認が入り修正申告を求められる可能性があります

  • 申請書を出さないまま「青色決算書」を作って提出する:受理されず、白色として処理されるか、修正を求められます

ミニFAQ

Q. 期限を1日過ぎてしまった場合、救済措置はありますか?

A. 制度上、期限徒過の救済措置は限定的です。災害等の「やむを得ない事情」がある場合の申請期限延長制度はありますが、単に失念した場合は該当しません。翌年分の申請として気持ちを切り替えて提出するのが実務的な対応です。

65万円控除を狙うなら承認申請と併せて満たす要件

青色申告承認申請書を出しただけでは65万円控除は受けられません。青色申告特別控除の3区分と要件を整理します。

控除額

要件

65万円控除

①事業所得(または不動産所得のうち事業的規模)がある ②複式簿記で記帳 ③貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付 ④確定申告期限内に提出 ⑤e-Taxで電子申告、または電子帳簿保存法の要件を満たした優良な電子帳簿の保存

55万円控除

上記①〜④を満たすが、⑤の電子申告・電子帳簿保存を行わない

10万円控除

青色申告の承認を受けた事業所得等が前提。簡易簿記の場合は10万円控除にとどまる(雑所得は青色申告そのものの対象外)

65万円と55万円の差である10万円分は「電子化要件」を満たすかどうかで決まります。承認申請で「複式簿記」にチェックし、確定申告時にe-Taxで申告することで65万円控除まで到達できます。

エンジニアが電子化要件を満たしやすい理由

エンジニアは業務で電子環境が整っており、e-Tax・電子帳簿の運用ハードルが他業種と比べて低い傾向があります。マイナンバーカードの取得、会計ソフトの導入、e-Taxアカウントの作成といった環境整備を独立初期にまとめて済ませておくのがおすすめです。

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青色をやめる・変更する時の届出

一度青色を選んだ後の変更・取りやめには別の届出書が必要です。

青色を取りやめたい場合

「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を、取りやめようとする年の翌年3月15日までに納税地の所轄税務署へ提出します。例えば令和8年分から白色に戻したい場合、令和9年3月15日までが期限です。

屋号や事業所所在地が変わる場合

承認申請書自体の再提出は不要です。住所・納税地・屋号変更時に必要となる手続き(開廃業等届出書/異動届/届出不要のケース等)は変更内容や年度で扱いが異なるため、国税庁の最新案内または所轄税務署で確認してください。

廃業する場合

「個人事業の開廃業等届出書」で廃業を届け出ます。廃業年分の確定申告は通常どおり翌年3/15までに行います。事業を廃止した年分も含めて青色特典(青色専従者給与、繰越純損失等)は最終年まで有効です。

よくある失敗と対策

フリーランスエンジニアの独立初期に見かける承認申請まわりの失敗パターンです。

失敗1:開業届は出したが承認申請を忘れた

背景:開業届のフォームは有名だが、承認申請書は別書類だと知らずに開業届だけ提出するケース。

対策:開業届提出時に「青色申告承認申請書」も同時提出できる旨を税務署窓口で確認する、または国税庁サイトから両方のフォーマットをダウンロードして同時に用意する。会計ソフト(freee開業・マネーフォワード クラウド開業届等)を使うと両書類を同時生成できます。

失敗2:「複式簿記」にチェックしたのに簡易簿記で記帳していた

背景:承認申請書では複式簿記を選択したが、実際は表計算ソフトで現金出納帳的な記帳だけ行っていた。

対策:確定申告時に貸借対照表を作れず、55万円・65万円控除を受けられなくなる。会計ソフトを導入して仕訳帳・総勘定元帳が自動生成される状態にしておく。

失敗3:期限徒過で「なんとかその年分から青色にしたい」と粘る

背景:期限を過ぎたことに気づいて、後付けで青色申告を主張する対応。

対策:期限徒過分は制度上救済されません。潔く白色で申告し、翌年分の承認申請を早めに出すのが唯一の実務対応です。

失敗4:屋号や事業所住所が変わったのに何も届出しなかった

背景:引越しやリブランディングで事業実態が変わったが、税務署への届出を忘れた。

対策:住所変更・屋号変更は「個人事業の開廃業等届出書」で届け出る。屋号を変えた場合、請求書や口座名義との整合性も見直しておく。

失敗5:副業時代の所得区分(雑所得)のまま承認申請を出そうとした

背景:副業で雑所得として申告してきた収入について、突然青色を主張したケース。

対策:青色申告は事業所得・不動産所得・山林所得が対象で、雑所得は対象外です。事業所得として申告できる規模・継続性・独立性があるかを事前に確認します。開業届の提出だけで所得区分が事業所得に切り替わるわけではなく、実態に基づいて判断されます。判断が難しい場合は所轄税務署や税理士に相談してから承認申請を出しましょう。

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フリーランスエンジニアの青色申告 実践チェックリスト

独立初期に確認しておくべき項目を一覧化しました。

  • 開業届と青色申告承認申請書を用意した

  • 提出先の所轄税務署を確認した(住民票の住所または事業所所在地)

  • 承認申請書の簿記方式は「複式簿記」にチェックした(65万円控除狙いの場合)

  • 備付帳簿は仕訳帳・総勘定元帳を含めてチェックした

  • 独立タイミングに応じた期限(原則3/15、または開業日から2か月以内)を把握した

  • 提出方法(e-Tax/郵送/持参)を選択した

  • 控えを保管する準備をした(e-Taxならデータ、郵送・持参なら受付印つきコピー)

  • 会計ソフトを導入した(複式簿記対応・電子帳簿保存対応)

  • マイナンバーカードとe-Tax環境を整えた(電子申告での65万円控除を狙う場合)

年収・単価の面から独立準備を進めたい方は、無料のフリーランスエンジニア単価診断で市場単価の目安を確認しておくと、税制メリットの見積もりもしやすくなります。

まとめ

青色申告承認申請書の提出期限は、原則その年の3月15日まで、1月16日以降の新規開業なら開業日から2か月以内です。 期限を逃すとその年分の青色特典(最大65万円控除、青色専従者給与、純損失の3年繰越 等)をまるごと失う制度のため、フリーランスエンジニアが独立するタイミングで最初に押さえておきたい書類です。

要点を再整理します。

  • 期限の原則は「青色申告をしようとする年の3月15日」、その年1/16以降の新規開業なら「開業日から2か月以内」

  • 開業届と承認申請書は別書類。同時提出できるが、開業届だけでは青色にならない

  • 提出方法はe-Tax・郵送・持参の3ルート。65万円控除を狙うならe-Tax環境を整えておくとその後の確定申告もスムーズ

  • 65万円控除には「複式簿記+e-Tax(または優良な電子帳簿保存)」の両立が必要

  • 期限徒過分は白色で申告し、翌年分の承認申請を早めに出すのが唯一の実務対応

税務判断や個別事情の判定は、所轄税務署や税理士へ相談することをおすすめします。青色申告全般の判断軸は「青色申告と白色申告の違い」、確定申告の具体的な手順は「フリーランスエンジニアの確定申告」、開業1年目の判断は「開業1年目の確定申告」でそれぞれ整理しています。

参照した一次情報:

よくある質問

AnswerMark

副業の所得が事業所得と判定されるほどの規模・継続性・独立性があれば出せます。単発の受託にとどまり、継続的な営業活動や独立した受注体制が乏しい場合は雑所得と判断されることがあり、青色申告の対象外です。所得区分は金額だけでなく実態で総合判断されるため、判断が難しい場合は所轄税務署や税理士に相談してください。所得区分の判定は「副業エンジニアの確定申告」も参照してください。

AnswerMark

別の用紙です。国税庁サイトから両方をダウンロードして、同時に税務署へ提出できます。会計ソフトの開業支援機能(freee開業等)を使うと2枚まとめて生成できます。

AnswerMark

国税庁の手続案内上、その年の12月31日までに税務署から却下通知がなければ承認されたものとみなされます。多くのケースで連絡は来ません。提出事実が確認できる控え(e-Taxの受信通知、郵送の送付記録、持参時の受理確認)を保管しておくのが安心です。

AnswerMark

制度上、①過去に青色承認の取消しを受けてから1年経過していない ②帳簿書類の備付け等が不十分と認められる場合に却下されます。制度上の却下事由に当たらなければ、通常は承認手続が進みます。

AnswerMark

期限日が土日祝の場合は、翌営業日まで延長されます。3/15が土曜なら3/17(月)まで、3/15が日曜なら3/16(月)までとなります。特定の年に確実な期限を確認したい場合は国税庁サイトの当該年分のカレンダーを参照してください。

AnswerMark

e-Tax上で正常受付された日時が基準になります。期限日当日は混雑やメンテナンスで送信できない場合もあるため、前日までの送信が安全です。詳細な受付ルールは国税庁のe-Tax案内で確認してください。

AnswerMark

青色申告承認申請書に加えて「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。原則は青色専従者給与を必要経費に算入したい年の3/15まで、その年1/16以降に新規開業した場合や新たに専従者となる家族ができた場合はその日から2か月以内が期限です。

AnswerMark

承認申請書の再提出は不要です。屋号の追加・変更時の届出要否や様式は運用変更があるため、所轄税務署で最新の取り扱いを確認してください。銀行の屋号付き口座を作りたい場合は、受理された届出書の控えを求められることがあります。

AnswerMark

白色の様式(収支内訳書のみ)で提出した場合、原則として青色特典は適用されません。青色決算書(貸借対照表・損益計算書)を添付した申告書の提出期限内であれば、期限内に提出し直すことで青色として認められる可能性があります。青色決算書の作り方は「青色申告決算書の書き方」を参照してください。

AnswerMark

簿記方式の変更のために新たな届出書は用意されていませんが、実務上は次年度以降の記帳内容と申告実態で判定されます。65万円・55万円控除から10万円控除へ下がる方向の変更は、そもそも控除要件を満たさなくなるだけで別途手続きは求められないのが通常です。

AnswerMark

税務署で「保有個人情報開示請求」を行うことで控えの写しを取得できます。開示請求は手数料がかかり、時間もかかるため、控えは大切に保管してください。今後の対策として、e-Taxで提出して電子データで残す、または郵送・持参時に受理を確認できる控えを必ず手元に残す運用に切り替えます。

AnswerMark

廃業後に新たに事業を始める場合、事業内容や所得区分によっては新規開業扱いとなり、改めて青色申告承認申請書の提出が必要です。廃業から短期間で再開業する場合の扱いは個別事情で変わるため、所轄税務署に相談するのが安全です。

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