青色申告特別控除75万円|令和9年分の要件と65万・10万の分かれ目
最終更新日:2026/09/29
青色申告特別控除とは、青色申告をする個人事業主が所得金額から一定額を差し引ける制度です。令和8年度税制改正で、令和9年分以後は最大75万円(いわゆる75万控除)に引き上げられ、55万円の区分は廃止されます。書面申告のままだと10万円まで下がるため、エンジニアが今から準備すべきことを控除額の分かれ目に絞って整理します。
先に結論
令和9年分(2028年に行う申告)から、青色申告特別控除は「75万円・65万円・10万円」の3区分になります。現行の55万円区分はなくなります。
65万円の要件は、複式簿記・貸借対照表および損益計算書の添付・期限内のe-Tax申告です。ここまでは現行の65万円控除と同じ土台です。
75万円は、65万円の要件に加えて「優良な電子帳簿」または「請求書等データの自動連携」のどちらかを満たし、所定の届出書を提出した場合に適用されます。制度の骨格は改正法で示されていますが、届出書の様式や認証実務の詳細は今後の公表資料で具体化されるため、着手前に最新情報を確認してください。
優良な電子帳簿は、原則としてその年の期首(1月1日)から要件を満たした状態で備え付け・保存を行うこととされています。令和9年分を狙うなら、動き出すのは2027年1月より前です。
複式簿記でも書面で申告すると10万円にとどまります。55万円から10万円へ下がるケースでは、課税所得が45万円増える計算になります。
この記事でわかること
令和9年分以後の控除額3区分と、それぞれの適用要件
75万円を取りにいくときの2つのルート(優良な電子帳簿/請求書等データの自動連携)の違いと選び方
常駐型・受託型・副業など、フリーランスエンジニアの働き方別にどちらが現実的か
控除額の差が納税額にいくら効くかの試算と、2028年3月の申告までの逆算スケジュール
なお本記事は、すでに青色申告を選んでいる(または選ぶ予定の)人が、控除額の要件をどう満たすかに絞っています。青色と白色のどちらを選ぶかという判断そのものは「青色申告と白色申告の違い|フリーランスエンジニアが知るべき判断基準と手続きを解説」で扱っています。
目次
令和9年分から何が変わるのか
75万円控除の要件|4つの土台と2択の追加要件
65万円にとどまるケースと、10万円まで下がるケース
控除額の差は納税額にいくら効くか
フリーランスエンジニア特有の論点
令和9年分に向けた逆算スケジュール
よくある失敗と対策
まとめ
よくある質問
令和9年分から何が変わるのか
結論として、変わるのは控除額の区分と、最上位区分に必要な手当てです。青色申告そのものの仕組みや、承認申請の手続きが変わるわけではありません。
現行と令和9年分以後の比較
記帳・申告の方法 | 令和8年分まで | 令和9年分以後 |
|---|---|---|
複式簿記+BS/PL添付+期限内e-Tax申告+追加要件(下記)+届出書 | 区分なし | 75万円 |
複式簿記+BS/PL添付+期限内e-Tax申告 | 65万円 | 65万円 |
複式簿記+BS/PL添付+期限内の書面申告 | 55万円 | 10万円 |
簡易な簿記による記帳 | 10万円 | 10万円(前々年分の収入金額による制限あり) |
表の3行目が今回いちばん影響の大きい箇所です。複式簿記で帳簿はきちんと付けていても、申告を紙で出している人は55万円から10万円になります。差は45万円です。
「年分」は所得税の対象期間を指す言い方で、令和9年分の申告を行うのは2028年の申告期間です。個人住民税へは令和10年度分以後に反映されます。制度の一次情報は国税庁の「No.2072 青色申告特別控除」および「No.2070 青色申告制度」で確認できます。
確定している事項と、これから具体化される事項
改正の適用は令和9年分からで、執筆時点ではまだ先の話です。どこまでが確定していて、どこが今後の様式・認証制度の整備待ちかを分けて把握しておくと、準備の優先順位を間違えません。
区分 | 内容 |
|---|---|
確定している事項 | 控除額が75万円・65万円・10万円の3区分になること/適用は令和9年分以後であること/75万円には追加要件と届出書が必要であること |
今後の様式・運用で具体化される事項 | 75万円版の届出書の様式と細かな記載方法/請求書等データの自動連携に対応するソフトの認証制度の整備状況 |
今から先取りできる事項 | e-Tax申告への切り替え/複式簿記での記帳/会計ソフトの電子帳簿設定の確認/電子取引データの保存運用の整備 |
自動連携に対応するソフトの法的要件認証については、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が「デジタルシームレスソフト法的要件認証制度」として整備を進めています。認証取得ソフトの顔ぶれは今後変わる可能性があるため、ソフトの乗り換えを検討する場合は最新の認証状況を確認してください。
ミニFAQ:今使っている会計ソフトを変えないといけませんか。
必ずしも変える必要はありません。多くのクラウド会計ソフトは電子帳簿の要件に対応しており、設定の見直しで足りるケースがあります。ただし75万円を狙う場合は、使用中のソフトが優良な電子帳簿の要件(訂正削除履歴・相互関連性・検索機能)に対応しているかを、ベンダーの案内ページで個別に確認してください。
75万円控除の要件|4つの土台と2択の追加要件
75万円は「65万円の要件を満たしたうえで、さらに1つ乗せる」という構造です。土台が欠けていると、追加要件だけ整えても75万円には届きません。
すべての前提になる4つの要件
事業所得または事業的規模の不動産所得を生ずべき事業を営んでいること
取引を複式簿記で記帳していること
貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付すること
法定申告期限内にe-Tax(電子申告)で提出すること
4つ目が実務上の関門です。申告期限は原則として翌年3月15日で、3月15日が土日祝に当たる年は翌営業日にずれます。期限を1日でも過ぎると、その年分は10万円まで落ちます。e-Taxの具体的な操作手順は「e-Taxで確定申告するやり方|フリーランスエンジニア向け操作手順・必要書類・つまずきポイント【令和8年分】」にまとめています。
追加要件①:優良な電子帳簿
優良な電子帳簿とは、電子帳簿保存法上の一定水準を満たした帳簿のことです。青色申告特別控除との関係では、対象は仕訳帳と総勘定元帳という主要簿とされています。
満たすべき主な内容は次のとおりです。
訂正または削除を行った事実と内容を確認できること(履歴が残ること)
帳簿間の関連性が相互に確認できること
取引年月日・取引金額・取引先などで検索できる機能を備えていること
システム概要書や操作説明書などのシステム関係書類等を備え付けること
保存場所にパソコン・ディスプレイ・プリンター等を備え付け、税務職員のダウンロードの求めに応じられること
注意したいのは開始時点です。電子帳簿として認められるには、原則としてその課税期間の最初から要件を満たした状態で備え付け・保存を行っていることが必要とされています。年の途中で思い立って切り替えても、その年分には間に合わない可能性が高いということです。電子帳簿保存法まわりの全体像は「電子帳簿保存法とは|フリーランスエンジニアが最低限やるべき対応【2026年版】」で整理しています。
追加要件②:請求書等データの自動連携
もう一方のルートが、請求書等のデータを帳簿へ自動で取り込む仕組みです。デジタルシームレスと呼ばれます。
考え方はシンプルで、受け取った請求書などのデータの金額情報が、人が打ち直すことなく帳簿システムに記録される状態を指します。書類データと、それに対応する仕訳データの関連性を相互に確認できるようにしておくことも求められます。デジタルインボイス(JP PINT)や金融機関の為替データが想定されているデータ形式です。
この2つ目のルートは、競合する解説記事でも一行の紹介で終わっていることが多く、情報量が薄い領域です。認証制度の整備が進行中であることもあり、現時点では優良な電子帳簿ルートのほうが見通しが立てやすいというのが実務的な感触です。
どちらのルートを選ぶか
判断軸は「取引件数」と「請求書をどこが発行しているか」の2つです。エンジニアの働き方によって、向き不向きがはっきり分かれます。
働き方 | 取引の実態 | 向いているルート |
|---|---|---|
常駐(準委任)1〜2社中心 | 月次の請求が数件。仕訳数が少ない | 優良な電子帳簿。件数が少ないので手入力でも負担が小さく、自動連携の恩恵が出にくい |
受託開発で複数社と取引 | 請求・入金の件数が多い | 自動連携が効きやすいが、認証ソフトの対応状況を見て判断。当面は電子帳簿と併走が無難 |
エージェント経由が中心 | 自分で請求書を出さず、支払明細を受け取る形が多い | 優良な電子帳簿。連携対象となるデータの形式が取引先依存になるため |
副業(本業は会社員) | 取引数が少なく、記帳頻度も低い | まず65万円を確実に。75万円は取引が増えてから検討 |
65万円にとどまるケースと、10万円まで下がるケース
結論から言えば、e-Taxで期限内に出しているかどうかが65万円と10万円を分けます。帳簿の付け方だけでは決まりません。
55万円区分の廃止で影響を受ける人
影響が大きいのは、複式簿記できちんと記帳しているのに、申告書を印刷して税務署へ持参・郵送している人です。これまでは55万円が確保できていましたが、令和9年分以後は10万円になります。
逆に言えば、この層はe-Tax申告に切り替えるだけで65万円に戻せます。控除額を45万円取り戻す手段としては、対応コストがもっとも軽い部類です。
簡易な簿記と前々年分の収入金額
簡易な簿記で記帳している場合は10万円控除が基本ですが、令和9年分以後は前々年分の事業所得・不動産所得に係る収入金額が1,000万円を超えると、この10万円控除の対象から外れるとされています。
売上が一定規模に育っているエンジニアが簡易簿記のままでいると、控除がまったく使えない事態になり得ます。該当しそうな場合は、複式簿記への移行を前倒しで検討してください。この点は解説記事によって「0円になる」と断じるものと「対象から除外される場合がある」と留保するものがあり、書きぶりが分かれています。自分が該当しそうなときは、国税庁の個人事業者向けの案内資料や所轄税務署で確認するのが確実です。
ミニFAQ:期限に遅れたら、その年は必ず10万円ですか。
期限内申告が65万円・75万円の要件であるため、期限後申告になるとその年分は10万円が上限になります。翌年分で要件を満たせば再び適用を受けられますが、遅れた年分を後から取り戻すことはできません。
控除額の差は納税額にいくら効くか
控除額が増えると、その分だけ課税所得が下がります。効果の大きさは、その人に適用される税率で決まります。
以下は、独身・扶養なし・他の所得控除の影響を考慮せず、復興特別所得税を含めない前提での概算です。実際は所得水準・家族構成・各種控除・自治体によって変わるため、金額の目安としてのみ扱ってください。
控除額の変化 | 課税所得への影響 | 所得税率20%・住民税10%の場合の概算 |
|---|---|---|
65万円 → 75万円 | 10万円減 | 年間およそ3万円の負担減 |
55万円 → 10万円 | 45万円増 | 年間およそ13.5万円の負担増 |
10万円 → 65万円 | 55万円減 | 年間およそ16.5万円の負担減 |
金額の大小をどう捉えるかは、単価水準によって変わります。自分がどのくらいの単価を狙えるか気になる方は、無料のフリーランスエンジニア単価診断で現在の市場単価の目安を確認できます。控除と経費の組み合わせで手取りをどう設計するかは「フリーランスエンジニアの節税対策|青色申告・経費・iDeCo・小規模共済の実践テクニックを徹底解説」が参考になります。
なお令和7年分以後の基礎控除の見直しとは別の話です。両方が手取りに効くため、あわせて把握しておくと計算がずれません。基礎控除側は「基礎控除 改正 2026|フリーランスの手取りが変わる年収ラインと確定申告実務」で扱っています。
フリーランスエンジニア特有の論点
一般的な個人事業主向けの解説では触れられない、エンジニアの取引実態に固有の論点を整理します。
エージェント経由の報酬は「支払明細」で受け取る
常駐案件をエージェント経由で受けている場合、自分で請求書を発行せず、エージェントが発行する支払通知書や支払明細を受け取る形が一般的です。
このとき、自動連携の対象になるデータが自分の裁量ではなく取引先の運用に左右される点に注意が必要です。エージェントがデジタルインボイスに対応していなければ、自動連携ルートは成立しません。自分で完結できる優良な電子帳簿ルートのほうが、コントロールしやすい選択になります。請求書を自分で出す場合の書き方は「フリーランスエンジニアの請求書の書き方|インボイス対応・記載項目・テンプレートを徹底解説」を参照してください。
常駐1社型は仕訳数が少ない
月額精算の準委任で1社に常駐している場合、売上の仕訳は月1件です。経費も通信費・書籍・ソフトウェア利用料などに限られ、年間の仕訳数は他業種の個人事業主より少なくなりがちです。
これは優良な電子帳簿への対応コストが相対的に軽いことを意味します。取引件数が少ないほど、会計ソフトの設定を整えるだけで要件を満たしやすくなります。逆に、自動連携で削減できる手入力の量も少ないため、費用対効果は出にくくなります。
海外SaaSの領収書は電子取引データ
AWS・GitHub・JetBrains・Adobeなど、エンジニアが日常的に使うサービスの多くは、領収書をWeb画面やメールで発行します。これらは紙を受け取らない電子取引に当たるため、データのまま保存する対応が必要です。
優良な電子帳簿の要件そのものとは別の話ですが、電子帳簿まわりを整える作業として地続きです。75万円を狙う準備をきっかけに、経費側の保存運用も点検しておくと二度手間になりません。経費の範囲そのものは「フリーランスエンジニアが経費にできるもの一覧|勘定科目・判断基準・仕訳例を徹底解説」で整理しています。
報酬が原則として源泉徴収されないこと
エンジニアの業務委託報酬は、原則として源泉徴収の対象外です(報酬の一部が原稿料・デザイン料等に該当する場合など、対象になるケースもあります)。
給与所得者のように源泉徴収で前払いしている状態ではないため、控除額の差がそのまま申告時の納税額の差として現れます。年末に慌てないよう、控除額が変わる前提で納税資金を見ておくと安全です。
副業エンジニアは所得区分の確認が先
会社員として働きながら副業で開発を受けている場合、そもそも事業所得として青色申告できる状態かの確認が先になります。判定の考え方は「副業の事業所得と雑所得の違い|300万円ルールと帳簿要件の判定基準」にまとめています。
令和9年分に向けた逆算スケジュール
期首からの対応が前提になるため、逆算で動く必要があります。目安の時期は次のとおりです。
2026年内にやること
現在の申告方法を確認する。書面で出しているならe-Taxへの切り替えを決める
会計ソフトが優良な電子帳簿の要件に対応しているか、ベンダーの案内で確認する
簡易簿記で記帳している場合、複式簿記へ移行する時期を決める
2027年1月の期首までに完了させること
会計ソフト側で電子帳簿の設定(訂正削除履歴の記録等)を有効にする
システム関係書類等の備え付けを確認する
令和9年1月1日から要件を満たした状態で記帳を開始できるようにしておく
ここが最重要です。2027年の途中で設定を有効にしても、令和9年分には間に合わない可能性が高いと考えてください。
2028年の申告時にやること
所定の届出書を法定申告期限までに所轄税務署へ提出する
貸借対照表・損益計算書を添付し、期限内にe-Taxで申告する
届出書は、現行制度では「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る65万円の青色申告特別控除・過少申告加算税の特例の適用を受ける旨の届出書」という名称で運用されており、令和9年分以後は75万円に対応した様式が用意されます。提出期限は適用を受けようとする年分の法定申告期限までとされていますが、この点は解説によって書きぶりに幅があるため、提出前に国税庁の「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る届出手続」で最新の様式と期限を確認してください。
準備チェックリスト
直近の申告をe-Taxで行ったか
複式簿記で記帳しているか
貸借対照表を作成しているか
会計ソフトが優良な電子帳簿に対応しているか
訂正削除履歴が残る設定になっているか
期首から要件を満たす段取りになっているか
前々年分の収入金額が1,000万円を超える見込みはないか
届出書の提出時期をカレンダーに入れたか
よくある失敗と対策
年の途中で電子帳簿の設定を始めてしまう
もっとも起きやすい失敗です。原則としてその課税期間の最初から要件を満たしている必要があるため、12月に慌てて設定しても、その年分は要件を満たせない可能性があります。期首を基準に逆算してください。
帳簿は完璧なのに書面で申告している
複式簿記で丁寧に記帳しているのに、申告だけ紙で提出しているケースです。令和9年分以後はこの状態が10万円になります。改善コストがもっとも低い失敗なので、真っ先に潰しておきたい項目です。
届出書の提出を忘れる
要件を満たしていても、届出書を出していなければ75万円は適用されません。帳簿側の準備に意識が向きがちですが、手続きが1枚残っていることを忘れないでください。
承認申請そのものを出していない
そもそも青色申告の承認を受けていなければ、控除額の話は始まりません。提出期限と遅れた場合の扱いは「青色申告承認申請書の期限|フリーランスエンジニアの提出方法と遅れた時の実務」で解説しています。
まとめ
令和9年分以後、青色申告特別控除は75万円・65万円・10万円の3区分になり、複式簿記でも書面申告なら10万円まで下がります。取引先が少ない常駐型・エージェント経由のエンジニアにとっては、2027年1月の期首までに優良な電子帳簿の体制を整えるのが現実的な進め方です。
65万円の土台は、複式簿記・貸借対照表および損益計算書の添付・期限内のe-Tax申告
75万円は、その土台に「優良な電子帳簿」または「請求書等データの自動連携」と届出書が加わる
優良な電子帳簿は原則として期首から要件を満たす必要があり、年の途中からでは間に合わない可能性が高い
常駐中心・エージェント経由のエンジニアは、自分で完結できる優良な電子帳簿ルートが選びやすい
55万円から10万円に下がる層は、e-Tax申告への切り替えだけで65万円に戻せる
簡易簿記で前々年分の収入金額が1,000万円を超える場合は、複式簿記への移行を前倒しで検討する
次のアクションとしては、まず直近の申告方法がe-Taxかどうかを確認し、書面なら切り替えを決めることです。そのうえで、使っている会計ソフトが優良な電子帳簿に対応しているかをベンダーの案内ページで確認してください。確定申告の全体的な流れは「フリーランスエンジニアの確定申告|やり方・必要書類・期限をわかりやすく解説」、提出・保存書類の一覧は「確定申告の必要書類一覧|フリーランスエンジニア向け提出・保存書類完全ガイド【2026年版】」にまとめています。
本記事は制度の概要を整理したものです。適用の可否は個々の記帳状況や取引形態によって異なるため、判断に迷う場合は所轄税務署または税理士に確認してください。
参照元・一次情報
国税庁「No.2072 青色申告特別控除」
国税庁「No.2070 青色申告制度」
JIIMA「デジタルシームレスソフト法的要件認証制度」
よくある質問
75万円控除はいつから使えますか
令和9年分からです。対象期間は2027年1月1日から12月31日までで、実際に申告するのは2028年の申告期間です。令和8年分までの申告には適用されません。
55万円控除は完全になくなるのですか
令和9年分以後は55万円という区分がなくなります。複式簿記で期限内にe-Tax申告すれば65万円、書面申告なら10万円という分かれ方になります。
優良な電子帳簿と自動連携は両方必要ですか
どちらか一方で構いません。両方満たしても控除額は75万円が上限です。
優良な電子帳簿の対象になる帳簿はどれですか
青色申告特別控除との関係では、仕訳帳と総勘定元帳という主要簿が対象とされています。なお過少申告加算税の軽減措置を受ける場合は、対象となる帳簿の範囲が広くなります。
会計ソフトを使っていれば自動的に要件を満たしますか
自動的には満たしません。ソフトが機能として対応していても、訂正削除履歴を記録する設定が有効になっていなければ要件を満たさないことがあります。契約プランによって使える機能が異なる場合もあるため、設定画面とプラン内容の両方を確認してください。
エージェント経由の報酬しかない場合、自動連携ルートは使えますか
取引先であるエージェント側がデータ連携に対応している必要があるため、自分の準備だけでは完結しません。自分でコントロールできる優良な電子帳簿ルートを軸に考えるほうが確実です。
前々年分の収入が1,000万円を超えると控除はどうなりますか
簡易な簿記で記帳している場合に、10万円控除の対象から外れるとされています。複式簿記に移行して期限内にe-Tax申告すれば65万円、追加要件を満たせば75万円の適用を受けられます。
期限後申告になった年分は、あとから75万円に修正できますか
できません。期限内申告が要件であるため、期限を過ぎた年分は10万円が上限になります。
開業初年度でも75万円控除を受けられますか
要件を満たせば受けられます。ただし優良な電子帳簿は原則としてその課税期間の最初から要件を満たす必要があるため、開業日以降の記帳を最初から要件を満たす形で始めておく必要があります。初年度の実務は「開業1年目の確定申告|売上規模別の判断と提出書類【令和8年分】」を参照してください。
副業のエンジニアでも75万円控除を狙えますか
事業所得として青色申告できる状態であれば要件は同じです。ただし取引件数が少ない段階では、まず65万円を確実に取ることを優先し、75万円は記帳体制が固まってから検討するほうが現実的です。
貸借対照表を作っていないのですが65万円は取れますか
取れません。貸借対照表と損益計算書の添付が要件に含まれます。作成方法は「青色申告決算書の書き方|フリーランスエンジニアの記入例と勘定科目」で解説しています。
住民税にはいつから影響しますか
個人住民税へは令和10年度分以後に反映されます。所得税と住民税でタイミングがずれる点に注意してください。
