AWS RDSとは|マネージドDBの基本・MySQL/PostgreSQLとの違い・案件単価をフリーランス視点で解説
最終更新日:2026/06/02
AWS RDSとは、AWSが提供するフルマネージド型のリレーショナルデータベースサービスで、MySQLやPostgreSQLなど複数のDBエンジンを運用負荷を大きく減らして利用できる仕組みです。RDSは「DB製品名」ではなく「運用基盤のサービス名」で、MySQL/PostgreSQL自体を置き換えるものではありません。本記事ではRDSの基本機能から料金体系、AuroraやEC2自前構築との違い、フリーランス案件の単価相場まで、現場で迷わない判断軸を整理して解説します。
先に結論
Amazon RDSではMySQL・PostgreSQL・MariaDB・Oracle・SQL Server・Db2といったエンジンをマネージドで利用でき、同じAWSのマネージドRDB系サービスとしてAuroraも比較対象になる
Multi-AZ・自動バックアップ・リードレプリカなどの機能を利用でき、自前構築の運用工数を大きく削減できる(有効化や追加コストは構成次第)
料金はインスタンス時間+ストレージ+データ転送+バックアップで構成され、無料利用枠から試せる(対象条件は時期で変わるためAWS公式で確認)
Auroraとの選択軸は「性能・可用性重視ならAurora、既存DBの移行や特定バージョン固定なら通常RDS」が目安
公開案件ベースでは、2〜3年で月60万円台後半、5年以上で月90万円台後半のレンジが見られ、AWS全体設計やIaCを担える人材が高単価帯の中心
この記事でわかること
AWS RDSの基本機能とマネージドDBが解決する課題
対応6エンジンと、Aurora・RDS・EC2自前構築の使い分け
料金構造と、見落としやすい課金ポイント
フリーランス案件の単価帯と求められるスキル
設計・運用の失敗パターンとリカバリ手順
目次
AWS RDSとは|運用工数を削るマネージドDBの正体
RDSが対応する6つのDBエンジンとMySQL/PostgreSQLとの関係
RDSの主要機能|知らないと損する5つの仕組み
RDS・Aurora・EC2自前構築の使い分け
AWS RDSの料金体系|見落としやすい4つの課金軸
ケース別の選び方|案件タイプから逆算する
AWS RDS案件のフリーランス単価相場
RDSでよくある失敗と対策
実践チェックリスト|RDS導入時の確認項目
まとめ
よくある質問
AWS RDSとは|運用工数を削るマネージドDBの正体
AWS RDS(Amazon Relational Database Service)は、MySQLやPostgreSQLそのものではなく、それらをAWS上で運用しやすくするマネージドサービスです。EC2の上に自前でMySQLをインストールする場合と違い、OS・DBエンジンのパッチ適用、バックアップ、フェイルオーバーをAWSが自動で実施します。
開発者が触れるのは「DB接続エンドポイント」「パラメータグループ」「セキュリティグループ」など、論理層に近い設定だけ。OSログインや物理ディスク管理は不要です。詳細はAWS公式のRDS紹介ページが一次情報になります。
マネージドDBが解決する3つの運用課題
オンプレやEC2自前構築で発生する典型的な負担を、RDSは以下のように吸収します。
パッチ適用:DBエンジンのマイナーアップデートをメンテナンスウィンドウで自動適用
冗長化:Multi-AZ構成のチェックボックス1つでスタンバイ作成と自動フェイルオーバーが有効化
バックアップ:日次の自動スナップショットと最大35日のポイントインタイムリカバリ(PITR)
逆に言えば、ここを自前で組むには専任のDBA(データベース管理者)や運用エンジニアの工数がかかります。RDSは「人件費を月額料金に振り替える」サービスとも言えます。
自前構築との境界線
RDSが自動化するのは「DBエンジン本体とその周辺運用」だけです。アプリ側の遅いクエリ、不適切なインデックス、N+1問題はRDSでも自前構築でも同じく発生します。マネージドだから何もしなくていい、という誤解は避けてください。SQLチューニングや論理設計の責任は引き続き開発側にあります。
ミニFAQ:RDSにSSHで入れますか?
いいえ。OSログインはできません。OSレベルの調査はCloudWatchログとEnhanced Monitoring、Performance Insightsで行います。OS制御が必要ならEC2自前構築に切り替える必要があります。
RDSが対応する6つのDBエンジンとMySQL/PostgreSQLとの関係
ここで整理しておきたいのが、RDSとMySQL/PostgreSQLの関係です。MySQL/PostgreSQLは「DBエンジンの名前」で、RDS上で動かすことも、EC2やオンプレで自前運用することもできます。RDSはあくまで「運用を引き受ける基盤」で、エンジン本体ではありません。
通常のAmazon RDSでは、時点によって対応エンジンが更新されるため、最新の対応状況は公式ドキュメントで確認が必要です。2026年6月時点で代表的に利用できるエンジンは以下です。ライセンス込みで利用できるエンジン(BYOLも選択可)と、オープンソース系で完全従量課金のエンジンが混在する点が特徴です。
DBエンジン | ライセンス形態 | 主な用途 | フリコンの関連記事 |
|---|---|---|---|
MySQL | オープンソース | Webサービス全般 | |
PostgreSQL | オープンソース | 分析系・GIS含む高機能DB | |
MariaDB | オープンソース | MySQL派生・既存資産の移行 | ― |
Oracle | 商用(BYOL/ライセンス込) | 大規模基幹系 | ― |
SQL Server | 商用(BYOL/ライセンス込) | .NET系業務システム | ― |
Db2 | 商用 | メインフレーム連携 | ― |
加えて、AWSが独自開発したAuroraがRDSファミリーに含まれます。AuroraはMySQL/PostgreSQL「互換」エンジンで、ストレージ層が分離された独自アーキテクチャを採用しています。
エンジン選定の出発点
新規プロジェクトでエンジンを決める場面では、次の順で絞り込むと迷いません。
既存システムの移行か新規開発か
ライセンスの持ち込み(BYOL)が必要か
性能要件・将来のスケール余地
既存のOracle/SQL Server資産があるなら、まずはRDS for Oracle/SQL Serverで移行コストを最小化する選択肢が現実的です。新規開発ならAurora MySQLかAurora PostgreSQLを第一候補に置き、開発初期の小規模フェーズでは通常のRDS MySQL/PostgreSQLでコストを抑える、という二段構えもよく見られます。
RDSの主要機能|知らないと損する5つの仕組み
RDSの値段の大半は、以下の自動化機能に支払うサービス料です。機能を理解しておくと、設計レビューや運用提案の場で説得力が増します。
Multi-AZ配置|可用性99.95%を支える仕組み
Multi-AZを有効にすると、別のアベイラビリティーゾーン(AZ)に同期レプリケーション型のスタンバイインスタンスが作られます。プライマリ障害時はDNSエンドポイントの向き先が自動で切り替わり、数十秒〜数分でフェイルオーバーが完了します。
対象構成ではSLAが設定されており、本番ワークロード向けの数値が公式に示されています。エンジンや構成で適用条件が変わるため、最新の適用条件はAWS公式のSLAページで確認してください。料金はおおむねシングルAZの2倍に近づくため、開発環境ではあえて無効化してコストを抑えるケースも多いです。
自動バックアップとポイントインタイムリカバリ
RDSは日次の自動スナップショットに加え、トランザクションログをS3に転送して任意の秒単位への復旧(PITR)を可能にしています。保持期間は最大35日です。「先週の水曜14時23分に戻したい」という要望に応えられる仕組みは、自前構築では工数のかかる領域です。
ミニFAQ:自動バックアップにも料金はかかりますか?
日々のDBサイズと同等量までは無料、超過分はGB単位でストレージ課金されます。長期間保持や大規模DBでは見落とされやすいコスト要因です。
リードレプリカ|読み取り性能を水平スケール
リードレプリカは、参照クエリを別インスタンスに振り分けて読み込み性能を伸ばす機能です。対応有無や作成可能な上限数はエンジンごとに異なります。設計時は対象エンジンの公式ドキュメントで最新仕様を確認してください。
クロスリージョンレプリカを使えばDR(災害復旧)構成も可能です。ただし非同期レプリケーションなので、最新書き込みが反映されるまでに遅延がある点には注意してください。
Performance Insights|SQL単位でボトルネックを可視化
Performance InsightsはSQLレベルで負荷を可視化するツールです。スロークエリログを目視で追わなくても、ヒートマップ上で「どのSQLが・どのリソースを・どれだけ食っているか」を時系列で確認できます。
保持期間や料金体系は変更されることがあるため、利用前にAWS公式の料金ページで最新条件を確認してください。トラブルシュート前提なら有効化しておく価値がある機能です。
RDS Proxy|サーバレス時代の接続プーリング
Lambdaなど短命なコンピュート層からRDSに大量接続する構成では、コネクション枯渇が発生しがちです。RDS Proxyを挟むことで接続を再利用し、DB側の接続数を一定範囲に抑えられます。サーバレス構成と組み合わせる場合の定番パターンです。
詳しくはAWS Lambdaとはも参考になります。
RDS・Aurora・EC2自前構築の使い分け
「RDSは便利」と言われても、Auroraや自前構築と比較してどう選ぶかが決まらないと案件提案の場で説得できません。3つを横並びで整理します。
観点 | RDS(通常エンジン) | Aurora(MySQL/PostgreSQL互換) | EC2自前構築 |
|---|---|---|---|
運用工数 | 低(AWSが管理) | 低(AWSが管理) | 高(自前運用) |
スループット | DB標準性能 | AWS公表のベンチマークでは高い性能が示されている(実ワークロードの差は要検証) | チューニング次第 |
可用性 | Multi-AZで高可用化 | 6コピー×3AZの分散ストレージ | 自前設計が必要 |
バージョン追従 | 比較的早い | AWS独自実装の調整が入るため遅め | 任意 |
OS制御 | 不可 | 不可 | 可能 |
月額イメージ | 中 | やや高 | 安いが人件費が上乗せ |
向く案件 | 既存DBのクラウド移行 | 高性能・高可用性が必要な新規開発 | 特殊なOS拡張・OSSプラグインが必要 |
性能倍率はAWS公表のベンチマーク条件に依存する数値です。実ワークロードでの差はクエリ特性やインスタンスサイズで変動するため、移行検討時はステージング環境での実測が前提になります。
Auroraを選ぶケース
Auroraは「ストレージ層を分散KVSとして再設計した」点が通常のRDSと根本的に違います。ストレージは自動で10GBから128TiBまで拡張し、6つのコピーを3つのAZに分散保持します。書き込みのレイテンシを犠牲にせず、可用性を強化する作りです。
サーバレス(Aurora Serverless v2)を使えば、リクエストに応じてDBキャパシティを自動でスケールできます。トラフィック変動が読みにくいSaaSやBtoC向けの新規プロジェクトとの相性が良いです。
通常RDSが向くケース
一方で、以下の条件に当てはまるなら通常のRDSが無難です。
既存のMySQL/PostgreSQLのマイナーバージョンを固定したい
Oracle/SQL Server/MariaDBを使いたい(Auroraは非対応)
小規模で固定費を抑えたい
小規模構成ではAuroraの方が割高になりやすい傾向がありますが、実際の差はリージョンやI/O特性で変わります。小さな開発環境を立てるだけならRDS MySQLの方が経済的に収まりやすい、というケースは現場で頻繁にあります。
EC2自前構築が残るケース
ほぼレアケースですが、以下なら自前構築が選ばれます。
OS拡張やカーネルパラメータ調整が必要
RDSが対応していないOSSプラグインを使いたい(例:PostgreSQLの一部の特殊拡張)
ライセンス契約上、EC2でしか動かせない構成
ただし、運用負担はDBAの工数で跳ね返ります。フリーランスとして提案するなら、まずRDSを基本線にし、必要性がある場合だけ自前構築を提案する流れが現実的です。
AWS RDSの料金体系|見落としやすい4つの課金軸
RDSのコストは「インスタンス時間」だけで終わらず、複数の課金要素が積み上がります。提案フェーズで見積もりを誤りやすいポイントを整理します。
① インスタンス時間料金
DBインスタンスが起動している時間に対する課金です。オンデマンドとリザーブドインスタンス(RI)の2形態があります。詳細はAWS RDS料金ページで最新値を確認してください。
AWS公式によれば、RIの割引は以下が目安です。
RIタイプ | 期間 | 割引率の目安 |
|---|---|---|
前払いなし | 1年 | オンデマンド比 最大30%程度 |
一部前払い | 3年 | 最大60%程度 |
全額前払い | 3年 | 最大63%程度 |
長期稼働が確定している本番DBはRI、検証用や短期案件はオンデマンド、と使い分けるのが定石です。
② ストレージ料金
ストレージはGB×月で課金されます。汎用SSD系・プロビジョンドIOPS系・マグネティック系といった選択肢があり、IOPS要件と相談して選びます。利用できるストレージ種別はエンジンや構成・世代で異なるため、見積もり時はAWS公式の料金ページで対応状況と単価を確認してください。プロビジョンドIOPSは性能保証がある代わりに割高で、月数万円単位で差が出ることもあります。
③ データ転送料金
同一AZ内・同一リージョン内の通信は無料または安価ですが、別リージョン・インターネット向け転送は1GBあたりの課金が発生します。読み取りトラフィックが多いサービスでは、リードレプリカの配置リージョンが転送料金を左右します。
④ バックアップ・スナップショット料金
自動バックアップはDBサイズ相当までは無料ですが、超過分・手動スナップショット・クロスリージョンコピーは別途課金です。「とりあえず手動スナップショットを取り続けたら毎月数万円増えていた」という失敗が起きやすい箇所です。
無料利用枠
AWSの無料利用枠では、新規アカウント向けにRDSの一部インスタンスタイプを一定時間まで無料で利用できる枠が用意されています。対象インスタンスタイプ・時間・期間は変更されることがあるため、利用前にAWS公式の無料利用枠ページで最新条件を確認してください。学習や検証なら、まずここで触ってみるのが安全です。
ミニFAQ:停止中でもストレージ料金はかかりますか?
かかります。インスタンスを停止してもアタッチされたEBSボリュームと自動バックアップは課金対象です。長期停止より、不要なら削除+スナップショット保存の方が安く済みます。
ケース別の選び方|案件タイプから逆算する
「結局どれを選べばいいか」が見えにくいので、案件タイプ別の判断軸を整理します。
既存システムのクラウド移行案件
オンプレや他クラウドのMySQL/PostgreSQL/Oracle/SQL Serverを移すなら、同じエンジンのRDSが第一候補です。AWS DMS(Database Migration Service)と組み合わせると、無停止に近い形でデータ移行できます。互換性検証の工数を最小化できる点が大きなメリットです。
新規SaaS開発案件
トラフィック変動が大きい新規SaaSなら、Aurora(特にAurora Serverless v2)が有力です。リードレプリカの自動増設、ストレージの自動拡張で「成長に合わせて手動操作する工数」が減ります。
小規模・予算優先案件
PoCや個人開発では、小さめのインスタンスを使う通常RDSが比較的低コストに収まりやすいです。Aurora最小構成より割安に立ち上げやすく、かつ自前運用より工数が低いラインに収まります。
データ分析・データ基盤案件
RDSは「トランザクション処理」のためのDBです。集計・分析が中心ならBigQueryやSnowflakeなど、DWH(データウェアハウス)専用サービスを併用するのが定石です。RDS単体で大量集計を捌こうとすると、本番系のパフォーマンスを圧迫します。
AWS RDS案件のフリーランス単価相場
ここからはフリーランス視点での案件動向です。観測ベースの数字なので、契約条件や個別エージェントで変動する点はあらかじめお断りします。なお、公開案件では「RDS専任」よりも、AWS全体設計やIaC、監視設計を含む案件が多く、単価もその役割幅を反映している点に注意が必要です。
単価帯の目安(公開案件ベース)
フリーランススタートの公開案件データでは、AWS RDS関連案件の経験年数別の単価帯として以下が示されています。
経験年数 | 月額単価の目安 |
|---|---|
1年未満 | 40万円前後 |
1〜2年 | 48万円前後 |
2〜3年 | 68万円前後 |
3〜5年 | 80万円前後 |
5年以上 | 90万円台後半 |
最高単価は120万円、平均はおよそ77万円という公開データもあります。あくまで主要エージェントの公開案件を母集団とした目安で、非公開案件・直案件では水準が変動します。特に高単価帯は、RDS単体ではなくAWS全体設計、IaC、障害対応、性能改善まで担えるインフラ/DB寄りの人材が中心です。経験年数だけで自動的に到達するレンジではなく、役割の幅とアウトプットの厚みが重要になります。
単価が上がりやすい組み合わせ
RDS単体スキルよりも、以下と組み合わせて提案できると単価レンジが上がりやすい傾向があります。
IaC(Terraform・CloudFormation):構築の再現性とレビュー耐性が評価される
CI/CDパイプライン構築:GitHub ActionsやGitLab CIとの連携
モニタリング・SRE的視点:SREのロールで設計レビューに入る案件が増えている
コスト最適化提案:RI購入計画・Aurora ServerlessへのリプレースなどFinOps系の提案
クラウドエンジニア全般の市場感はクラウドエンジニアとは、案件獲得の流れはフリーランスエンジニアのスキルシートの書き方も参考になります。
求められる資格・経験
必須資格は少ないものの、AWS認定があると初回面談で基礎知識の証明材料として評価されやすいケースがあります。AWS認定資格おすすめ一覧で全体像を確認し、DB案件狙いなら「Solutions Architect Associate」または「Database - Specialty」を狙うとアピール材料になります。
データベース寄りのキャリアパスは、データベースエンジニアとは、データベーススペシャリスト試験もあわせて読んでください。
RDSでよくある失敗と対策
RDSは「マネージド=何もしなくていい」と誤解されがちです。実務で見かける失敗を、設計・運用・コストの3軸で整理します。
失敗1:シングルAZのまま本番リリース
開発環境のシングルAZ構成を、そのまま本番に流用してしまうケースです。AZ障害時に数時間のダウンタイムが発生してから慌てる、というパターンが起きます。
対策は、本番リリース前のチェックリストにMulti-AZ有効化を入れることです。Terraformでテンプレ化しておけば、レビュー段階で漏れに気づけます。
失敗2:パラメータグループのデフォルト運用
RDSのデフォルトパラメータグループは保守的な設定で、本番ワークロードに対して最適化されていません。max_connections、innodb_buffer_pool_size、shared_buffersなどはインスタンスサイズに合わせてカスタムパラメータグループを作るのが基本です。
ただしカスタムパラメータグループの一部設定変更にはインスタンス再起動が必要なので、メンテナンスウィンドウとセットで計画してください。
失敗3:手動スナップショットの放置
「念のため」と取り続けた手動スナップショットが数十個積み上がり、月額数万円を消費しているケースです。手動スナップショットは自動削除されません。
対策はAWS Backupでの保持ポリシー管理や、Lambdaによる棚卸し・削除自動化の検討です。月次でコストエクスプローラーを確認するルーティンも有効です。
失敗4:スロークエリ対応の遅れ
Performance Insightsを有効化していないと、特定SQLの長時間化に気づくのが遅れます。CloudWatchアラームでCPU使用率・接続数・読み取り遅延の上限を設定し、Slack等に通知される導線を作っておくと検知が早まります。
ミニFAQ:DBインスタンスのアップグレード中はサービス停止しますか?
シングルAZだと数分のダウンタイムが発生します。Multi-AZならフェイルオーバーで切り替わるため、数十秒の瞬断で済むことが多いです。完全無停止が必要なら、Aurora Global DatabaseやBlue/Greenデプロイメント機能の検討対象になります。
実践チェックリスト|RDS導入時の確認項目
新規プロジェクトでRDSを採用するときに、最低限見ておきたい設定項目です。
本番環境はMulti-AZ有効か
バックアップ保持期間は要件に合っているか(最大35日)
自動マイナーバージョンアップグレードの方針が決まっているか
セキュリティグループはアプリ層のSGからのみ接続を許可しているか
パブリックアクセスを意図せず有効にしていないか
KMS暗号化を有効にしているか(既存インスタンスへの直接適用は不可、必要ならスナップショット経由の再作成が必要)
パラメータグループはデフォルトのままになっていないか
Performance InsightsとEnhanced Monitoringの有効化方針が決まっているか
CloudWatchアラームの閾値が設定されているか
RI購入計画が立てられているか
KMS暗号化は既存インスタンスに対してその場で有効化することはできず、必要ならスナップショット経由で暗号化版を再作成する手順が必要になります。「あとでサクッと有効にすればいい」が通用しない数少ないポイントなので、初回作成時にチェックを入れておくのが安全です。
まとめ
AWS RDSは「DBエンジンの周辺運用をAWSに任せる」サービスで、Multi-AZ・自動バックアップ・リードレプリカ・Performance Insightsといった機能を組み合わせれば、自前運用よりも少ない工数で安定した本番DBを動かせます。フリーランス案件としても、上流設計やIaC、障害対応、性能改善まで担える場合は、公開案件でも月90万円超のレンジが見られます。
要点の整理は以下です。
マネージドDBが解決するのはパッチ適用・冗長化・バックアップの3領域
対応6エンジン+Auroraから、移行か新規開発かで第一候補が決まる
料金はインスタンス時間・ストレージ・データ転送・バックアップの4軸で積み上がる
単価レンジはエージェント公開案件ベースで月40万〜120万円、5年以上で90万円超が目立つ
KMS暗号化は作成後に有効化できないなど、初回構築時にしか直せない設定がある
次のステップとして、自分のAWSアカウントの無料利用枠で公式チュートリアルを1本走らせ、Multi-AZ有効化やリードレプリカ作成までを手で触ってみてください。RDS案件への参画前に、面談で具体的に話せる経験を1つ作るのが最短ルートです。
参照元・関連リンク:
よくある質問
Q1. AWS RDSとAmazon Auroraはどちらを選ぶべきですか?
新規開発で性能・可用性を最優先するならAurora、既存DBの移行や特定バージョン固定が必要なら通常のRDSが基本線です。小規模で固定費を抑えたい場合もRDS MySQL/PostgreSQLが安価に収まります。
Q2. RDSの無料利用枠はどこまで使えますか?
RDSの無料利用枠は時期によって対象条件が変わるため、最新の対象インスタンスタイプ・時間・ストレージ容量はAWS公式の無料利用枠ページで確認してください。新規アカウント向けに一定時間の無料枠が用意されているため、学習や個人開発の最初の選択肢として現実的です。
Q3. RDS Proxyはいつ使うべきですか?
Lambdaなどから大量の短命コネクションが発生する構成で導入を検討します。RDS本体の接続数枯渇を防ぎ、サーバレスとの相性を改善できます。固定的なアプリサーバから少数のコネクションを張る構成なら、必須ではありません。
Q4. Multi-AZとリードレプリカはどう違いますか?
Multi-AZは「障害時のフェイルオーバー用スタンバイ」で、通常時は接続できません。リードレプリカは「参照クエリを処理する読み取り専用インスタンス」で、平常時から接続して使います。目的が違うため、要件によっては両方併用します。
Q5. RDSからEC2自前構築に戻すべきケースはありますか?
OSレベルの拡張や、RDSが対応しないOSSプラグインが必要なケースに限られます。一般的なWebサービス用途では、自前構築に戻すメリットよりも運用負担が大きく、現場では稀な選択です。
Q6. RDSのバージョンアップグレードはどう計画すればよいですか?
メジャーバージョンアップは互換性検証が必要なため、ステージング環境で動作確認したうえで本番にスケジュールします。マイナーバージョンは自動適用も選べますが、本番では計画的に手動で当てるチームも多いです。Blue/Greenデプロイメント機能を使うと、本番影響を最小化できます。
Q7. AWS RDSの案件はリモートワークが多いですか?
主要エージェントの公開案件を見ると、フルリモート・週2〜3日稼働の案件も見られ、地方在住エンジニアでも参画できるケースがあります。ただし金融・公共系はオンサイト指定や常駐要件が残るケースもあるため、案件詳細の確認が必要です。
Q8. AWS RDS未経験ですが、案件にチャレンジできますか?
オンプレや他クラウドでMySQL/PostgreSQLの運用経験があるなら、RDS固有の操作は短期間でキャッチアップできます。AWS認定資格の取得と、自前のAWSアカウントでの構築経験を組み合わせると、面談での説得力が増します。
Q9. RDSとAuroraで料金はどれくらい違いますか?
最小構成(db.t3.smallクラス)で比較すると、Auroraの方がインスタンス単価がやや高い傾向があります。ただしAuroraは小さなインスタンスでRDSと同等以上のスループットを出せるケースもあり、トータルでの差はワークロード依存です。本番想定のインスタンスサイズで試算するのが確実です。
Q10. データベーススペシャリスト試験はRDS案件に役立ちますか?
論理設計・正規化・チューニングなどDB全般の基礎力を証明できる資格で、RDS案件でも評価されます。AWS固有の知識はAWS認定で、DB全般はデータベーススペシャリスト試験で、と並行して取得するエンジニアも見られます。
Q11. RDSが向かないのはどんな用途ですか?
OSレベルの拡張やカーネル調整が必要な構成、RDSが対応していないOSSプラグインを使いたいケース、ライセンス契約上EC2でしか動かせないシステムは向きません。また、リアルタイム分析やペタバイト級の集計はRDS単体では捌けないため、DWH系サービスとの併用が現実的です。
Q12. RDS導入前に最低限確認すべきセキュリティ設定は何ですか?
KMS暗号化の有効化(作成後の有効化不可)、パブリックアクセスの無効化、セキュリティグループでアプリ層からの接続だけを許可する設定、IAMデータベース認証の検討、の4つは初回構築時に確認したい項目です。本記事の実践チェックリストにも整理しているので、設計レビュー時に活用してください。




